ISO9001:2000(JISQ9001:2000)規格の序文の0.3項「ISO9004との関係」において以下のように記載されています。

 「この規格は、品質マネジメントシステム(以降QMSと略記)に関する要求事項を規定している。これらの要求事項は組織が内部で適用するため、審査登録のため又は契約のために用いることができる。この規格は、顧客要求事項を満たすQMSの有効性に焦点を合わせている。」

 この後にISO9004:2000は、QMSの目標の手引きで、有効性に加え、組織全体のパフォーマンスと効率の継続的改善のための手引きとの記載が続きます。

『有効性』と『効率』についてのISO9000の定義を引用すると、以下の通りです。

『有効性』:(「計画した活動が実行され,計画した結果が達成された程度」3.2.14)

効率』:(「達成された結果と使用された資源との関係」3.2.15)

 ISO9001のQMSを導入した企業の中で、その効果を享受している企業と、そのマイナス効果に失望してもうやめようかと考えていたり、やめることもできず大いなる不満を抱きながら継続している企業など二極化が起き始めていることについて、両者の違いは、QMSの効率の問題に起因しているとの観点から、ISO9001の世界を超えて、QMSの効率向上に焦点をあて、具体的な事例に基づき以下のような4つのステップを通してQMSの効率を高める方策について解説している本を紹介します。

  • ステップ 1.「QMSのムダやムリをなくす(スリム化)」
  • ステップ 2.「ITを活用してQMSのスピードアップと生産性向上を図る」
  • ステップ 3.「ISO9001の特徴を生かしてQMSの効率を高める」
  • ステップ 4.「『QMSの効率』を競争優位要因にする」


本書:「経営課題 QMSの効率を高めたい」です。

本書は、著者:丸山 昇氏ならびに超ISO企業研究会 の編集にて、2005年7月に日本規格協会 より発行されています。

同社の超ISO企業を目指し実践するにあたって、その基本的な事項の解説と、具体的な実践ガイドを提供する【 超ISO企業実践シリーズ】の10巻になります。

本書の「はじめに」で著者は、本書の背景について以下のように述べています。

「 さていまISO 9001のQMSを導入した企業の中でも、二極化が起き出している。

すなわち、このQMSを導入してその効果を享受している企業と、そのマイナス効果に失望してもうやめようかと考えていたり、やめることもできず大いなる不満を抱きながら継続している企業と…。

 この二つを分けるのは、一体何なのだろうか?

一方は、得ているもののほうが多い企業で、もう一方は失っているもののほうが多い企業である。

つまりかけた手間に見合うだけの見返りを得られた企業と、「骨折り損のくたびれもうけ」をした企業の違いである。

これはもう一つの側面から見ると、「スピード」の問題でもある。

まさに「生き馬の目を抜く時代であり、結果さえよければいくらでも時間をかえてもよいというような悠長なことをいってはいられない。

これらは、すなわち「効率」の問題なのである。

“効率”とは、インプットとアウトプットの比率でもある。

ISO9001は「適合性」と「有効性」を対象としているが、「効率」はあまり眼中にない。

 つまり、何も考えずにただ「いいだろう」としてやっていたらいつまでたっても「効率」の世界には入れず、むしろ「有効性」をあげるためにますます「効率」を悪くするということも招きかねないのである。」

本書は、はじめにに続いて舞台となるK社の社長の悩みの概要、QMSの効率を高めるための基本ステップなどを俯瞰したプロローグに続く、2つの章、ならびにK社での1年間のQMSの効率の向上の取組を総括的にレビューした内容からなるエピローグで構成されています。

プロローグでは、従業員45名の東京の下町に印刷屋として企業向けの印刷物から名刺などの印刷で事業着手し、先代の才覚で事業を拡大し、約15億円の年間売上があり、東京に本社工場ならびに近県にも工場を持つ6年前にISO9001の認証を取得したK社の概要と、登場人物(島田社長:K社の2代目社長。南谷専務:現場のたたきあげ最古参の一人で、工場長兼管理責任者、山本課長:印刷1課の課長。ISO認証取得の熱心な活動が評価され課長になる。石井課長:品質保証課の課長で、ISO推進事務局も兼務。飯島先生:TQMとISO9001に基づくQMSの分野に精通している専門家)が紹介され、社長のもとに、飯島先生が訪問し、ISO9001のメリットに関係して効率を考慮することの必要性とQMSの効率を高めるための基本ステップがここで解説されます。

第1章では、「QMSの効率を高めるための実践事項」
としての4つのステップ(QMSのムダやムリをなくす(スリム化):ぜい肉がついてしまったシステムをダイエットしてスリムになる。現状の文書や仕事の進め方を改善し、リバウンドしない企業風土を培う。ITを活用してQMSのスピードアップと生産性向上を図る:効率の概念にスピードがあり、最近はその重要度も大きくなっているのでスピードを強化する。ISO9001の特徴を活かしてQMSの効率を高める。:基本動作の徹底、責任・権限の明確化、顧客満足の継続的改善、プロセスアプローチなどを通してISO9001の特徴を活かす。ぁQMSの効率”を競争優位要因にする):参考事例として、効率をテーマとしたISO9001に基づくQMSの取組みで競争優位要因を既に確立できた測定器メーカーT社の事例が紹介されています。)の詳細な内容が解説されています。


第2章では、「階層別自己診断チェックシート」
として、QMSの効率化について階層別のチェックシートが「経営者」、「管理責任者」、「部課長」の各階層に分けて示されています。それぞれのステップにおいて各階層に求められる取組みが実行されているかを確認することができます。

超ISO企業実践シリーズ〈10〉経営課題 QMSの効率を高めたい
日本規格協会
丸山 昇(著)超ISO企業研究会(編集)
発売日:2005-07
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:191784

なお本書の目次は、以下の内容です。
シリーズ発刊にあたって
まえがき
プロローグ
はじめに
K社と登場人物の紹介
社長の抱える悩み
QMSの効率を高めるための基本ステップ
第1章 QMSの効率を高めるための実践事項
ステップ 1
1.1 QMSのムダやムリをなくす(スリム化)
(1) システム効率化の推進体制を整える
(2) 文書のムダをなくす
(3) ムダやムリな業務をなくす
(4) マネジメントシステムを共通化する
(5) “改善”の進めやすい企業風土を培う
ステップ 2
1.2 ITを活用してQMSのスピードアップと生産性向上を図る
(1) 情報機器を活用した文書管理システムを構築する
(2) 文書を“知識”として活用する
(3) コミュニケーションをよくする
ステップ 3
1.3 ISO 9001の特徴を活かしてQMSの効率を高める
(1) “基本動作の徹底”を活かす
(2) “責任・権限の明確化”を活かす
(3) “顧客満足”を向上する
(4) “継続的改善”を活かす
(5) “プロセスアプローチ”を活かす
(6) “内部監査”と“マネジメントレビュー”を活かす
ステップ 4
1.4 “QMSの効率”を競争優位要因にする
 測定器メーカT社の事例
第2章 階層別自己診断チェックリスト
2.1 経営者のためのチェックシート
2.2 管理責任者のためのチェックシート
2.3 部課長のためのチェックシート
エピローグ

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