日本版SOX法に対応するIT統制のガイドライン『システム管理基準追補版（財務報告に係るIT統制ガイダンス）案 』を経済産業省は、先週末（1/19）に、発表しています。
4章150ページから成るこのガイダンスでは、�犠呂嚢柔�と用語、�蕎呂任蓮�IT 統制の概要について、�珪呂任蓮�IT 統制の経営者評価、�絃呂任蓮�IT 統制の導入ガイダンスという構成で、金融庁の企業会計審議会内部統制部会が示した日本版 SOX法の基準案や実施基準（公開草案）とIT統制との関係を示しながら解説しています。
なお経済産業省では、本ガイドラインについて2 月19日まで意見を募集し、その後正式決定するとのことです。
このガイダンスについては、意見公募要領などと意見提出様式などと併せて電子政府の総合窓口のウェブサイトでダウンロードできます。
内部統制・日本版SOX法について一番最初に読む本との位置づけで分り易くその意味や役割から、各業務プロセスの内部統制システム、内部統制に有効な内部監査、日本版SOX法のあらましまで、図表やイラストを交えて分り易く解説している本を紹介します。
本書：「ただいま授業中 内部統制がよくわかる講座」です。
本書は、著者：佐藤 孝幸氏にて2006年12月にかんき出版より発行されています。
本書の帯には、以下のように書かれてあります。
「待ったなし
日本版ＳＯＸ法対応
IT統制、内部監査、文書化…
まずは内部統制のキホンから！」
また表紙の折り返し部には、このように書かれてあります。
「会社も仕事も大きく
変わる「内部統制」
経営者から担当者、
従業員までいちばん最初に
読む入門書です」
本書では、内部統制は、特別なものではないとして食堂に置かれた食券自動販売機を例に説明が始まります。
食堂になぜ食券自動販売機を置くか？
これにより食堂の従業員が現金を取り扱う必要がなくなるので、現金が着服される心配が無くなる。
また従業員がうっかりとレジを通さずに売上を受け取ることが無くなる。
レジを通さずにうっかり受け取ると、結果、脱税を犯すリスクも防げることになります。
従業員による不正を防止することで、食堂の利益を確保し、税法もしっかり守って食堂経営ができる。
オーナー自らが切り盛りしている食堂では、食券自動販売機はないが、内部統制は、複数の人々が仕事を分担しながら運営されている組織に必要なもので、組織の目的を達成するために、同じ組織で仕事をする人々全員が守らなければならないルールや仕組みのことで、内部統制システムとも言う。
先の食券自動販売機を置いたのは、「お客さんから注文を受けるときには必ず食券自動販売機で食券を買ってもらう」というルールを徹底させるためのしくみが内部統制になる。
本書は、７つのPARTから構成されています。
PART1では、「いまなぜ内部統制なのか」として先の食券自動販売機を例に取り上げた内部統制の特徴や意味や考え方などの概要について解説しています。
PART2では、「内部統制の基本要素を知る」として内部統制の枠組みのグローバルスタンダードとなっている米国トレッドウェイ委員会組織委員会によるCOSOフレームワークとその５つの構成要素（統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達、モニタリング）について解説しています。
PART3では、「内部統制システムを構築する」として販売、仕入れ・購買、経理、アウトソシング、情報管理など各業務プロセスの内部統制システムについて職務分掌とローテーションが基本として解説しています。
PART4では、「ますます重要になるIT統制」として情報システムに対する統制活動すなわちIT統制について解説しています。
PART5では、「内部統制に有効な内部監査」としてリスクマネジメントを実践する内部監査人として内部監査について解説しています。
PART6では、「コンプライアンスと内部統制」としてコーポレート・ガバナンスとCSRなどコンプライアンズと内部統制の関わりについて解説しています。
PART7では、「日本版SOX法と内部統制」として日本版SOX法についてその概要と内部統制の評価、同文書化、同評価報告、同監査について各対応のポイントを解説しています。
本書では、一つのテーマについて左右の見開きのベージにまとめた構成となっており、説明を補足するイラストや図表も多く、最初に読む内部統制の分り易いおすすめの一冊となっています。
わかりやすい入門書
平易に書かれたガイドブック
なお本書の目次は、以下の内容です。
PART1 いまなぜ内部統制なのか
01 内部統制は特別なものではない
02 職務の有効性・効率性を向上させる
03 財務報告の信頼性を確保する
04 事業活動に関する法令などを遵守する
05 リスクマネジメントとしての内部統制
06 内部統制にも限界がある
PART2 内部統制の基本要素を知る
01 COSOフレームワークと５つの要素
02 統制環境
03 リスクの評価と対応
04 統制活動
05 情報と伝達
06 モニタリング
PART3 内部統制システムを構築する
01 会社レベルでの内部統制システム
02 業務プロセスごとの内部統制システム
03 販売における内部統制
04 仕入れ・購買における内部統制
05 経理における内部統制
06 アウトソーシングにおける内部統制
07 情報管理における内部統制
PART4 ますます重要になるIT統制
01 IT分野における内部統制
02 ITガバナンスの取り組み
03 全社レベルのIT全般統制
04 業務レベルのIT業務処理統制
PART5 内部統制に有効な内部監査
01 監視機能を担う内部監査
02 監査役は取締役の仕事を監査する
03 公認会計士による外部からの会計監査
04 不正の疑惑から調査を実施する
PART6 コンプライアンスと内部統制
01コーポテート・ガバナンスとCSR
02 裁判所の求める内部統制
03 会社法が求める内部統制
04 内部通報制度を構築する
PART7 日本版SOX法と内部統制
01 米国SOX法の成り立ち
02 日本版SOX法のあらまし
03 内部統制の評価
04 内部統制の文書化
05 内部統制の評価報告
06 内部統制の監査
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- 2007年01月22日
- 内部統制,日本版ＳＯＸ法
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