試験所認定の国際規格・基準としてISO/IEC 17025があります。
その前身となったものがISO/IECのGuide25として知られるものでガイドから規格となるときに要求事項の細部がISO9000に合わせる方向で改訂、具現化され、ISO/IEC 17025:1999となりました。
また翌2000年にJISQ 17025:2000が発行されています.
ISO/IEC 17025は、2005年に改訂されています。これは、ISO9001:2000との整合化を目的とした修正となっています。
当規格に関連して環境省が環境中の超微量分析技術に関わるダイオキシン分析の発注先の選定にISO/IEC 17025の基準を適用するようになったことや計量法による環境計量試験所の登録にあたり、ISO/IEC 17025に準拠した特定計量証明事業者認定制度(MLAP制度)が導入されています。
更には、2005年10月に改正された改正工業標準化法に基づく、新JISマーク制度では、ISO/IEC 17025に基づく試験事業者の登録が行われるようになっています。(試験事業者登録制度(JNLA))
以上のような動向から、注目されているISO/IEC 17025(JISQ 17025)について詳細に解説している解説書を紹介します。
まさに試験所・校正機関の品質マネジメントシステム規格解説書の決定版!と言えるかと思います。
本書:「ISO/IEC 17025(JIS Q 17025)に基づく試験所品質システム構築の手引〈2005年版〉」です。
本書は、著者が、岩本 威生氏で本年の5月に日本規格協会より発行されています。
1999年版の対応として2001年に発行されていた旧版「ISO/IEC 17025に基づく試験所品質システム構築の手引」の改訂版になります。
本書では、ISO/IEC 17025について、2005年のISO9001との整合化修正により何が変更されたのかについて重点解説しています。
またISO規格策定とJIS化の経緯について詳しく説明されています。
また試験所の管理システムを構築する上で参考になるように、品質マニュアルのモデル事例が提供され、どのようにシステム構築を進めるかの基本的なことが理解できるように構成されています。
本文中で、ISO/IEC 17025に基づく試験所認定は試験所の体質を審査して経営者の支援をすることが目的ではなく、第三者証明機関としての試験所(校正機関を含む)の信頼性に関わる客観的な評価と指示である旨が、随所で繰り返し強調されています。
これは、ISO/IEC 17025規格の主要な内容は、4項「管理上の要求事項」と5項「試験の実行管理」になりますが、4項がISO9001の要求事項を基にした構成であるのに対して、5項は、規格の技術面での特徴が現れ、特に試験所・校正機関に対して、試験・校正方法の妥当性確認を求めたり、計測のトレーサビリティに対する要求や不確かさ算出などの要求が含まれ、試験所の技術能力を維持するための管理システムという位置づけになっているためです。
1. 試験所認定制度の概要
1.1 進展する国際規格による認証・認定
1.2 認定,認証制度とは
1.3 品質マネジメントシステム適合性評価と試験所適合性評価の差異
1.4 ISO/IEC 17025の性格と適用対象
1.5 ISO/IEC 17025の試験所への適用の考え方
2. ISO/IEC 17025制定の経緯
2.1 ISO/IEC Guide25の制定と改訂
2.2 ISO/IEC 17025:1999への移行
2.3 ISO/IEC 17025:2005への改訂
3. 試験所品質システムの構造設計
3.1 試験所品質システムの基本設計
3.2 品質マニュアルの設計
4. 品質マニュアル作成のためのノウハウ
1. 序 文
2. 定 義
3. 関連規格
4. 試験所システム
5. 試験の実行管理
5. 試験所認定登録取得までの概要
1. 認定申請の準備
2. 認定審査の申請
3. 書類審査と現地審査
4. 認定決定とその後の処置
おわりに
<参考> 試験所認定に関係する主なウェブサイト
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- 2006年07月06日
- ISO/IEC17025
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