『守』、『破』、『離』という言葉があります。学びの過程を現した言葉で、始まりは、世阿弥の風姿花伝の序破急という言葉で、のちに千利休が『守』・『破』・『離』として説いたということのようですが真偽は分かりません。

 初心者が有効にステップアップを図る方法は、その道で成功した経験者から先ず学ぶこと(『守』)だと思います。

 本日は、プロジェクトマネジメントについて、情報通信分野でプロジェクトマネッジャーとして数多くのプロジェクトの建て直しを経験された著者が、プロジェクト成功の方法論を丁寧に解説している本を紹介します。

本書:「はじめてのプロジェクトマネジメント」です。

本書は、著者:近藤 哲生氏で、2005年5月に日本経済新聞社より日経文庫 (新書)の一冊として発行されています。

本書の表紙の折り返し部には、本書のポイントとして以下のことが書かれてあります。

「本書は、若手の若手のプロジェクトマネジャーとチームメンバーを対象に、「プロジェクトを失敗させないために、いつ、何を考え、何を実行すればよいのか」を解説する入門書です。

 数多くのプロジェクトの立て直しを経験したなかで著者が見出した「プロジェクト成功の方法論」を、発足から振り返りまで順を追って丁寧に解説します。

 プロジェクトの成功・失敗の分岐点となる10の場面を取り上げ、「シナリオ」(ドラマ形式で状況を把握)→「解説」(その場面でどう考え、何をするべきか?)→「Step Up Point!」(陥りやすい問題点をどう回避するか?)の3ステップで、問題の本質をリアルに解き明かします。」

 本書では、多くのプロジェクトの中で、失敗と成功の分岐点となる10の場面を取り上げ、成功するためには、プロジェクトの立ち上げから回転、完成、レビューの各フェーズについて、それぞれの場面で最もかかわりの深い者が何を考え、何を実行すべきかを、またその場面でよく陥る間違った判断と取るべき行動を「シナリオ」の手法を取り入れ、ドラマ形式で臨場感たっぷりにストーリーが展開し、その場面でどう考え、何をするべきかヒントが分かり易く解説され、次の「Step Up Point!」で、その段階においてプロジェクトが陥りやすい問題点とそれを回避するための実施事項が提示されています。

本書で、印象的な部分は、PRP(Project Re-Planing:プロジェクト計画再設定)です。

<<プロジェクトは始まったときから失敗している>>

「なぜプロジェクトは、失敗するのか。

プロジェクトが失敗する原因はいくつもあり、しかも多様であることから、個人の責任追求はしても、関係者が「なぜ失敗したのか」を分析することは極めて稀である。

ただし、多くの失敗プロジェクトに共通してして要因がある。

「そもそもスタート時の計画に無理があった」という根本原因である。しかし、この失敗の要因に対して、これまでほとんどのプロジェクトは、何らの対策も打ってこなかった。
(略)

 こうした現実離れをした計画を修正し、人・物・金を必要な分だけ盛り込み「成功するべくして成功する」計画に作り直すことが,PRPである。」

また即断・即決・即実行の実践のためのDPM(Desision &Progress Meeting:プロジェクト意思決定会議)手法の解説をはじめ、プロジェクト成功のためのノウハウ・考え方がてんこ盛りの充実した内容になっています。

はじめてのとありますが若手のみならず多くのプロジェクト関係者に役立つ内容となっています。

はじめてのプロジェクトマネジメント 日経文庫
日本経済新聞社
近藤 哲生(著)
発売日:2005-05-14
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:7496
おすすめ度:4.0
おすすめ度4 プロジェクトは最初と最後が肝心
おすすめ度4 入門書と言いながら・・・

なお本書の目次は、以下の内容です。
Step1 プロジェクトの現実を知る
 ――プロジェクトの実情、成否の分かれ目
 1 成功と失敗を見極める
 2 プロジェクトの構成とモチベーション
Step2 プロジェクトを立ち上げる
 ――「成功する計画」の策定
 1 プロジェクト発足
 2 自分たちで計画をつくる
[成功のためのパラダイム転換1]
 ――成功と失敗はスタート時に決まっている
[成功のためのパラダイム転換2]
 ――プロジェクトを孤立・玉砕させない
Step3 プロジェクトを回転させる
 ――メンバーのモチベーションを高め続ける
 1 問題の共有と解決のスピードアップ
[成功のためのパラダイム転換3]
 ――即断・即決・即実行の実践
 2 問題発見を促すプロセスづくり
 3 メンバーの自律と衆知の結集
 4 メンバーの成長を促す
Step4 プロジェクトを完成させる
 ――「パーフェクトな成功」の最終条件
 1 隙のない物づくり
 2 エンドユーザーとのコラボレーション
Step5 プロジェクトを振り返る
 ――成功スパイラルを生み出すために
 1 成功を再生産するために
 2 成功法則をつくる
Finish プロジェクトラーニング
 ――学習するプロジェクト
 1 成果を財産にする
 2 経験と学習のプロセス


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1. 成功の秘訣!第八七話 「ノー」といえることは、成功者の条件である  [ 成功の秘訣!ツキを呼び込む100の法則 ]   2007年02月05日 17:36

「ノー」といえない人間は、成功者にはなりがたいものである。自分にとって不利であっ...

Comments

1. Posted by 手文庫@プログラマーの手文庫   2007年01月14日 01:10

こんばんは!
> 初心者が有効にステップアップを図る方法は、その道で成功した経験者から先ず学ぶこと(『守』)だと思います。

私もそのとおりだと思います。よく「本に載っているとおりにプロジェクトは進まない」とか「本を読んでプロジェクトが進むはずがない」と言う人がいますが、基本や成功プロジェクトを知っておくことが大事ですよね。

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