ISOの本棚

ISO9001、ISO14001、ISO22000、OHSAS18001、ISO/IEC 27001、ISMS、Pマークなどのマネジメントシステムの書籍からビジネス書などを書評を交えて順次紹介していきたいと考えています

ビジネスモデルを見える化する ピクト図解

優れた商品があるのに、儲からないのはなぜか」というのが、本書の筆者:板橋悟氏が、かつてリクルートで新規事業開発を担当していたときに直面した疑問とのこと。

優れた商品と事業の儲けとの間には、隔たりがあるが。

一般的にも商品だけ優れていても、必ずしもそれが売れるかは、さらに儲かるかとなると別。

筆者が満を持して新規商品を発売したにも関わらず、それらはどれも鳴かず飛ばずに終わってしまう。

その際の経験をもとに成功と失敗を際だてているポイントに以下のことが重要との結論。

「儲けるしくみ(=ビジネスモデル)」が優れていること

卓越したビジネスモデルなくして、真に儲かる事業はつくりえない。』

そこで筆者が考案したビジネスモデルを見える化する手法が「ピクト図解」という手法。

ピクト図解」とは、禁煙サインや非常口サインなどのようなシンボル記号で、何らかの情報や注意を示すために表示される視覚記号の『ピクトグラム(Pictogram)』から採った方法。

このツールを用いるとビジネスモデルをシンプルに可視化できるようになる。

筆者は、『「記事トレ!」日経新聞で鍛えるビジュアル思考力 』という著書で既に「ピクト図解」の手法を解説しています。

本書では、この「ピクト図解」を用いたビジネスモデルのシンプルな可視化法の詳細解説と『ドラクエ9』がシリーズ最大のメガヒットになった理由の分析などを交えて「ビジネスモデルを見抜く力」のスキルアップについて説いています。

<<ポイント>>

ピクト図解」を用いて、ビジネスモデルと儲けるしくみをビジュアルに読み解く思考法を解説した本。

ビジネスとは、究極的には、「モノとカネの交換」になる。

そこで

  1. ビジネスにおいて重要となる「誰が」「誰に」「何を」「いくらで」の4要素(ビジネス3W1H)に注目する。
  2. ごく簡単なシンボル記号(ピクトグラム)を用いて、4つの要素を「絵」として描く

といった作業で、たとえ一見複雑に見えるビジネスモデルでも簡単に解読することができる。

ビクト図解を用いて、『ドラクエ9』と歴代のドラクエシリーズとのビジネスモデルの違いの分析といった事例等を交えて、儲けるしくみをシンプルに解読する図解思考法を説いています。

本書:「ビジネスモデルを見える化する ピクト図解」です。

本書は、著者:板橋 悟氏にて、2010年2月にダイヤモンド社より発行されています。

<<本書のエッセンスの一部>>

本書の帯には、以下のように書かれています。

儲かるしくみを

シンプルに解読する

ビジュアル思考法

『ドラクエ9』が

シリーズ最大の

メガヒットになった

理由とは?


本書は、6章から構成されていますが、

ピクト図解による解析方法を解説している:『part1

ピクト図解を活用したアイデアの発想方法を説いている:『part2

との2つのパートに分かれています。

part1』では、

ビジネスモデルの違いに関するビジネス想像力クイズに始まります。

またピクト図解をもちいて、ユニクロ、『ドラクエ9』のビジネスモデルの特長などを解説し、

とくにビジネスモデルを読み解くスキルをビジネスパースンが習得することの意義を説いています。

そしてビジネス3W1H1.誰が(who:売る人)、2.誰に(whom:買う人)、3.何を(what:商品)、4.いくらで(How much:価格)に注目した『ビジネスのレントゲン写真』となるピクト図の描き方を解説しています。

筆者は、ピクト図解化することのメリットについて、以下の3点としています。

  1. 「経営者の視点」を手に入れられる
  2. 説明不要で誰とでも共有できる
  3. 画像パターンを応用してアイデア発想ができる
     

とくにピクト図解はあくまでツールでそれをつくることが目的ではないので、手で描くことが効果があると説いています。

また参考となるビジネスモデルの雛形として代表的な8つの(「シンプル物販モデル」、……「マッチングモデル」)ビジネスモデルを紹介し、「居酒屋」、「100円ショップ」、「雑誌の広告」といったビジネスモデルを解説しています。

part2』では、

ピクト図解をツールとして活用したアイデアの発想法について、「ダイアグラム発想法」、「アナロジー発想法」の拡散型発想法を紹介し、またそれらから得られたアイデアを取捨選択する際の重要ポイントについて解説しています。

