我が国のものづくりを支えてきたのが、全社で製品の品質向上に取り組むTQM(Total Quality Management:総合的品質管理)。
TQMは、組織全体で製品の品質、サービスの質を向上させる活動です。
このTQMの全貌を,予備知識なしで読めることを意図した入門書を紹介します。
本書:「日経文庫 TQM 品質管理入門」です。
本書は、著者:山田 秀先生で、2006年1月に日本経済新聞社より、日経文庫として発行されています。
先にこちらのブログで紹介した「品質管理のためのカイゼン入門 」と同じ著者です。
本書の帯には、以下のように書かれてあります。
「クオリティー向上こそ競争力の源泉!
日本のもの造りを支える基本知識品質管理活動の基本的な考え方、具体的な推進方法など、TQM(総合的品質管理)の全体像をコンパクトに解説。」
また本書の「はじめに」の項で、本書の意図について、要約すると「顧客が求める品質は変化しています。本書は、そうした環境変化を踏まえて「品質とは」から説き起こし、継続的に活動を進める行動指針、個々のプロセスと組織全体を改善する方法まで、 TQMの幅広い全体像を体系的に紹介します。
TQMについて、最近の話題も含めたコンパクトな入門書として、TQMの幅広い内容をカバーし、歴史的変遷、ISO9000やシックスシグマなど最近の話題を解説することで、品質・質の良い製品・サービスの実現に必要な活動を把握して貰う」と説明しています。
また本書のカバーの折り返しには、以下のことが書かれてあります。
-
日本のもの造りを支えてきたのは、組織が一丸となって製品・サービスの品質向上に取り組むTQM(総合的品質管理)です。
-
顧客が求める品質は変化しています。本書は、そうした環境変化を踏まえて「品質とは」から説き起こし、継続的に活動を進める行動指針、個々のプロセスと組織全体を改善する方法まで、TQMの幅広い全体像を体系的に紹介します。
-
製造業だけでなく、サービス業での活用も意識して解説しました。
-
ISO 9000やシックスシグマなど、関連する最近の話題も取り上げています。
本書は、後述の目次の通り、6つの章から構成されています。
1章では、「TQMとは、どんなものかからその歴史的な変遷」が紹介され、また本書の構成についての解説もあります。
2章では、「TQMの行動指針と基本的な考え方」が解説されます。
3章では、「個々のプロセスでの実践ツール」が解説されます。
4章では、「組織全体の推進ツール」が解説されます。
5章では、「研究開発、企画、設計、生産・提供、流通などそれぞれの段階のTQMの要点」について解説されます。
6章では、「ISO9000、シックスシグマなどとTQMを実践する風土・文化」について解説がされます。
なお目次は、以下の内容です。
[I] TQMとは
1 TQMのねらい
2 品質・質(Quality)とは
3 管理(Management)とは
4 「総合的(Total)」な活動がなぜ必要か
5 TQMの歴史的変遷
6 TQMの要素と本書の構成
[II] TQMを支える行動指針と基本的考え方
1 PDCAと継続的改善
2 プロセスで作りこむ
3 応急対策と再発防止策
4 データで語る
[III] 個々のプロセスをレベルアップする方法
1 5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)
2 標準化
3 改善のステップ
4 改善のための手法
[IV] 組織全体をレベルアップする方法
1 総合的に進めるための要点
2 QCサークル・プロジェクトチーム
3 方針管理
4 日常管理
5 機能別管理
6 トップ診断
[V] 各段階でのTQMのポイント
1 品質保証体系の整備
2 研究開発・企画段階
3 設計段階
4 生産準備・購買管理段階
5 生産・サービス提供段階
6 営業段階
7 在庫・流通段階
[VI] TQMのモデルとその効果的な活用
1 ISO9000ファミリー規格
2 デミング賞
3 マルコム・ボルドリッジ国家品質賞
4 シックスシグマ
5 TQMのエッセンスとモデルの活用
6 TQMで目指す文化・風土
7 TQM導入のポイント
おわりに
(広告)
- 2006年08月18日
- QC手法、統計、QC7つ道具
- コメント(0)
- トラックバック(0)