企業がTQMを導入・推進する上で必要な品質管理の基本について正しい理解と、実際に展開される諸活動を中心に概説している本を紹介します。
本書:「TQMとその進め方」です。
本書は、日本規格協会出版の9巻からなる[QC入門講座]の第1巻になります。
本書の著者は、この[QC入門講座]シリーズの編集委員長の鐵 健司氏で、本書は、1999年12月に日本規格協会から発行されています。
現在は、この第1巻は、絶版になっているようですが、中古本は、Amazonのマーケットプレイスで入手できます。
この[QC入門講座]シリーズは、TQM、管理・改善、社内標準化、品質保証などの進め方の基本を解説する1から4巻までの運営編とQC手法について解説する5から9巻までの手法編から構成されています。このシリーズの初版は、1984年ですが、1999年に新版に改定されています。
本書は、6つの章から構成されています。
1. では、「品質管理総論」
として、品質管理とは、品質保証とは何かといった品質管理の基本について、デミングサイクルや品質保証活動の仕組みと活動などについて解説しています。
2. では、「わが国の品質管理の歴史」
として、日本の50年にわたる品質管理の変遷について「SQCの時代」から「TQCからTQMの時代」までの5つの時代に区分して概観しています。
3. では、「TQMの導入と推進」
として、TQMの企業への導入・推進に当たって展開される主要な活動を中心に、人材育成のための教育、日常管理、方針管理、社長診断、QCサークル活動、機能別管理などを解説し、TQMによる成果の見方からTQMの推進上の留意点などについて解説しています。
4. では「統計的手法とその活用」
として、統計的手法の活用について、多変量解析、QC七つ道具、検定や推定、相関・回帰分析、実験計画法、官能検査、信頼性手法、新QC七つ道具、商品企画七つ道具、QCストーリーなどに触れ、基本的な手法を活用する上での留意点も含めて解説しています。
5. では、「小集団活動とその導入・推進」
として、QCサークルを始めとした小集団活動の意義、その導入から運営・育成の手順、経営者や管理者・推進者などの役割と心構え等についての解説しています。
6.では、「むすびにかえて(品質管理の基本/QC的な考え方)」
として、本書の全体をレビューし、品質管理の基本の考え方やQC的考え方についてまとめて解説されています。
なお本書の目次は、以下の内容です。
1. 品質管理総論
1.1 品質管理
1.2 品質保証
2. わが国の品質管理の歴史
2.1 わが国への品質管理の導入-SQCの時代
2.2 日本的品質管理の形成-SQCよりTQCへ
2.3 生産企業におけるTQCの確立-1970年代
2.4 生産企業から他業種へのTQCの拡大と国際化-1960年代
2.5 1990年代の品質管理・21世紀に向けて-TQCからTQMへ
3. TQMの導入と推進
3.1 TQMの導入にあたって
3.2 全社的な気運の盛り上がりと経営トップのリーダーシップ
3.3 推進のための組織と推進計画
3.4 品質管理の教育・訓練
3.5 日常管理と管理項目
3.6 方針管理
3.7 TQMにおけるQC診断
3.8 小集団活動の導入と活性化
3.9 機能別改善活動などの推進
3.10 TQMの推進による成果および留意点
4. 統計的手法とその活用
4.1 品質管理と統計的手法
4.2 統計的な考え方とその活用
4.3 改善を進めるための手順
4.4 統計的手法を活用するときの留意点
5. 小集団活動とその導入・推進
5.1 小集団活動の意義
5.2 QCサークルとは
5.3 QCサークル活動の発展
5.4 QCサークルの導入と運営
5.5 QCサークル活動の推進
6. むすびにかえて(品質管理の基本/QC的な考え方)
6.1 品質管理の基本
6.2 QC的な考え方
(広告)
- 2007年05月31日
- QC手法、統計、QC7つ道具
- コメント(0)
- トラックバック(0)