ダイアグラム発想法」については、

オズボーンのチェックリストの要領で、「足したらどうか」といった『ピクト図解チェックリスト』を活用した「ダイアグラム発想法」について、ビジネス事例から学ぶ切り口、新聞記事から学ぶ切り口など取り上げ解説しています。

A社のビジネスモデルをB社に水平展開できないかといった「アナロジー」に着目した「アナロジー発想法」について、航空業界とホテル業界の事例分析、トレーニング法、水産加工会社の業績改善事例などを解説しています。

またアイデア発想法から得られたアイデアを取捨選択する際に、「OBゾーンに入っていないかを考える」など3つの軸から判断することが大切としています。

ピクト図そのものはシンプルなのですぐに習得できそうです。

またこの方法は、ピクト図ビジネスモデルの肝の部分を抽象化して考えることで、他業界の成功事例を自業界に取り込んでみるという思考実験をしたり、ビジネスモデルに関する発想や企画構想を他人に説明する際にも強力なプレゼンテーションのツールにもなると思われます。

<<本書で何が学べるか?>>

本書を通して、「ビジネス3W1H」に注目しながらシンボル記号を描く「ピクト図解」手法とその手法を活用し、儲けるしくみを考えるアイデア発想力を学ぶことができます

ピクト図解への抽象化と具体的なビジネスへの焼き直しといったサイクルを繰り返すことで、大胆に新しいビジネスモデルの可能性を俯瞰できるかと思われます。

<<まとめ>>

企画、新規事業開発などに関心があるビジネスパースンは、是非、本書を読んでみて下さい。

なお本書の主要目次は、以下の内容です。
Part-1 ビジネスモデルを見抜く
Chapter-1 ビジネス想像力クイズ
1. ビジネス想像力クイズ(1)――“仲間探し”に挑戦!
2. ビジネス想像力クイズ(2)――“微妙な違い”はなに?
3. ユニクロ、『ドラクエ9』の成功の裏にビジネスモデルあり!
Chapter-2 ピクト図解とは
1. ピクト図の描き方
2. ピクト図はビジネスの「レントゲン写真」
3. ピクト図解の3つのメリット
Chapter-3 ビジネスモデルを解読する
1. 代表的な8つのビジネスモデル
2. 「ビジネスモデル」と「収益モデル」
3. ビジネスモデルを解読する(1)――居酒屋
4. ビジネスモデルを解読する(2)――100円ショップ
5. ビジネスモデルを解読する(3)――雑誌の広告
6. ビジネスモデルを見抜くトレーニング法
Part-2 ビジネスのアイデアを発想する
Chapter-4 ダイアグラム発想法
1. ビジネスモデルを次々と生み出す「ダイアグラム発想法」
2. ビジネス事例からダイアグラム発想法を学ぶ
3. 新聞記事からダイアグラム発想法を学ぶ
Chapter-5 アナロジー発想法
1. ビジネスモデル応用力がつく「アナロジー発想法」とは
2. アナロジー発想のためのトレーニング
3. アナロジー発想で業績を改善させたA社
Chapter-6 アイデアの風呂敷をたたむ
1. OBゾーンに入っていないかを考える
2. 目標数字に照らして考える
3. 実現可能性を考える
4. 3つの軸から風呂敷をたたむには?

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現場がみるみる良くなる 食品衛生7S活用事例集2

 『食品衛生7S』というのは、食品安全ネットワークが提唱する衛生管理手法で『整理・整頓・清掃・洗浄・殺菌・躾・清潔』の7Sの観点から「微生物レベルでの清潔」を目的として、現場の改善を図っていくという手法。

 『食品衛生7S』は、HACCPの一般的衛生管理、ISO22000で要求されている前提条件プログラム(PRP:Prerequisite Programme)の基礎的な取組となります。

 食品の安心と安全に関わるISO22000の認証取得となると一般には、前提条件プログラム(PRP:Prerequisite Programme)の衛生管理条件等をクリアーするのにお金が掛かるのではとの印象を持たれています

