TOC(制約理論)は、1970年代後半に生産スケジューリングのことを相談されたことをきっかけにゴールドラット博士が開発した生産スケジューリングソフトウェア、OPT(Optimized Production Technology)に由来します。小説『ザ・ゴール』で話題を呼びました。
クリティカルチェーン(CCPM、別名:TOCプロジェクトマネジメント)は、プロジェクト型業務に、TOCの基本原理を適用したプロジェクトの管理手法になります。
クリティカルチェーンは、PERT手法(Program Evaluation and Review Technique)に基づくプロジェクトの要素工程の締め切り厳守を積み上げていく、アプローチではなく、プロジェクト全体の納期を守るのみならず短縮することを目的に、TOCの提唱者ゴールドラット博士によって開発された手法です。
本日は、クリティカルチェーンをベースとした経営改革プロジェクトを通して「会社が劇的に生まれ変わる工程表」を、むずかしい専門用語を使わずにイラストと図で解説している本を紹介します。
本書:「マネジメント改革の工程表」です。
「人が育ち、現場がよみがえる。社長も社員もうれし泣きする「ゆとり」の経営改革」との副題が付いています。
本書は、著者:岸良 裕司 氏で2006年9月に中経出版より発行されています。
本書の帯には、以下のことが書かれてあります。
「成果が出ない!
『遅れる納期」』『ふくれる予算』、そして『発展的解消』
なぜ、社運をかけたプロジェクトが失敗するのか」
「あなたの会社が
劇的に生まれ変わる工程表
あります」
表紙の折り返し部には、以下のことが書かれてあります。
「経営改革のジャマをする
「会社の害虫」退治します!
部署間の情報が断絶
責任をとらない、
ついに減収減益……
そんな社内にはびこる
『大企業病』に効く薬、あります」
マネジメント改革の工程表
本書のまえがきで著者は、本書の意図するところについて以下のように述べています。
「この本にあるすべてのことは、基本はCommunicationとCollaboration(コミュニケーション&コラボレーション)にある。
『クリティカルチェーン』は、プロジェクトマネジメントの技術ではなく、CommunicationとCollaborationをうながす道具として考えた方がより明快であろう。この本ではむずかしい専門用語を使うことは極力避けている。プロジェクトの実践者は現場である。そのなかでスタッフや経営幹部が難解な専門用語を駆使して指導すると実践がおぼつかないことがある。むずかしい言葉で議論していると、現場が消化不良に陥り、挙句の果てには単語のうわべの意味を理解するだけで、わかったような議論を繰り返し、実践が伴わないことになりかねない。こういった事態に陥らないよう警鐘を鳴らしたいと願うからである。
この手法は、経営において成果を出すための経営幹部や実務者のものであり、現場の方々が目標を突破するプロジェクトマネジメントを実践するために、是非活用していただきたいと願っている。」
本書の構成は、Part1~6までで内容は、カラフルなイラストや図を用いて分かり易く書かれています。各Partの終わりには、Columnがあり「手法中毒にご用心」とか筆者の意見が載せられてあります。また多数の脚注が欄外に掲載されています。
『改革の工程表』の【成功の極意】として、Part3のセッションの後のその1からPart6のセッションの後のその18まで掲載されています。
最後にケーススタディとして、『三方良しの公共事業改革』が取り上げられています。


本書の目次は、以下の内容です。
Part1 経営とプロジェクト
Part2 経営改革をジャマするもの
Part3 サバの読み方・使い方
Part4 目標を共有する
Part5 改革の工程表をつくる
Part6 ゆとりのマネジメント改革
ケーススタディ 三方良しのマネジメント改革
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- 2006年11月09日
- プロジェクトマネジメント | 経営管理
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