東洋思想研究の碩学・安岡正篤師。
安岡正篤師の心に響く数多くの著作の中から、今も色褪せることのない金言を抽出し、一日一言、暦に準じて読めるようにした本が発行されていますので紹介します。
本書:「安岡正篤一日一言」です。
「心を養い、生を養う」との副題が付けられてあります。
本書は、安岡正篤師の著作集から、安岡 正泰氏が一日一言の形にて監修したもので、致知出版社から、本年の5月に発行されています。
持ち運びにも便利な新書版サイズです。
安岡正篤師は、戦前戦後を通じ、一貫した姿勢で日本人の正しい精神のあり方を説いてきています。
また戦後は、東洋宰相学、帝王学に立脚した実践的人物学、活きた人間学を元に池田勇人、佐藤栄作、福田赳夫、大平正芳などの歴代の首相を含む政治家や財界人の精神的指導者や御意見番の位置にあって多大な影響を与えてきています。
また我々の身近なところでは、「平成」の名を考案したとされています。
1983年に亡くなられましたが、数多くの心に響く著作を残されています。
私も師の沢山の書籍を紐解きましたが、霧に迷って心がモヤモヤしているときに師の著作の一節に触れて、すっと霧が晴れ道標を見つけたというような思いを何度か経験してきました。
安岡正篤師は、政治の表舞台には全く、登場しませんでしたが、これは、自ら「大地の徳」を実践されていたのだと思います。
本書の7月1日の項で以下のように記載されています。
「偉くなることは、必ずしも富士山のよう
に仰がれるようになるためではない。なる
ほど富士山は立派だけれども、それよりも
何よりも立派なものは大地である。この大
地は、万山を載せて一向に重しとしない。
限りない谷やら川やらを載せて敢えていと
わない。常に平々坦々としておる。この大
地こそ本当の徳である。われわれもこの大
地のような徳を持たなければならぬ、大地
のような人間にならなければならぬ。」
なお一日一言とありますが、一日で完結せずに、二日にわたってのシリーズとして記載されている箇所がかなりあります。
ごく一部ですが、以下に安岡師の他の著作も紹介しておきます。
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- 2006年07月05日
- ビジネス、自己啓発、スキルアップ
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