地球温暖化に起因すると考えられる台風、ハリケーンの規模の強大化、集中豪雨、異常高温、干ばつ、水不足、食糧不足などの災害は至る所でその影響を発揮しつつあります。
京都議定書の発効を受けてCO2に代表される温室効果ガス排出に関して、既に、ヨーロッパでは、炭素税や排出権取引制度等が導入されてきています。
またISOでは、2006年3月に発行された温室効果ガス排出量の算定・報告・検証に関する国際規格ISO14064が策定されています。(ISO/TC-207のWG3で検討)
現在、JIS化が推進中。
ISO14064は14064-1、-2、-3の3つのパッケージ化されたガイドライン規格で構成されています。
14064-1:「組織の排出量算定報告」に関わるもので『温室効果ガス−第1部:仕様並びに温室効果ガス排出量及び除去量の定量化と報告に関する組織レベルの手引』
14064-2:「プロジェクトの排出削減量算定報告」に関するもので『温室効果ガス−第2部:仕様並びに温室効果ガス排出量削減又は除去量増大の定量化、監視及び報告に関するプロジェクトレベルの手引』
14064-3:「排出量検証」に関するもので『温室効果ガス−第3部:仕様並びに温室効果ガス主張の検査及び検証の手引』
1または2への適合性を3を利用して検証することが可能な構成になっています
また2007年には、WG6で検討され、現在DIS段階にあるISO14065規格「温室効果ガス−温室効果ガスの検証及び検証機関に対する要求事項」が発行される予定となっています。
本日は、上記のISOについては、言及していませんが、気候変動:地球温暖化の現状と 地球環境問題とビジネスとの関わり、さらには世界の機関投資家が重視する、CSRとしての温暖化対策について解説している本を紹介します。
本書:「カーボンリスク」です。
本書には、「CO2・地球温暖化で世界のビジネス・ルールが変わる」との副題が付いています。
本書の著者は、末吉 竹二郎氏ならびに井田 徹治氏で、2006年7月に北星堂書店より発行されています。
末吉氏は、元三菱銀行ニューヨーク支店長でみのもんたの「朝ズバッ!」の人気コメンテーターです。井田氏は、環境問題の著名なジャーナリストです。
本書の冒頭に環境問題で有名なアースポリシー研究所代表のレスター・ブラウン氏からのメッセージが寄せられています。
本書のプロローグで以下のように本書の目的について言及しています。
「京都の約束は、温暖化との戦いの中で画期的なものではあるが、温暖化のない社会を築くには一層の排出削減が必要なのも事実である。温暖化との戦いは、まだ始まったばかりだ。
ここでは、人類が直面する最も解決困難な環境問題とされる地球温暖化をめぐり、世界で今、何が起こっているのかを報告する。
本書の内容は、地球温暖化が日々のビジネスをどう変えるか、を中心に書かれている。だが地球温暖化に取り組むのは、ビジネス界だけではない。温暖化の影響、つまり「カーボンリスク」は、地球上を生きる全ての人に関わる問題だ。本書の最後で述べるように、ビジネスや政治をかえることができるのは、市民一人一人の行動である。
地球温暖化に少しでも関心がある一人でも多くの人に、本書を手にとってもらえれば幸いである。」
本書の帯の裏面には以下のように書かれてあります。
「気候変動が引き起こす災厄はすでに始まっている。
地球環境を経営戦略に入れない企業は淘汰される時代になった。
世界の機関投資家が重視する、CSRとしての温暖化対策を提示する。」
なお本書の目次は、以下の内容です。
レスター・ブラウン氏からのメッセージ
プロローグ
第1部 見えてきたカーボンリスク―動き始めた金融界
第1章 温暖化のリスク
第2章 ビジネスを襲うカーボンリスク
第2部 変わるビジネスゲームのルール―ビジネス界とグリーンピースの共同
第3章 ビジネスを変える環境問題―新しい経済の理念
第4章 動き始めたビジネス社会
第3部 カーボンリスクと市民社会―市民が変える企業の行動
第6章 市民社会が生み出す変化
エピローグ
あとがき
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- 2006年08月29日
- 環境保護
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