メンタルヘルスの悪化は、先進工業国に共通する課題ですが、とくにわが国の事業所での悪化の度合いは、人口10万人あたりの自殺者数は、27.7人と旧G7の中では、最悪となっています。

 メンタルヘルスは、個人の問題というように見る管理者も多いそうですが、その背後には、過重労働、コニュニケーション不足、不適切なマネジメントなど多くの問題が潜在しています。

メンタルヘルスについて、要注意は、3つの「い」だそうです。
〔欧譴覆

⊃べたくない

だるい、疲れやすい

 この3つの「い」がほぼ同時に出て、2週間以上続く場合、うつ病をまず考え、次には強い慢性疲労を疑うべしとのことです。

精神症状としては、『仕事に行きたくない』となり、「消えてしまいたい」、「仕事をやめたい」から更に「死ぬ方がましかも」と進むとのこと。

企業活動の原則は、直接的に利益を生み出す活動と損失や損害を最小限にする活動を車の両輪としています。メンタルヘルス対策は能率を高めるので前者の活動であり、ミス・事故を減らすので後者の活動になり利益を増やすのです。」

と著者は、メンタルヘルス対策をしっかりと行うことは企業利益に貢献することと述べています。

 本日は、内科医・産業医の医学博士で労働科学研究所研究部主任研究員である著者がメンタルヘルスを経営の視点からわかりやすく解説し、実際に、企業内で、どのような対策を立て、ケースにどう対処すべきかを具体的に示している本を紹介します。

本書:「人事・総務担当者のためのメンタルヘルス読本」です。

本書は、著者:鈴木 安名 先生で、2005年10月に労働科学研究所出版部より発行されています。

新書は、ハンディな新書サイズとなっています。

本書の「まえがき」で著者は、以下のように述べています。

「この本は人事、総務の皆さんのために書きました。

 わが国でメンタルヘルスが問題になっているといっても、現場の管理職にとっては他人事です。うつ病が増えたとはいっても、診断書が出て1ヵ月以上休職する社員(職員)は全体の1~2%です。
(略)
でも皆さんは違いますね。人事、総務あるいは労働安全衛生に携わる方々にとって、当たる確率は高く、時には仕事のストレスともなります。社員300人の社で、もし30日以上心の病気で休む人が年間3名いたとすれば、それはみんな皆さんの肩に背負わされるのです。
(略)
でも、皆さんは日々仕事をこなさなければならない。中には、少数派でしょうが、「メンタル問題を自分のスキルアップにつなげよう」という先見の明のある方もおいでかもしれません。

 そんな皆様のために、この本を書きました。できることから着手して、ご満足がえられるようなツール化、マニュアル化に努めたつもりです。特に、保健職のマンパワーが乏しく産業医が機能していない事業所で、メンタルヘルス対策が立てられるよう実用的に書きました。」

 本書では、企業の実情に対応した事例を取り上げ、具体的な対策法が大変わかりやすく記載されています。

本書は、5章から構成されています。

第1章では、「経営の視点からメンタルヘルスを考えよう!」として、職場のメンタルヘルスの現状、メンタルヘルスが企業収益に及ぼす悪影響、うつ病の発症、発見するための留意ポイント。日々のメンタル対策などのテーマが事例を含め取り上げられています。ちなみに発見のためのサイン<けちなのみや>のサインに留意することで。け(欠勤)、ち(遅刻・早退)、な(泣き言を言う)、の(能率の低下)、み(ミス、事故)、や(辞めたいと言い出す)でこれを押さえておくことがポイントとのことです。

第2章では、「メンタルヘルスの実務」として、病名の意味と主治医との交流、三者会談、休職中の社員との情報交換、復職後の対処法、安全配慮義務と個人情報の保護、メンタルヘルスと就業規則などのテーマについて幾つかの事例を交え、解説しています。

第3章では、「産業医をプッシュする」として、産業医の機能度チェック、産業医の労務管理、交渉手順などについて解説しています。

第4章では、「対策の実践」として、構えずにできること、メンタルヘルスの勉強会、トップへの訴えと合意の形成などが解説されています。

第5章「Q&Aと理解度チェック」として、幾つかのメンタルヘルスの問題についてQ&Aで関係する課題とその対処方法が解説され、第1章の理解として10問が取り上げられ、○×で、その理解度がチェックできるリストが掲載されています。

本書の付録として付録1:「リーフレット「メンタルヘルスのすすめ」」及び、付録2:「頼りになる相談機関(連絡先)」が掲載されています。

 ともすると職場の管理者は、メンタルヘルスの悪化について「部下の個人の問題」ととらえ、自分は、日常業務で多忙でもあり、この問題は、人事・総務や産業医などが担当すべき分野と考え勝ちと思われます。
 しかしながら、メンタルヘルスの問題は、管理者自らが本業として関わるべき問題と考え、しっかりと対処すべき問題で、是非、本書は、部下を持ち、職場のメンタルヘルスマネジメントの中核を担う管理者の方に一読をすすめたい一冊です。