 本書では、2009年2月18日に実施された第2回食品衛生7S事例発表会の内容を中心に「食品衛生7S」を活用して現場を改善した6社の事例を掲載しています。

 すでに2009年2月に2008年2月20日に行われた第1回の食品衛生7S事例発表会の内容については、「現場がみるみる良くなる食品衛生7S活用事例集」が発行されていますが、本書は、その続編の位置づけになります。

 本書では、読者が自組織の現場に取り込みやすいように分かり易く写真付きで改善例が紹介されています。

 これらの事例を見ると食品の安全・安心を確保するには必ずしもお金を掛ける必要はなく、人の知恵を結集し、現場力を高めることで対処できるものであるということが分かります

<<ポイント>>

食品衛生7S整理・整頓・清掃・洗浄・殺菌・躾・清潔)の実践事例解説集

本書では、

最初が、【解説編】で、

食品衛生7Sが不十分だとどのような問題を生じるかといった事例の解説

などを含めた躾を中心とする食品衛生7Sの展開の解説、

現場での食品安全対策の考え方など交えての

食品製造現場での具体的な現場改善の進め方、

本書で事例を紹介している6社の企業概要などを交えての事例のワンポイント解説と

及び【事例編】で

6社の取組内容の紹介

といった構成で、読者の職場にすぐにでも取り込める食品衛生7Sの実践事例を掲載しています。

本書:「現場がみるみる良くなる 食品衛生7S活用事例集2」です。

本書は、食品安全ネットワークの米虫節夫氏ならびに角野久史氏の編集により2010年2月に日科技連出版社 より発行されています。

<<本書のエッセンスの一部>>

本書の表紙カバーの折り返しで、

本書で紹介する事例会社は、必ずしもはじめから優秀だったというわけではなく、

社長以下、全従業員の努力で現場力が向上したものとし、

食品衛生7Sは、お金がなくてもやる気があれば、現場力を高め、実践できるとしています

本書は、第1部の解説編(3つの章から構成)と第2部の事例編とから構成されています。

編者の米虫先生による「まえがき」に続いて、「食品衛生7Sの概要」として、いわゆる5Sとの違いや食品衛生7Sの活動のポイント、さらにそれを実践することでどのような効果が見込めるかなどをざっとレビューしています。

食品衛生7Sを構築・維持・発展させることで、食品衛生管理が有効に機能している状況をつくり、企業に安心を利益をもたらすもの』としています。

解説編】では、

最初に「躾を中心とする食品衛生7Sの展開」として、

食品の安全衛生にまつわる不祥事に関する話題にはじまり、

食品衛生7Sが不十分だとどのような事故につながっていくかといった解説を踏まえ、

躾を中心に据えた食品衛生7Sの取組、

さらには、「食品衛生は”しつけ”から~心づくりの新5S~」をテーマとしたこの章の筆者の長谷川祐三氏の講演内容が解説されています。

また「食品製造現場における具体的な現場改善の進め方」として、イカリ消毒(株)の大音稔氏による食品製造現場での食品安全のための具体的な現場改善に進め方が解説されています。

ついで、本書の事例編で取り上げられている6社の食品衛生7Sの取組事例について角野久史氏が、「事例のワンポイント解説」として、「企業紹介」、「各社の食品衛生7Sの導入の契機」、「推進体制」、「改善事例」と「食品衛生7Sのポイント」、「効果」といった点を総括して解説しています。

本書は、この「事例のワンポイント解説」の章から読み進めて下さいとあります。

事例編】では、

以下の6社の食品衛生7Sに基づく現場改善の実践事例が解説されています。

  • 大山乳業農業共同組合
  • 渡辺製菓
  • 三晃
  • 伊賀屋食品工業
  • 松北園茶店
  • 赤福

事例の発表内容は、概ね以下のような構成になっています。

  1. 会社(組織)概要
  2. 食品衛生7S導入の契機
  3. 食品衛生7Sの推進体制
  4. 改善事例
  5. 食品衛生7Sのポイント(食品衛生7Sの運用効果)
  6. おわりに

事例解説だけでなく本書の全般を通じて多数の写真が用いられており、百聞は一見にしかず、どのように改善が行われたかについて、改善の前後を対比するなど極めて具体的な内容となっています。

職場ですぐに真似できる改善のヒントが得られる内容となっています。

<<食品衛生7Sの解説書>>

ISOの本棚でもこれまでに以下のような食品衛生7Sの関連書籍を紹介しています。

<<本書で何が学べるか?>>

本書では、「微生物レベルでの清潔」を目的とした「食品衛生7S整理・整頓・清掃・洗浄・殺菌・躾・清潔)」を活用しての食品の安全・安心に関わる製造現場の改善事例が写真付きで解説されています。

