ISO9001:2000の適用範囲において以下のように書かれてあります。
「この規格は、次の二つの事項に該当する組織に対して、品質マネジメントシステムに関する要求事項を規定するものである。
a)顧客要求事項及び適用される規制要求事項を満たした製品を一貫して提供する能力をもつことを実証する必要がある場合。
b)品質マネジメントシステムの継続的改善のプロセスを含むシステムの効果的な運用、並びに顧客要求事項及び適用される規制要求事項への適合の保証を通して、顧客満足の向上を目指す場合。」
不易流行との言葉があります。松尾芭蕉が『奥の細道』の旅の間に体得したとされる概念です。
「不易を知らざれば基立ちがたく、流行を知らざれば風新たならず」即ち「不変の真理を知らなければ基礎が、確立せず、変化を知らなければ新たな進展がない。」との概念です。
QMSにおいて意図した成果を出すために、改めてQMSについての不易流行を考えてみることは意義があると思われます。
QMSの要求事項を不易とすれば、時代的要求にマッチした自社の戦略とも言うべき流行とを矛盾無く合体させて運用することは、難しそうに思われますが、QMSを経営的に生かしきるキーポイントかと思われます。
QMSの基本について、組織全員で、今一度、レビューしてみる上でISO9000の肝の部分をやさしく解説している本を紹介します。
本書:「ISO9000入門」です。
本書は、著者:上月 宏司氏と井上 道也氏の共著で、2002年3月に日本規格協会から発行されています。
同社の「やさしいシリーズの1」になります。
本書は、若い世代からトップまでのISO9000のガイドブックとして、ISO9001の導入段階の組織で教育用のテキストとして良く活用されていたものです。
本書の『プロローグ』で、本書の目的に関して以下のように書かれてあります。
「創業からの頑張りで業績が落ち着いてくると、経営者から一般従業員に至るまで、創業期のような活力を失って慢心に侵されはじめます。
(略)
慢心は、人の心の問題です。心の問題だからどうすることもできない。と諦めてしまうことも多いようです。
(略)
最善の処方箋は、企業のあらゆる構成員が顧客に心を向けることなのです。
(略)
従業員の一人ひとりに至るまで顧客志向の意識を持たせるには、どうすればよいのでしょうか?
応えは,ISO9001という国際規格にあります。
(略)
本書は、若い世代の皆さんがはじめて読んでもわかるように、イラストを多く取り入れ、社内教育用にも使用しやすいようにまとめました。さらに企業トップの方々にもISO9001の真髄を理解していただくためにわかりやすく解説したものです。」
なお本書の目次は、以下の内容です。
1章 ISO9000ファミリー規格を学ぶ前に
2章 ISO9000って何?
1. ISO9000の誕生
2. ISO9000ファミリー規格の全体構成
3. 品質マネジメントシステムとは
4. ISO9001は何を要求している
5. 文書化とは
6. 内部監査と審査登録制度
3章 ISO9000と日常の活動の関係
4章 ISO9000の導入の成果と注意点
5章 ISO9001導入で知っておきたいこと
6章 取り組みがよかった企業、上手に導入できなかった企業
7章 まとめ
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- 2006年09月11日
- ISO9001
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