 また本書を購入されると本に記載のパスワードを入力して、鈴木先生のウェブサイトからオリジナルの49ページの「労働科学研究所実務セミナー資料」を無料ダウンロードできます。

この資料は、アドビ・アクロバット(PDFファイル)で作成されてますので職場での管理者教育などに有効に活用出来るかと思われます。またこちらのサイトでは、厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」などヘルスケアーに関する重要な情報が紹介されています。

人事・総務担当者のためのメンタルヘルス読本
労働科学研究所出版部
鈴木 安名(著)
発売日:2006-11
発送時期:通常3~5週間以内に発送
ランキング:2673
おすすめ度:5.0
おすすめ度5 読んでよかった
おすすめ度5 メンタルヘルスの良書
おすすめ度5 企業の人事労務、総務担当者のメンタルヘルス入門書
おすすめ度5 どうぞしゃぶりつくしてください。

なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 経営の視点からメンタルヘルスを考えよう!
 第1節 メンタルヘルス氷山の三角 (1.休職・欠勤の増加 2.ミスや事故の増加 3.犯罪とモラールの低下)
 第2節 企業収益への悪影響 (1.労働日数の喪失 2.仕事の能率低下とミスの増加 3.傷病手当・医療費の増加 4.自殺等への訴訟費用など 5.うつ病対策は企業収益に貢献する)
 第3節 自覚症状は〈3つの「い」〉 (1.眠れない 2.食べたくない 3.だるい、疲れやすい 4.心の症状~仕事に行きたくない~ 5.うつ病になっても自分では気づかない 6.発病の仕組み 7.うつ病になりやすいタイプ)
 第4節 発見のための〈ケチな飲み屋サイン〉 (1.欠勤、遅刻・早退 2.泣き言をいう 3.能率の低下 4.ミスや事故が増える 5.辞めたいと言い出す 6.〈ケチな飲み屋サイン〉の状況)
 第5節 受診の勧め
 第6節 日々のメンタル対策 (1.あいさつ 2.眠れる? ――自分の脳を守る改善活動 3.職場のストレス対策の実例)
 ・事例・高学歴者の挫折 ・事例・月曜日の欠勤 ・事例・持ち帰り残業とアルコール依存 ・事例・超多忙職場のストレス対策
第2章 メンタルヘルスの実務
 第1節 病名の意味と主治医との交流 (1.病名の意味 2.三者面談 3.三者面談をするときのポイント)
 第2節 休職中の社員との情報交換 (1.休職時の連絡方法の取り決め 2.職場情報の提供)
 第3節 職場復帰の判定 (1.復職診断書の導入 2.適切な復職プログラムをつくる 3.どの部署に復帰させるかは慎重に 4.職場復帰判定基準(例))
 第4節 復職後の対応法 (1.担当者の対応 2.上司の業務面での対応)
 第5節 安全配慮義務と個人情報の保護 (1.安全配慮義務は債務 2.プライバシーの保護 3.担当者の立場とは?)
 第6節 メンタルヘルスと就業規則 (1.復職の判断は慎重に  2.休職期間満了のリセットへの対応 3.復職希望者に対する実務的対応 4.就業規則の改定 5.労務提供能力の判断は慎重に)
 第7節 迷惑をかけて攻撃的なケース
 ・事例・長期休業 ・事例・裁量労働は外す ・事例・通算して2年半の休職の後、復職成功 ・事例・思い切って転職して成功 ・事例・プライバシーの保護と本人の了解 ・事例・職場をかき乱す社員
第3章 産業医をプッシュする (1.嘱託産業医の機能度チェック 2.産業医の労務管理 3.交渉手順 4.交渉の内容(例) 5.産業医と接する2つのポイント 6.ともに学べる場をセッティング)
第4章 対策の実践 (1.構えずにできることから 2.どんなことが可能か? 3.メンタルヘルス勉強会を企画する 4.トップへの訴えと合意形成)
第5章 Q&Aと理解度チェック (1.メンタルヘルスQ&A 2.メンタルヘルス理解度チェック)
付録1.リーフレット「メンタルヘルスのすすめ」
付録2.頼りになる相談機関(連絡先)


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Comments

1. Posted by 手文庫@プログラマーの手文庫   2007年02月18日 01:46

discus2005さん、こんばんは!
こういった本があるのですね。ご紹介ありがとうございます。
周りにもお休みされている人が多いのでチェックしてみます。

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