「技術立国日本とよく言われる。

 天然資源に恵まれない日本が、その豊富な人材だけを頼りに世界の中に生きていこうとすれば、技術を立国の原点にするしかない。技術をベースに価値あるモノやサービスを世界に提供することによって国の経済の基盤を築く、という考え方である。たしかにもっともな考え方である。

 国としての立国の原点が技術にあるのであれば、その国の経済の最も重要な構成体である企業の「立社」の原点も、また全ての企業でなくても多くの企業にとって、技術であることは必然のこととなる。
(略)
 技術経営という言葉は、大きく分けて二つの意味で使われることが多い。第一の意味は、「技術をベースにした経営全体」という意味。第二の意味は、「技術開発活動のマネジメント」という意味。
(略)
 経営全体のキーワードを技術にするという意味での第一の技術経営と、技術開発とその成果の利用だけを経営の対象に考えてる第二の技術経営と、広義と狭義の差があることは明瞭である。

 つまり技術をベースにした経営とは、企業の競争力・付加価値生産力の源泉を技術に求める経営である。当然にそのためには技術開発活動とそれを市場につなげるためのマネジメントが重要な中核的部分になるだろう。つまり、広義(第一の意味)と技術経営の中心に狭義(第二の意味)の技術経営が位置することになる。

 われわれのこの本でのスタンスは、技術経営とは第一の意味、広義でとらえるべきだというものである。それこそが、技術立社を目指す企業の経営に求められるモノである。そう考えれば、MOTは特殊な教育のための用語ではなく、常盤が次章で強調するように「企業の第一線でも取り組むべき経営の実践課題」となるのである。
(略)
 顧客インの技術アウトのスタンスで経営全体を考えること。それがわれわれが考える広義のMOT教育の基本方向だと言っていいだろう。」

上記は、本日紹介する本の「プロローグ」より、抜粋して引用したが、企業で働く技術者をターゲットにMOT(Management of Technology)を中核に技術を中心とするマネジメントの入門的知識について体系的に解説している本を紹介します。

本書:「 技術者のためのマネジメント入門―生きたMOTのすべて 」です。

本書は、東京理科大学のMOT(総合科学技術経営研究科総合科学技術経営専攻)の教員が執筆し、伊丹 敬之 先生ならびに森 健一先生のによる編集にて、2006年10月に日本経済新聞社より発行されています。

本書の表紙の帯には、以下のように書かれてあります。

理系マネジャーに必須知識。

実務のツボを押さえた「役立つ」講義を紙上で再現!

技術を活かす戦略・マーケティング、イノベーションを促進する組織作りから新規事業立ち上げ、ビジネスモデルの発想まで、知っておきたい経営の全プロセスを徹底解説。」

第1章で常盤 文克先生の「技術経営の哲学」として,MOTの重要性、期待される効果は、以下のようになると述べています。

  • 技術を上手に経営に結びつけることによって、他社との競争の差別化ができる。技術は差別化の最も強力な要素になりうる。
  • 技術をタイミングよく製品開発に結びつけることができれば、技術の「賞味期限」を逃すこともなくなる。技術は。「生もの」である。
  • 技術と経営の両方を理解できる人材の層を厚くすることで、技術経営戦略の議論が活発にあり、高度なものになる。
  • 技術の基礎になる科学を含めて技術・製品・市場の流れをシームレスでとらえることのできる人材を育成できる。
  • 技術の革新は、全社他部門にも新たな革新を起こすきっかけをつくる可能性を持っている。

本書は、プロローグ、第1章に続いて、第?部「技術経営のプロセス」として第2章から5章までで構成され、第?部「技術が生み出す事業と企業」として、第6章から8章までという構成になっており、鵤(いかるが)工舎の棟梁小川三夫氏とJSRの吉田淑則代表取締役社長と編者との座談会のエピローグで結んでいます。

この種の本は、抽象的な概念が多くて読みづらい本も多いのですが、本書は、デルや本田宗一郎をはじめ具体的な事例も多く,取り上げられており、読みやすく、技術者が実務的な経営マインドを高めるのにお奨めの一冊だと思います。

技術者のためのマネジメント入門―生きたMOTのすべて
日本経済新聞社
伊丹 敬之(編集)森 健一(編集)
発売日:2006-10
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:14732


