養鶏場、食肉処理場、ハムソーセー ジ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子 加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房管理など多数の食品工場の品質管理業務を経験した著者が、食品工場の品質管理について運動会に使用するテントを例に判りやすく説明している本を紹介します。
食品工場の中で、製造、管理、出荷など、製品の品質管理はどのように行われているか、またあるべき品質管理とはどのようなものかを多数のイラストなどを交えてビジュアルに分かり易く解説しています。
本書:「食品工場の品質管理」です。
本書は、著者:河岸 宏和氏にて、2007年5月に同文館出版より発行されています。
同社の【DO BOOKS ビジュアル図解】シリーズの一冊です。
著者は、「食品工場の工場長の仕事とは」のホームページを運営しています。
本書の帯には、以下のように書かれてあります。
「いま求められる
「食品工場の品質管理」とは?
「農場からフォーク(製造から食卓)まで」
の品質管理を追及することで、
食の安全を実現する!
さらに表紙の折り返し部には、以下のように書かれてあります。
「多発する食品会社の
事件や事故によって
食品の安全性への
見方はますます
厳しくなっている」
ISOを取得したり、HACCP
に基づいた衛生管理を行なっ
ていても、なぜ食品事故はな
くならないのか?どうすれ
ば、食品工場の品質管理の質
は上げられるのか?これからの食品工場の品質
管理を「農場からフォーク
までの品質管理」ととらえ
ることで食の安全を考え、
なおかつ実践的な効果の
上がる手法をビジュアルに
解説する。」
本書では、食品工場の品質管理について運動会に使用するテントを例に判りやすく説明しています。
食品安全を脅かす原因の要素(危害)となる物理的危害、化学的危害、ペストコントロール、生物的危害、日付表示ミス、アレルギー表示ミスの危害6項目について、空から降って来る雨と例えて、雨を防ぐテントの天幕に穴が開いているとトラブルが発生してしまうなどの解説により食品安全のための危害を防止する仕組みを品質管理として分かり易くフードチェーンにおける食品安全について解説しています。
各章の最初にテントで全体的な計画すべきポイントを総括的に述べてから個別の各項目について解説するという形式となっています。
本書は、10章から構成されています。見開きの右側の頁では、取り上げたテーマの解説がそして左側の頁では、それを補完するイラストが掲載されるという構成になっています。
1章では、「食品工場の品質管理に求められているもの」
として、「1.品質管理と『運動会のテント』」から「12.ホイッスルブロアーを褒め称える工場づくり」まで品質管理の考え方などが解説されています。
2章では、「食品工場の品質管理で守るもの」
として食品自己の要因となる、物理的危害、化学的危害、ペストコントロール、生物的危害、日付表示ミス、アレルギー表示ミスについての現象と対策や留意点などについての解説とフードチェーン内での管理の重要性などを解説しています。
3章では「工場設計時の品質管理」
として前記の食品安全危害を防止するための主要な工場のインフラストラクチャー(設備・施設などの類)に関して工場設計時に留意しておくべき点などを解説しています。
4章では、「商品設計時の品質管理」
として工場内での商品設計について原料規格条件、下処理工程、添加物配合、配合工程、加熱・冷却、包装工程、出荷・配送、製造履歴、賞味期限などの管理上の留意ポイントなどを解説しています。
5章では、「日常管理しておく事項について」
として、マネジメントシステムの構築、関連法規、組織図、製品のフローチャート、工程見取り図、人・空気・製品の動きなどの日常管理において留意すべきポイントについて解説しています。
6章では、「日常管理しておく規定・マニュアルについて」
として服装規定、原材料管理規定、日報等の管理、マニュアルほか各種の手順書類の管理、過去の事故・クレ−ムデータの管理などの日常管理すべき管理文書についての留意ポイントなどを解説しています。
7章では、「日常管理時の品質管理」
として作業者の個人衛生状況、作業中の個人衛生、細菌検査、工程の確認、測定器の校正、金属探知機、洗浄状況、ペストコントロールなどの日常の点検活動のポイントについて解説しています。
8章では、「環境問題について」
として工場を取り巻く環境に関わる方針、食品リサイクル法、排水、騒音、臭気、廃棄物などに環境問題に関する管理の留意ポイントを解説しています。
9章では、「クレーム処理について」
として、クレームへの対応から、クレーム品の分析、再発防止、タンパーエビデンス、社告、お詫び会見などのあり方について解説しています。
10章では、「食品工場で必要な教育について」
として教育計画から階層別の教育、日常教育、クレーム発生時の教育、工場関連業者への教育などの項目についてどのような点を押さえておくべきかなど解説しています。
品質管理関係者だけでなく食品工場のスタッフの方々も含め食品工場の品質管理の質向上に関心がある人には、お奨めの一冊です。
現場に落とせる!
なお本書の目次は、以下の内容です。
1章 食品工場の品質管理に求められているもの
2章 食品工場の品質管理で守るもの
3章 工場設計時の品質管理
4章 商品設計時の品質管理
5章 日常管理しておく事項について
6章 日常管理しておく規定・マニュアルについて
7章 日常管理時の品質管理
8章 環境問題について
9章 クレーム処理について
10章 食品工場で必要な教育について
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- 2007年05月17日
- ISO22000(食品安全マネジメント)
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