大学の法学部や地球環境学研究科で環境法について研究ならびに指導しておられる先生方が環境法の全体像について平易に解説している本を紹介します。
本書:「環境法入門<第3版>」です。
本書は、畠山 武道先生、大塚 直先生、北村 喜宣先生の共著にて、初版は2000年4月ですが、2007年5月に第3版が日本経済新聞出版社より発行されています。
日経文庫の一冊になります。
本書の帯には、以下のように書かれてあります。
「環境リスクを
管理せよ!多岐にわたる法体系をつかむ
公害、リサイクル、自然保護から地球環境問題、
企業の環境対策まで複雑化する法をコンパクトに解説。
表紙の折返し部には、本書のポイントとして以下の点があげられてあります。
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企業関係者はもとより、NPOや環境運動関係者にとっても、環境に関する法律の知識は必要不可欠となっています。
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環境問題に対する企業や行政の法的責任は、いまや大きなリスクです。
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環境法はさまざまな分野にまたがる複雑な法律群からなります。本書は、代表的な法律を中心に、公害法・環境法の全体像が見渡せるよう構成を工夫しました。
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容器包装リサイクル法の改正や外来生物法の制定など、最新の法整備もフォローしています。
- 環境法についてさらに詳しく学びたい方のために、巻末に参考文献一覧を掲載しました。
本書の「まえがき」で本書の意図等について著者は以下のように述べています。
「本書は、環境法を何とか市民に身近な法律と感じてほしいという願いから書かれた「環境法の入門書」です。
環境問題のあらまし、公害、ゴミ・リサイクル、自然保護、地球環境問題、企業の環境対策など、最近話題になっているテーマを取り上げているので、好きなところから読み始めていただければと思います。
難しい法律をできるだけ平易に解説し、コーヒーブレイク、図版なども加えたので、法律を余り知らないという学生や法学部卒でないビジネス人の皆さん、それに法律ときいて頭が痛くなる一般の方々などにも、十分に内容を理解していただけるはずです。
(略)
本書が世に出たのは7年前ですが、(略)その間に環境問題をめぐる状況や環境法の制定・改正などについてさまざまな動きがありました。
そこで、廃棄物処理、リサイクル法制、地球環境問題への取組み、企業の環境対策などを最新の内容のものに改めるとともに、アスベスト被害対策、自動車リサイクル法、外来生物法などへの説明を加え、第三版を発行することとしました。」
本書では、環境法の全体像についての解説にはじまり、環境汚染の防止と公害の経緯、廃棄物処理とリサイクルならびに循環型社会、自然保護の仕組みならびに地球環境問題への取組み、BS7750規格とEMASならびにISO1401規格やエコラベル、グリーン購入、環境報告書、環境会計などについての企業の環境対策まで複雑化する法を分かり易くコンパクトに解説しています。フロー図や体系表などの図版も含めて難しい法律をわかりやすく解説しています。またコーヒーブレイクでは、「生きている化石?」などのトピックスを興味深く取り上げています。
ビジネスパーソンが通勤途上などを利用して、環境法の全体像を概観して学ぶには格好の本と思います。
240ページのコンパクトな新書版です。
なお本書の目次は、以下の内容です。
[I] 環境法の全体像
[II] 環境汚染の防止
[III] 廃棄物処理とリサイクル
[IV] 自然保護の仕組み
[V] 地球環境問題への取り組み
[VI] 企業の活動と環境保全
参考文献リスト
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- 2007年05月22日
- ISO14001
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