「洪水を予言するだけでは不十分である。箱舟を作ってこそである」
(ルイズ・ガースナー)

 このアメリカの著名な経営者の言葉は、本書の「まえがき」での記載によるもの。産業技術総合研究所で人間の行動メカニズムについて情報学・認知科学の観点から解明する研究を行っている著者がヒューマンエラーの防止のノウハウについて語っている本を紹介します。

 事故はひとつのきっかけだけでなく、複数の要素・要因がそろった結果生じるものであるため、最後のトドメだけではなく、発生しやすさの構造からも捉え直すという視点で、ヒューマンエラー防止の理論を考察すると共に、すぐに役立つ実践的なテクニックについて問題形式で紹介しています

本書:「ヒューマンエラーを防ぐ知恵」です。

本書は、著者:中田 亨氏にて、2007年3月に化学同人よりDOJIN SENSYOの一冊として発行されています。

本書の帯には、以下のように書かれてあります。

事故への道を知り、

事故を避ける。

すぐに役立つ、ヒューマンエラー

防止のノウハウ。」

本書の「まえがき」で本書の意図するところについて著者は、以下のように述べています。

「本書は、安全に携わる人びとの役に立つことを第一の目標とし、ヒューマンエラーによる事故を防ぐ方法を提供することに力点を置いています。

本のテーマとしてヒューマンエラーを選ぶと、それだけを論じる形となり、事故を防ぐための方法論は閑却してしまいがちです。

もちろん、学術的にはヒューマンエラーの正体について考察を深めることも有意義でしょう。

しかし、「ヒューマンエラーの真相はよくわからないが、こうすれば防げる」というノウハウの方が必要なのではないでしょうか

また、ノウハウを現場で適用するためのコツを示して、読者がすぐに実践できるよう配慮しました。」

本書は、7つの章から構成されています。

第1章では、「ヒューマンエラーとは何か」
として「ヒューマンエラーによる重大事故や有名な事故の例についてそこから学ぶべき教訓とヒューマンエラーの特質や事故とヒューマンエラーとの関係などを分析し、「ヒューマンエラーは、看過できる問題でもなければ、スラスラ解ける問題でもない」と結んでいます。

 とくに事故について麻雀やポーカーの役のようなもので、要因が揃わないと大事故にはならない。自分の持っている手牌や手札が今どうなっているか、次に何がくれば役になるのかを考える。これが事故を考える上での正しい姿勢としています。

このように各小見出しの項目についてその小項目の結びに含蓄の深い言葉でその内容の本質がまとめてあります。


第2章では、「なぜ事故は起こるのか」
として事故について、事故とは何か?、事故は起こらなくなるか、やっぱり人はまちがえるなどの点から事故について理論的に取り扱うことができるかを考察しています。

第3章では、「ヒューマンエラー解決法」
としてヒューマンエラーに基づくものも含め事故全般を防止するためには、人間組織の中でどのように活動すべきかを提示しています。この章での印象に残った言葉:「問題をさまざまな側面で分割して担当者に割り振るのではなく、問題まるごとに対処する作業班をつくる」、「風通しのよさが大事故を防ぐ」、「事故は誰に責任かを問うと、事故予防から遠のく」


第4章では、「事故が起こる前に……ヒューマンエラー防止法」
としてヒューマンエラーを防ぐ方法について技術的な論考を示し、以下の3つの抑止対策の方針についてとくにその組み合わせることが大切と解説しています。
〆邏箸鮃圓い笋垢する。ヒューマンエラーの発生頻度を抑制する
⊃佑飽枉錣魑い鼎せる。損害が出る前に事故を回避できるようにする
H鏗欧鰺泙┐襦小さな事故が大きな事故に発展しないようにする

「『備えあれば、憂いなし』だが、憂いを想像できるから備えられる」


第5章では、「実践 ヒューマンエラー防止活動」
として、筆者が関わった活動事例を紹介しながら、ヒューマンエラー防止の具体的な活動について解説しています。「現場の問題点はすぐにわかるが、解決策への制約はくわしく聞いてみないとわからない」、「情報共有が事故防止のカギである。答えを出すことには真の効果はない」


第6章では、「あなただったらどう考えますか」
としてヒューマンエラーを防ぐための実践的なテクニックについて問題形式で紹介しています。「1:情報伝達」から「26:エラーを起こさせる」まで26の事例について取り上げ筆者が問題の捉えかたから解説策の視点について解説しています。


第7章では、「学びとヒューマンエラー」
として教育における、浅いながらも速く教える方式と、手間はかかっても深く正しく理解させる方式などの学びとヒユーマンエラーとの関わりについて考察しています。


本書は、技術者のみならず、安全に関心がある多くのビジネスパースンに参考になる一冊です。

ヒューマンエラーを防ぐ知恵
化学同人
中田 亨(著)
発売日:2007-03-20
発送時期:通常4~5日以内に発送
ランキング:1821

なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 ヒューマンエラーとは何か
一 涙も凍るヒューマンエラー
二 ヒューマンエラーは根深い問題
第2章 なぜ事故は起こるのか
一 事故とは何か?
二 事故は起こらなくなるか
三 やっぱり人はまちがえる
第3章 ヒューマンエラー解決法
一 問題の捉え方
二 問題解決への作業
三 小さなミスこそ重要
四 事故の責任は誰がとるべきか
第4章 事故が起こる前に……ヒューマンエラー防止法
一 三段構えのエラー抑止
二 大事故に発展させない方法
第5章 実践 ヒューマンエラー防止活動
第6章 あなただったらどう考えますか
第7章 学びとヒューマンエラー

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Comments

1. Posted by 手文庫@ビジネス書で問題解決   2007年05月21日 00:22

discus2005さん、こんばんは!
「気をつけます」で済まさずに、ヒューマンエラーに対策しようとするとそれぞれに時間と根気、体力が必要ですよね。

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