安全」の定義として,ISO/IEC Guide 51(こちらは、「人、財産、環境またはこれらの組み合わせに関する全ての安全側面に適用される」規格)では、「受容できないリスクがないこと」と定義されています

同Guideを策定したISO/TC 199は、同じ規格の中で安易に「安全」、「安全な」という用語を使わないことが望ましいと警告しているとのことです。

これは、安全が相対的な安全でしかなく、絶対的な安全など存在しないからということになります。

本日は、この「安全」という状態の定義や、「安全」を客観的・合理的に取り扱うため導入された「リスク」の考え方など、安全にまつわる基本的な考え方を紹介し、事故を未然に防ぐリスクアセスメントリスクマネジメントについて解説している本を紹介します。

本書:「 安全とリスクのおはなし」です。

安全の理念と技術の流れ」との副題がついています。

本書は、著者は、(社)日本機械工業連合会機械安全標準化特別委員会ISO/TC199委員等で(株)ヒューマンソフト代表取締役社長の中嶋 洋介氏で、ファジィ理論、人工知能、機械安全などの向殿 政男先生の監修により、2006年6月に日本規格協会より発行されています。


本書の表紙の折り返し部には、その発行の目的について「監修の言葉」より抜粋して以下のことが書かれてあります。

「本書は、安全とはそもそもどういう状態をいうのか、その安全を客観的、合理的に取り扱うために導入されたリスクとはどういう考え方なのか、等々、安全にまつわる基本的な考え方を紹介すること、そして安全を確保するために最も大事な事故の未然防止のための手法であるリスクアセスメントリスクマネジメントについて、詳しく、ていねいに紹介することを目的としている。
 
 特に、自動回転ドアにおける事故のような身近な例を通して、一般の機械設備や組織運営の安全確保とリスクマネジメントの実施の仕方について、著者の豊富な経験と知識に基づいて、わかりやすく解説。

 リスクマネジメントの手法が国際安全基準に基づいて詳細に紹介されているので、現在の安全の理念と技術に関する世界的な流れを容易に理解できるように構成されている。

 本書で世界に通用する安全の考え方や技術の基本を理解すれば、どのような安全の分野や安全の立場に進む人にとっても、入門書としてきっと、役に立つはずである。」

本書は、9章から構成されています。

第1章では、「高リスク社会の出現」として、停電、工場災害、交通災害など現代の社会が抱えているリスクについて取り上げ、わが国の実態は、成熟化した社会で求められる倫理のようなものになじまないなどの課題を説明しています。

第2章では、「なぜ起きた 自動回転ドアの事故」として、2004年の森タワーでの自動回転ドアによる事故を取り上げ、その原因や関連する安全規格の現状について解説しています。

第3章では、「安全へのアプローチ」として、「安全」、「危険」、「リスク」などについてISO/TC 199での定義などを解説しています。

第4章では、「リスク」として、機械安全のリスクと組織運営のリスクなどを取り上げ、「リスクアセスメントとは何か」、「リスクアセスメントリスクマネジメントの違い」、「リスクマネジメント危機管理の違い」などについて解説しています。

第5章では、「リスクアセスメント」として、リスクアセスメントの目的や機械安全のための及び組織運営のためのリスクアセスメントからリスク評価までの手順について解説しています。

第6章では、「リスク対策」として、受け入れ可能なリスクのレベルにするためリスクを解消するか低減するための方策として、機械安全のISO12100-1、2で示されている『3ステップメソッド』及びISO/IEC Guide73に示されているリスクコントロール(回避・最適化・移転・保有)の手法について解説しています。

第7章では、「リスクマネジメント」として、「人」、「環境」、「財産」、「組織」を危害や損害から守るための未然防止手段を中心としたリスクマネジメントについて解説しています。

第8章では、「ヒューマンエラーと安全」として、誤りを犯す存在として人という現実を前提としたリスクマネジメントについて解説しています。

第9章では、「安全は社会のインフラ」として、安全が社会のインフラとなり安心が生まれるとして、安全を保証する仕組みの重要性を改めて解説しています。

出版社による本書の特徴として以下の点があげられています。

  •  安全はそもそもどういう状態をいうのか、その安全を客観的・合理的に取り扱うために導入されたリスクとはどういう考え方なのか 等々、安全にまつわる基本的な考え方を紹介。
  •  安全を確保するために最も大事な事故未然防止のための手法であるリスクアセスメントとリスクマネジメントについて、丁寧に紹介。
  •  身近な事故例を通して、組織運営の安全確保と実施の仕方について、豊富な例をあげながら、わかりやすく解説。
  •  安全に関わる分野・立場にいる方、これから進む方々の必携入門書。
安全とリスクのおはなし―安全の理念と技術の流れ
日本規格協会
中嶋 洋介(著)
発売日:2006-06
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:86902

なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 高リスク社会の出現
1.1 社会が抱えているリスク
  (1)停電による大混乱
  (2)頻発する工場災害
  (3)深刻化する交通災害
  (4)脅かされる生活
1.2 規制緩和になじめない日本
1.3 倫理観を喪失した時代
第2章 なぜ起きた 自動回転ドアの事故
2.1 自動回転ドアの事故
  (1)事故の状況
  (2)間違いだらけの“安全”
  (3)安全への低い関心
2.2 自動回転ドアの安全規格
  (1)日本の自動回転ドアの安全規格
  (2)欧州の自動回転ドアの安全規格
  (3)安全の基本規格は日本にもある
2.3 機械類の安全と国際規格
  (1)安全を実現する仕組み
  (2)日本と欧州の違い
第3章 安全へのアプローチ
3.1 安全とリスク
  (1)“安全”と“危険”
  (2)安全確認型の安全
  (3)リスク
3.2 ISO/TC 199の安全へのアプローチ
  (1)危害はどのようにして起きるか
  (2)リスクの概念(ISO/TC 199の定義)
  (3)安全の概念(ISO/TC 199の定義)
第4章 リスク
4.1 機械安全のリスクと組織運営のリスク
  (1)取り返しのつかないリスク
  (2)施設・人・運営にかかわるリスク
  (3)機械安全のリスクと組織運営のリスク
4.2 機械安全のリスク
  (1)ISO機械安全のリスクの定義
  (2)機械安全のリスクの定義のメリット
  (3)機械安全のリスクの特徴
4.3 組織運営のリスク
  (1)組織運営のリスクの定義
  (2)組織運営のリスクの特徴
4.4 生産現場の安全と組織運営の問題
  (1)生産現場の災害の原因
  (2)お任せの安全と集団的浅慮
第5章 リスクアセスメント
5.1 リスクアセスメントの目的
5.2 リスクアセスメントとリスクマネジメント
5.3 機械安全のリスクアセスメントの手順
  (1)機械類の制限の決定
  (2)危険源探し
  (3)リスクの見積り
  (4)リスク評価
5.4 組織運営のリスクアセスメント
  (1)組織運営のリスクアセスメントの特徴
  (2)組織運営の“リスク”の定義
  (3)リスクアセスメントの手順
  (4)危険源探し
  (5)リスクの見積り
  (6)組織運営のリスク評価
第6章 リスク対策
6.1 機械安全のリスク対策
  (1)3ステップメソッド
  (2)安全方策の要件
6.2 組織運営のリスク対策
  (1)リスクコントロール
  (2)リスクコントロールの適用
  (3)組織運営のリスク対策の特徴
  (4)組織運営のリスク対策と事例
 6.3 リスク対策と安全
  (1)リスクを取る
  (2)安全という言葉
第7章 リスクマネジメント
7.1 リスクマネジメントは未然防止
  (1)機械安全は未然防止
  (2)組織運営も未然防止
  (3)保険と危機管理は事後救済
7.2 リスクマネジメントの構造
  (1)リスクマネジメントの構成
  (2)リスクマネジメントの要素
  (3)リスクマネジメントの構造の特徴
7.3 守られるのは“人”,“財産”,“環境”,“組織”
  (1)機械安全のリスクマネジメント
  (2)組織運営のリスクマネジメント
7.4 リスク探しのリスクヘッジシステム
  (1)現実のリスク探し
  (2)リスク探しのリスクヘッジシステム
  (3)リスクコミュニケーションの重要性
7.5 危機管理では安全にならない
  (1)危機管理とは
  (2)危機管理の問題点
  (3)危機管理とリスクマネジメント
7.6 トレーサビリティと安全
  (1)トレーサビリティは危機管理のツール
  (2)トレーサビリティと認証
第8章 ヒューマンエラーと安全
8.1 ヒューマンエラーは避けられない
  (1)ミス
  (2)スリップ
  (3)近道行動
  (4)違反行為(作為の違反)
  (5)手抜き(不作為の違反)
8.2 思考の中のヒューマンエラーと安全
  (1)選択ミス
  (2)使用条件の設定ミス
  (3)情報伝達システムの設定ミス
8.3 人は危険源か
  (1)人は誤りを犯す存在
  (2)ヒューマンエラーが起きる原因
  (3)人は守られる存在
8.4 ヒューマンエラーから人を守る
  (1)フールプルーフ
  (2)機械安全のマニュアルと訓練
  (3)意思決定のためのチェックシステム
  (4)ヒューマンエラーを防止する環境
8.5 ルール違反の防止
  (1)ルール違反の特徴
  (2)安全のルール
  (3)ルールを守る心
  (4)資格制度とルール違反
第9章 安全は社会のインフラ
9.1 経済を変えた安全の仕組み
  (1)安全が商圏を拡げた
  (2)安全が国際貿易を推進
  (3)安全の仕組みが高める生産性
  (4)安全は社会のインフラ
9.2 安全は設備と制度と教育で実現
  (1)身近な安全システム
  (2)ルールと資格制度
  (3)安全教育
参考文献
索  引


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