<<まとめ>>

食の安心・安全のための食品製造現場の改善に関心がある方には、本書はお薦めです。

なお本書の目次は、以下の内容です。
第1部 解説編
第1章 躾を中心とする食品衛生7Sの展開
第2章 食品製造現場における具体的な現場改善の進め方
第3章 事例のワンポイント解説
第2部 事例編
事例1 大山乳業農業共同組合における食品衛生7Sの取組み
事例2 渡辺製菓における食品衛生7Sの取組み
事例3 三晃における食品衛生7Sの取組み
事例4 伊賀屋食品工業における食品衛生7Sの取組み
事例5 松北園茶店における食品衛生7Sの取組み
事例6 赤福における食品衛生7Sの取組み

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「マイナス」のプラス

2010チリ地震の津波報道に少し押し流されましたが、印象深い沢山のドラマと感動を残してバンクーバーのオリンピックもいよいよ終わります。

スピードスケートの団体追い向き(パシュート)の女子決勝では、穂積、小平、田畑選手が頑張りましたが、最後の最後にドイツに2/100秒差で追い抜かれ惜しくも2位となりました。

2/100秒差ということで、ご当人達は悔しいでしょうが、価値ある銀メダルです。

価値ある銀メダルと言えば、何といってもこのオリンピックのハイライトは、女子フィギュアで、3回転半ジャンプをすべて成功させ銀メダルに輝いた浅田真央選手

敢えて困難な自身の限界となる頂きを目指して挑戦し、重圧の下で3回転半ジャンプの大技をすべて成功させ自己ベストを更新したことは大健闘であったと思います。

一方で自分の技の完成度を上げることに集中し、自身の持てる力をすべて出し切り世界最高得点で演技した金妍児(キム・ヨナ)選手。

浅田真央選手という存在があってこその今回の金妍児選手の優勝だったと思います。

ミリオンセラーとなった『思考の整理学』の著者:外山滋比古先生が下記で紹介する本の「無敵が大敵」とした一節で以下のように述べています。

世の中を敵と味方の二つに分けるのは粗雑な考え方である

敵は、にくいもの、われに害を与えるものなりと決めて、敵の効用ともいうべきもに思い至らないのは未熟である。

たくさん敵があれば、それはむしろ天の恵みだと考えて感謝する位にならないと豊かな人生を送ったと言えないだろう。

若いうちは、ことに強敵、大敵が必要で、それに負けない意志と努力があれば、人生はそれだけ大きいものになる

夢にも敵がなければよい、などと考えないことだ。無敵を願うのは弱い心である』

全く共感できるところで、浅田真央選手が今回のオリンピックは、頂きを目指す通過点と考え、これから更に、金妍児選手に負けない意志と努力を積み上げていけば、その伸びしろからすれば、どう見ても、次には、確実に最高峰に輝くしかない揚々とした可能性が見えています。

今回のオリンピックは沢山のドラマと感動を提供してくれましたが、人生をも考えさせてくれる物語がありました。

さて本日、紹介する一冊は、英文学者、言語学者、評論家、エッセイストの外山先生による人生論です。

<<ポイント>>

人生はプラスとマイナスの交錯であり、マイナス先行の方がよい」をテーマに外山滋比古先生が説く含蓄深く人生を説いている本

本書の「まえがき」で筆者も述べていますが、

  • 人間万事塞翁が馬
  • 禍福は糾える縄の如し

といった中国の言葉で、「人間の災いと福は、より合わせる縄のように入れ替わる

すなわち、

  • 幸福をプラス
  • 災いをマイナス

とすれば、プラス、マイナスは縄のように交錯してあらわれる。

その場合、『マイナス先行がよく、プラス先行ではうまくない。

というのが本書のテーマで、筆者の体験談、世界の箴言、多彩な話題を取り上げて論じています。

すなわち、逆境の経験こそ幸福を生み出す母であるといった論を展開しています。

本書:「「マイナス」のプラス」です。

反常識の人生論」との副題が付いています。

本書は、著者:外山 滋比古先生にて、2010年1月に 講談社より発行されています。

<<本書のエッセンスの一部>>

本書の帯には、以下のように書かれています。

失敗挫折のすくない人生はもっとも弱い!

