ISO9001の認証を取得してから何年か経過して、自組織のQMSの文書体系を見直そうとなっても、実際にその文書類の見直し作業は、なかなか大変なものです。
その際には、シンプルな文書体系で構築されている事例を参考にするのが効率的です。
直接に上記のような取組を意図したものではありませんが、ISO9001取得にあたり、どうすれば短期間で簡素化されたマニュアルや文書を作成できるかをわかりやすく、具体的な実例に基づいて解説している本を紹介します。
本書:「スリムに実現するISO9001完全実例集」です。
本書は、森 健氏の監修にて、著者:村島 昭男氏により、2001年4月にオーム社より発行されています。
本書の帯には、以下のことが書かれてあります。
「100ページを切る文書で
ISO9001が取得できる
完全実践集」
さらに本書の特徴として以下があげられています。
1.100ページを切る最小限の文書で品質マネジメントシステムの構築を実現
2.日常使う帳票類をそのまま掲載
3.認証取得のプロセスを再現
4.薄い品質マニュアルによる楽な運用が可能
5.記入例により文書の使い方がわかる
本書では、村島氏の会社(コンピュータのソフトウェア開発、販売、技術者派遣の事業活動を行っている人員64名の組織)でのISO9001:2000の認証取得の取組で使用した文書類について文書実例として掲載されています。
QMS構築にあたり文書類のトータルページで100ページを切ることを意図して取り組まれたとのことで、「はしがき」の中で著者は、以下のように述べています。
「 実際の品質マニュアルづくりで考慮したことは、できるだけそれまで当社の現場で使用していた帳票類、仕様書、手続き(暗黙のうちにやっている決まりごと)などを品質マニュアルに取り入れ、新しい手続き、帳票類を増やさない工夫をした。100ページを切るシンプルなものを作ると言う当初の目標が、考えればきりがなくなるほど増殖しそうな手続き、規定類、帳票類に歯止めをかけ、創意工夫を生み出したと思う。
(略)
私がISO9001取得に関わって感じたことは、中小企業ならば是非社長自らがISO9001取得のリーダーになり、品質マニュアルをはじめとする文書類を作っていただきたいということだ。社長の参加が品質マニュアル作成の成功の鍵となることを確信しているからである」
本書は、3章からなります。146ページから成り、その約85%は、文書実例となっています。
第1章では、「ISO9001の取得のプロセス」として、取得の決定から、体制確立、QMS構築、内部監査、審査までの経緯が説明されています。
第2章では、「文書の構成と作成のポイント」として、品質マニュアル、規定、帳票類のQMS文書の作成のポイントと運用上のノウハウについて解説しています。
第3章が「文書実例」として、品質マニュアル、規定例(プロジェクト管理規定、購買外注管理規定、設計管理規定、からサービス規定までの15種類の規定)、更に帳票例(プロジェクト企画書、設計計画書/検証報告書、品質マネジメント会議議事録、自己申告書など28種類の帳票類)が掲載されています。
さらに付録として上記の各帳票の記入例が掲載されています。
なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 ISO9001の取得のプロセス
1.1 取得決定
1.2 社内体制の確立
1.3 品質マネジメントシステム体系の構築
1.4 内部品質監査
1.5 審査
第2章 文書の構成と作成のポイント
2.1 ISO9001の文章構成
2.2 品質マニュアル、規定の作成ポイント
2.3 帳票作成上のポイント
2.4 運用上のコツ
3章 文書実例
品質マニュアル
規定例
帳票例
付録(帳票記入例)
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- 2006年12月25日
- ISO9001
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1. ISO9001品質マニュアル/業務マニュアル [ Infortop.net ] 2007年03月04日 00:03