バランス・スコアカード(バランスト・スコアカード:BSCとも言う)は、1992年にロバート・キャプラン教授とデービット・ノートン氏の論文(”The Balanced Scorecard-measures that Drive Performance”により考案された経営ツールですが、その中味も進化し、現在では、第三世代と呼ばれ、「経営ビジョンを有効に経営成果に結びつける手法として企業や行政や病院などを戦略志向に変えるマネジメントシステム」となっています。
この第三世代と呼ばれる21世紀に入ってから進展したバランス・スコアカードについて、その基礎も含めて、その考え方から導入の方法までを解説している入門書を紹介します。
本書:「バランス・スコアカードの知識」です。
本書は、著者:吉川 武男 先生で2006年5月に日本経済新聞社から日経文庫のシリーズの一冊として発行されています。
本書の表紙の折り返し部には、以下のように書かれてあります。
「企業などが掲げるビジョンを、戦略を通して実現する経営手法、バランス・スコアカードを基本から解説しています。
バランス・スコアカードは、企業だけでなく、病院や自治体など幅広い組織に導入され、効果を発揮しています。
構築の進め方を7つのステップに分解。豊富な事例を交えながら、順を追って具体的に解説します。
仕組みや考え方を表す図表をふんだんに盛り込み、ビジュアルに理解することができます。
本書の構成は、1章から7章までとなっており、
1章では、バランス・スコアカード(以降BSCと略)の基礎として、その誕生の経緯からBSCの基本モデルの解説まで取り上げられています。
2章で10件の日米でのBSCの成功事例が紹介され、BSCの機能とメリットについてまとめてあります。
3章~6章がBSCの構築について、以下の7つのステップに分けて詳しく解説しています。
- ビジョンと戦略の策定
- 戦略を通してビジョンを実現する視点の洗い出し
- 戦略マップの作成と戦略目標の設定
- 設定した戦略目標に対する重要成功要因の洗い出し
- 洗い出した重要成功要因に対する業績評価指標の設定
- 設定した業績評価指標に対するターゲット(数値目標)の設定
- 設定したターゲット(数値目標)を実現する戦略プログラムないしアクションプラン(実行計画)の作成
7章では、BSCの特徴と効果について解説しています。
これまでに発行されているBSCの解説書は、多くあります。一部には、翻訳書でわかり難い本もありましたが、本書は、図表も多く、箇条書き等により戦略の策定や視点の洗い出し、業績評価指標の設定などのポイントについて要領よくまとめられ、分り易いBSCのお奨めの入門書と思います。
なお本書の目次は、以下の内容です。
1 バランス・スコアカードの基礎
2 バランス・スコアカードの成功事例
3 バランス・スコアカードの構築1 プロジェクト・チームの編成から視点の洗い出しまで
4 バランス・スコアカードの構築2 戦略マップの作成、戦略目標の設定から重要成功要因の洗い出しまで
5 バランス・スコアカードの構築3 業績評価指標の設定
6 バランス・スコアカードの構築4 ターゲットの設定からアクション・プランの作成まで
7 バランス・スコアカードの特徴と効果
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- 2006年09月29日
- バランスト・スコアカード
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1. Posted by smooth@マインドマップで読書感想文 2006年09月30日 18:11
読者登録ありがとうございました。
こちらからも申請させていただきましたので、よろしくお願いします。