「知の巨人」が看破する幸福の法則

  • コンプレックスは弱虫をはげまし、力づける先生のようなもの。
  • 世の中を敵と味方の2つに分けるのは粗雑な考え方である。
  • 真の不幸は、我慢すべきものがない、すくないことである。これを、教養のある人たちが知らずに一生を終えるのは、ちょっとした悲劇と言える。
  • 試行錯誤は人間の生き方の基本的ルール。


本書は、4つの章に区分されていますが『マイナス先行がよく、プラス先行ではうまくない。』がテーマですが、一貫して筆者の歩んだ道と人間の生き方の本質に対する考え方はどのようなものかについて語っています。

鮮やかにかつ鋭く、筆者の美学の世界を語っています。

一端を紹介します。

本書の最初と最後の題材になります。

前列人間と後列人間」と題して、集まった人が写真をとるために並ぶ際にどこを選ぶかを題材に、『優れた黒子、慎み深さ、桃李主義』の徳を論じ、

  • 「桃李不言下自成蹊」(桃李(とうり)もの言わざれども、下おのずから蹊(みち)を成す)
  • 「美酒は看板を要しない」

とし、自分を売り出していつも自己宣伝をする前列人間のPR人間は、はじめは華やかだが、実力を伴わないことが多くやがて落ち目を迎える。

後列人間の桃李主義は、実力にものを言わせ、空虚な自己顕示を恥じる

かけだしでは、PR馬に遅れを取るかも知れないが、第三コーナーあたりから頭角をあらわし、第四コーナーを回るころには先頭を競うまでになっていると説いています。


考える人間」と題して、(このあたりは、「思考の整理学 (ちくま文庫) 」で取り上げていたテーマでもありましたが)、『思考力をつける毎日の習慣』について以下のような習慣について説いています。

朝、目をさましたら、すぐ起きないで、ぼんやりする。

なるべく過ぎ去ったことは頭に入れない。

浮き世離れしたことが頭に浮かんだら、それを喜び、忘れて困るようだったら、メモをする。

毎朝十分か二十分、こういう時間をもてば誰でも思考家になれる。

考える人間になれる。

夜、考えごとをするのは賢明でない。

思考は朝に限る。

この朝の思考を十年続ければ、その人は人のまねでない考えをもつことができるようになる。

考える人間は朝つくられる。

と説いています。


ところで、先日、トヨタ自動車のリコール問題をめぐって開かれたアメリカ議会の公聴会に豊田章男社長が出席しました。

テレビでこの公聴会での応答の様子やその後の米国でのディラーを集めてのスピーチや工場視察といった豊田章男社長の行動がこぞって報じられました。

公聴会のやりとりを米国の顧客がどう捉えたかということもありますが、公聴会が終わっても問題の解決のすべてはこれからスタートになります。

豊田章男社長は、その経歴からするとこれまでは、明らかにプラスの人生をずっと歩んで来られた人と思います。

一般には、今回の苦境でプラスからマイナスに転じたのかと見られますが、ここは、見方を変え、社長としてのスタートが逆境のマイナスからスタートしたと考えると今回のリコール問題は、名実共に押しも押されもせぬ名経営者になっていくための試練の機会ということになります。

これが正解という答えが無い問題を前にまさにその覚悟と人物の真価が問われることになりますが、これからの顧客の信頼回復に向けての豊田社長の舵取りが注目されます。

<<本書で何が学べるか?>>

本書では、「人生はプラスとマイナスの交錯であり、マイナス先行の方ががよい」と外山 滋比古先生が経験談から箴言や各種のエピソードを交えてご自身の人生観を説いています。

<<まとめ>>

自分を見つめ直したいと考えていたり、知の刺激を受けたいと思っている人には、本書はお薦めの一冊です。

なお本書の目次は、以下の内容です。
1. 結果を見れば
前列人間と後列人間
「どうせ」の短慮
三分の人事、七分の天
無敵が大敵
知らなきゃ強い
我慢
2. 失敗とはなにか
自信喪失
コンプレックス
傷のあるリンゴ
はじめの幸運
上り坂下り坂
3. 一人前であるということ
つつ抜け
ことばづかい
傍若無人
なしのつぶて
ブタが木にのぼる
4. 私の流儀
同じ釜の飯
試行錯誤
潮どき
朝の日記と予定表
カネと自由
考える人間

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