なお本書の目次は、以下の内容です。
プロローグ 技術経営(MOT)とは何か
第1章 技術経営の哲学
第I部 技術経営のプロセス
第2章 戦略が技術を育て、技術が戦略をドライブする
第3章 技術を活かすマーケティング
第4章 イノベーションを推進する組織
第5章 プロジェクトを動かす
第II部 技術が生み出す事業と企業
第6章 新事業を創る、コンセプトを創る
第7章 技術を市場に翻訳する、市場を技術に翻訳する
第8章 起業家から経営者へ
第9章 技術が生み出すビジネスモデル
エピローグ《座談会》古くて新しいMOT

<<「MOT」、「マネジメント」に関するブログを読む>>
技術者のためのマネジメント入門
伊丹 敬之, 森 健一技術者のためのマネジメント入門―生きたMOTのすべて 読みながら、 まさに講義が思い出されました。 そして、しっかり復習しないと忘れてしまいますね。。 MOT知りたい方は、まずほこの本から♪
技術者のためのマネジメント入門
453213324601 伊丹敬之, 森健一編「技術者のためのマネジメント入門―生きたMOTの すべて」、日本経済新聞社(2006). お奨め度:★★★★1/2. 仕事柄、エンジニア出身 のマネジャーにマネジメントの勉強をすることをお奨めすることが多い。 ...
鮫島弁護士 【2006年度講演】
1/16 リスクマネジメント協会 リーガルリスクマネジメント論 ... 1/30 (財) しま ね産業振興財団 島根地域MOTシンポジウム 知的財産活用戦略 ?産学連携における ... 11/20?23 (財)海外技術者研修協会 (AOTS) 海外研修カリキュラム(北京・広州) 「日本 ...
東京理科大MOTシンポジウム-経営が育む学習、学習が育む技術 ...
尚、級友達によると技術者のためのマネジメント入門―生きたMOTのすべて作者: 出版社/ メーカー: 日本経済新聞社発売日: 2006/10メディア: 単行本が目当てだったと言うこと らしかったのだが(参加者には無料贈呈だったので驚いた!)。 ...
成功の宣言文メンバーからのメッセージ
宮城県産業技術総合センターの改革実践(基本方針→期運営方針 →目標管理→事業計画 書→マネジメントシステム→デザインレビ ュー→マネジメントサポートシステム→自立 できる技術者の要請 →技術者のアクティビティの評価→公設試の事業評価→公設試に ...
MOT教育
このところ、MOT(マネジメント・オブ・テクノロジー:技術経営)も下火になって きました。 MOTが日本の理系大学・大学院、ビジネススクールで取り入れられ始めた きっかけは何でしょう。 ... ミドルマネジャーの技術者を教育するよりも ...
技術者のためのマネジメント入門―生きたMOTのすべて (伊丹敬之, 森健一 編)
技術者のためのマネジメント入門―生きたMOTのすべて, 技術者のためのマネジメント入門― 生きたMOTのすべて 伊丹 敬之 森 健一 日本経済新聞社 2006-10 売り上げランキング : 34603 Amazonで詳しく見る by G-Tools ...
[PV] IT技術者の生きる道
ざっくばらんに大別すれば, 徹底的に技術を鍛えてその道のプロになる むしろマネジメント 能力で勝負する のどっちか. ... 起業界,大学・研究機関(海外含む)] マネージャー なんとなく管理職型(典型的な日本の技術者の歩む道) MOT/マネジャー型 [日本・ ...
成功の宣言文メンバーからのメッセージ
私も北陸でMOT実践を通じて未来を創りだす活動を行っておりますが、「課題・問題・ ... ?お客様との関係のなかであえて宿題づくりお客様を技術者が訪問する、説明や討議を ... FMIC 石原小綾子(株)フューチャーマネジメントアンドイノベーション ...
3page/day
難しすぎる。 なんであんなに難しく書くのか? それだけの知能が無いと読むなってこと なのか? 技術ってムズカシイナー 技術者のためのマネジメント入門―生きたMOTのすべて こっちの本の方が良かったかな。でも千円高いんだよな。 MOT“技術経営”入門.

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