パロマ工業製の瞬間湯沸かし器による一連の事故問題が連日、メディアで取り上げられ、話題を呼んでいる。
クレーム対応についての考え方について一倉 定氏は、その著書で以下のように述べている。
「クレームに対する正しい態度は謝罪と迅速な問題解決である。それ以外は一切不要である。
クレームに対する社長の正しい姿勢にもとづき、正しい処置をすることこそ、我が社の信用を高めるのだ。……
先ず第一にしなければならないのは、「クレームが発生した時に、責任者を叱ってはならない」ということである。クレームを叱ったら、社員は、社長に対してクレームを報告せずに、自分たちだけでもみ消そうとするようになる。
だれしもわざわざクレームがつくように仕事をしているわけではない。
一生懸命やっているのだ。叱ることはやめるべきである。…
『お客様のクレームは直ちに報告せよ。クレーム自体の責任は追及しないが、クレームを報告しなかったことに対しては責任をとらせるし、指示されたクレーム対策を直ちにとらない場合の責任は追及する』という指導こそ本当なのである」
(一倉 定の社長学第3巻 「販売戦略・市場戦略」より引用)
パロマ工業は、1911年に小林由三郎 創業者が、名古屋市古渡町で「小林瓦斯電気器具製作所」を創業し、以降95年間にわたり、ガス器具製造販売で業界をリードしてきた伝統ある会社。
1988年には、全米第1位の給湯器メーカー・リーム社を買収し、現在、全米シェアは、5割、世界的なガス給湯器メーカーという位置づけにまで至っている。
なお社名のパロマ(Paloma)はスペイン語で鳩という意味であり、平和の象徴としても知られ、平和な豊かな暮らしを願った社名でもある。
「もっと豊かであんしんな明日へ、歩み続けます」を標榜しているが、昨今の一連の対応には、残念なことに首をかしげるばかりだ。
(広告)
- 2006年07月27日
- 経営者等の言葉
- コメント(0)
- トラックバック(0)