環境問題についての組織による対応は,昨今、多岐にわたっています。
環境関連法規制の遵守やISO14001認証取得に加えて、ライフサイクルアセスメント、環境会計の導入、環境報告書による情報開示、リサイクル対応など幅広い活動が求められています。
ISO14001の認証取得について言えば、規格要求事項の項目自体は、ISO9001と比較して少ないのですが、例えば、環境側面などの概念がわかり難く、従業員が20名以下の小企業の組織にとっては、業務を兼務されたなかで、自力で認証取得に向けて取り組まれるには、ハードルが高いと感じられるかも知れません。
ISO14001:2004規格の序文には、以下のように書かれてあります。
「この規格は,組織が,法的要求事項及び著しい環境側面についての情報を考慮に入れた方針及び目的を設定し,実施することができるように,環境マネジメントシステムのための要求事項を規定している。
この規格は,あらゆる種類・規模の組織に適用し,しかも様々な地理的,文化的及び社会的条件に適応するように意図されている。」
規格は、どのような規模の組織にでも適用できるように意図されているとは、いうものの過去には、小企業を対象とした分り易いISO14001の解説書は、比較的少なかったと思われます
20名以下の組織を対象にして、14001規格において、求められている内容について、図解と事例を入れて、わかりやすく解説している本を紹介します。
本書:「 小企業のための14000」です。
本書は、著者:笹 徹氏ならびに笹 英明氏の共著で、日科技連出版社から、同社の「2004年版対応ISO14000’S審査登録シリーズの第6巻」として、2005年8月に発行されています。
本書は、第1章では、ISO14000の概要について記載されています。
組織にとってのISOのメリットが一つの本書のテーマでもあり,ISOを経営にどのように生かすかという点にも触れています。
第2章では、EMS構築から審査登録までの一連の流れについてどのように取り組むかを解説しています。
第3章から第7章までが、ISO14001:2004規格について、各要求事項を取り上げ、何が求められているのか、2004年版改訂のポイント、経営者がなすべきこと、経営に役立てることなどの観点から、図解や事例を含めてわかり易く解説しています。
第8章では、受審上の留意点と審査登録後の継続的改善についての維持の取り組みについて解説しています。
本書を参考に独力での審査登録も夢ではありませんとありますが、丁寧に分り易く書かれていると思います。
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- 2006年09月12日
- ISO14001
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