「不祥事」を止めるISO思考
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業務改善コンサルタントで、ISOのコンサルティング、マネジメント監査の実績は800社を超えるという著者が、不二家、関西テレビ、アイフル、スカイマーク、社会保険庁、警視庁、経済産業省などの実例を題材に取り上げ、問題はなぜ起きたのか、どうしたら再発が防げるのについてISO的なロジックを展開して提示している本を紹介します。
本書:「「不祥事」を止めるISO思考」です。
「How to Use ISO Efficiently」との英文のタイトルも付いています。
「不二家、関西テレビ、社会保険庁………
世間の信頼を得られないのは、なぜか?」との副題が付いています。
本書は、著者:有賀 正彦氏にて、2007年5月に光文社より発行されています。
一般には、不二家、関西テレビ、アイフル、スカイマーク、社会保険庁、警視庁、経済産業省など現存企業の不祥事の問題に切り込もうとすると内部関係者の口も堅く、なかなか内部への取材自体も難しいため真相に肉薄できる新たな情報などが得られず、観点が表面的なってしまい勝ちになります。
またサービス業にあってスポンサーやカスタマーの立場となるような組織の問題に下手に切り込むとこれからの業務に跳ね返ってくる懸念もあるかも知れません。これは、もしかしたらダブーの世界であったかも知れません。
この点、著者は、敢えて勇気を持って企業不祥事などの事例に切り込み、『ISO思考』に基づく問題の原因発見と再発防止がしっかりと行われるとすれば、問題やトラブル、そして不祥事は防げるはずとの仮説思考に基づく”有賀流”のISO論を展開しています。
本書の「はじめに」で『なぜ企業の不祥事は続くのか?』と題して著者は、本書の意図する点について以下のように述べています。
「本書は、このようなご時世で、なんとか日本企業が「自律した組織作り」ができるよう、その考え方を説明するものだ。
もちろん、企業の管理責任者の方が読んでも役に立つが、それよりむしろ、ISO的な考えをもっと広い意味でビジネスに役立つよう、根本的な考え方を一般読者に説明していく。
よって、ISO取得企業だけでなく、世の中を騒がせた事件・事故の本質を、すべてISO的な思考で分析していく。なぜ問題は起きたのか、そしてどうすれば再発防止できるのか。
こうした分析を、専門用語はなるべく使わず説明していく。これは、おそらく今まで誰も試したことのない挑戦だと思う。」
本書は、7つの章から構成されています。
第1章では、「不二家と関西テレビの「自爆」」
として、両社の事例についてその原因を分析しています。
第2章では、「「再発防止」の標準化思考」
として、再発防止、顧客重視、5S、などの関連キーワードを重点にISOの考え方について解説しています。
第3章では、「企業不祥事を分析する」として
ライオン、アイフルなど7社の事例が取り上げられ、その原因が分析されています。
第4章では、「お役所は理不尽」
として、経済産業省、社会保険庁など6件のトラブルや事故の事例が取り上げられ分析されています。
第5章では、「ISOをビジネスに活かす」
として、ISOの概要からISOを企業がどのようにビジネスに生かしているかなど5つの事例と共に解説されています。
第6章では、「「機能不全のISO」をISO的に分析する」
として、ISOが機能していないとされる課題を取り上げ、なぜそのような状態に陥っているのかについて分析しています。
第7章では、「標準化思考獲得への道」
では、問題の発見法、情報の分析法、創造力などのビジネスに役立つ標準化思考をどのように獲得するかといった観点について論を述べています。
事例で取り上げられている不祥事や事故については、結果論の世界になることは避けがたい面があります。
ISO自体は、あくまで規格要求事項が全てです。
『ISO思考』は、著者が言われるように重要な観点と思いますが、要求事項を越えるとすれば、あくまでISOに付加したもの。
しかし今日の社会的ニーズは、競争優位の観点からも、ISO+αを求めていると思います。
本書は、不祥事等についての「ISO思考」に基づく分析から考え方の提示という範囲で書かれてあります。「ISO思考」の展開に基づく著者のクライアントの幾つかの企業の成功事例が掲載されていれば更に充実した内容だったかと思います。その点は、続編に期待といったところです。
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