ヒューマン・エラーとのつきあいかた

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ヒューマン・エラーとのつきあいかた

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  この連休中に大阪府吹田市の遊園地「エキスポランド」でジェットコースターが脱線して乗客一人が死亡、十九人が重軽傷を負った痛ましい事故が発生しています。

 二両目左側の車輪の車軸がほぼ垂直に折れているとされ、断面は平らに近い状態だったこと等が報道され、この破面解析(フラクトグラフィ−)の結果、折れた原因は金属疲労の可能性が高いと言われています。

 繰り返し応力による疲労が発生している場合には、金属破面の組織に繰り返し応力による組織のすべりの痕跡などが認められるかと思います。設計データに基づき車軸の最大応力レベルが計算できれば、車軸に用いている金属の繰り返し応力−疲労特性から安全係数を想定しての車軸の交換時期等が推定できるかとも思われます。よく分かりませんが、1周の動作時に何回程度最大応力を受けるのか、一日あたり何周しているのかなどの情報は分かりませんが、直感的に15年というのは、10の5乗~6乗以上の繰り返し数のオーダーで、その懸念が発生するオーダーのような気もします。

 ジェットコースターをはじめ「絶叫マシン」と呼ばれる遊戯施設の安全基準は、建築基準法が定めています。また遊戯施設には「定期検査報告制度」があり、施設の所有者は定期的に検査し、結果を自治体に報告することが義務付けられ、違反すれば50万円以下の罰金。建築基準法施行規則によれば、定期検査報告の間隔は「おおむね6カ月から1年」とされ、実際は自治体の判断に任されているようです。上記のような金属疲労ということでしたら超音波などを用いた亀裂探傷技術等では検出は困難かと思われます。

 さて本日紹介するのは、建設現場で長年実務に携わってきた労働安全コンサルタントの著者が、労働災害の原因になるヒューマンエラー(著者によれば、「ヒューマンエラーとは、自分でやろうと意図したわけではないが、本来なすべきこととずれてしまった事象」と定義しています。)に関わる話を集め、イラストを多数挿入しながら読みやすくまとめた本を紹介します。

本書:「ヒューマン・エラーとのつきあいかた」です。

建設現場の災害事例から学ぶ 」との副題がついています。

本書は、著者:笠原 秀樹氏にて、2007年4月に鹿島出版会より発行されています。

本書の帯には、本書の「まえがき」から抜粋し、以下のように書かれてあります。

Stop the Human Error

人は誰でも

誤りをおかすものである

誤りを続けるのは、

愚か者のみである。」


本書の特に2章の「ヒューマン・エラーを防ぐために」においては、建設作業の現場で発生する災害事例(本書では、産業安全の分野の区別に従って、災害:人の被害を伴った場合を災害、人の被害を伴わない場合のみ事故と使い分け)、分かり易い多数のイラストと共に誤りを続けないため如何にすべきか、さらにどのように教育を進めたら良いかが解説されています建設業の従業員の安全意識向上や安全衛生教育に役立つ情報が満載されています


本書は、第1章から第3章までの3つの章で構成されています。

第1章では、「ヒューマン・エラーの諸相」
として、第1節「身近な存在のヒューマン・エラー」から第6節の「自ら防ぐヒューマン・エラー」までの6節から構成され、「もしかしたら」と「まさか」の危機管理の意識の問題や「社員教育と難民救済」までの45項目の安全意識に関わる課題が取り上げられ解説されています。本文中には、網掛をして、著者の前著:「ヒューマン・エラーってなんだ?」からの転載された内容も含まれています。

第2章では、「ヒューマン・エラーを防ぐために」
として、ヒューマンエラーによる以下のような項目の災害事例をはじめ45の事例が日常の切り口で取り上げられ、原因のなぜ(why)や現実的な予防策について関係法令と共に解説しています。またその事例については、第3章で取り上げられている9つの人的要因に分類されています。

「階段で転ぶのは老人だけではない」(このような項目が45事例)として以下のような二つの事例が取り上げられています。

(1) 壁の仕上がり具合を見ながら階段を降りてきた時、階段に巻いた状態の溶接用キャプタイアケーブルに足を引っ掛けて転び、脚部を骨折。

(2) クレーンの運転室から鉄骨階段を降りる際に踊り場の手前で脚を滑らせ転落し足を骨折。

第3章では、「まとめ[ヒューマン・エラーの防止と分類]」
として、ヒューマン・エラーの防止のための5つの方策と(社)日本建設団体連合会の建設労務安全研究会の分析結果から、建設業のヒューマンエラーの9つの人的要因が整理されています。これによると「無知、未経験、経験不足、教育不足」、「危険軽視、慣れ、悪習慣、安易、集団欠陥」、「近道本能、省略本能、能率本能」が80%強を占めているなどが紹介されています。

ヒューマン・エラーとのつきあいかた―建設現場の災害事例から学ぶ
鹿島出版会
笠原 秀樹(著)
発売日:2007-04
発送時期:通常24時間以内に発送

なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 ヒューマン・エラーの諸相
 第1節 身近な存在のヒューマン・エラー
 第2節 企業の姿勢とヒューマン・エラー
 第3節 安全管理とヒューマン・エラー
 第4節 マニュアル管理とヒューマン・エラー
 第5節 航空・鉄道に学ぶヒューマン・エラー防止
 第6節 自ら防ぐヒューマン・エラー
第2章 ヒューマン・エラーを防ぐために
階段で転ぶのは老人だけではない/トラックの荷台は危ないところ/台付けワイヤーロープで玉掛けしていませんか/脚立が可搬式作業台(たちうま)になっても///雨の日の墜落転落までの45事例
第3章 まとめ ヒューマン・エラーの防止と分類
ヒューマン・エラーの防止/ヒューマン・エラーの分類

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この記事へのコメント

1. Posted by 手文庫    2007年05月08日 23:27
discus2005さん、こんばんは!
うっかりを無くすのは長らくのテーマです。
気をつけますではなくて、どうやって無くすかを問うているのですが「追い込まれている」と感じる人もいて難しいです。

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