品質工学の第一人者:田口 玄一先生が研究・開発段階(オフライン)の品質工学の手法理論を学習教本としてはじめて体系化し、基礎から実践までを詳解している本を紹介します。

本書:「ベーシック オフライン品質工学」です。

本書は、田口 玄一先生と横山 巽子さんとの共著で、2007年5月に日本規格協会より発行されています。

本書の帯には、以下のように書かれてあります。

品質工学の第一人者による

待望の一冊!

本書は、品質工学で欠かせない基本的内容と、実際の適用での
諸問題について解説し、オフライン品質工学のテキストとして最適!

本書の「まえがき」で著者は、以下のように述べています。

品質工学は、市場に出てから発生するトラブルを、設計段階で改善・研究ができるための予測手法を提供する汎用技術手段である。

最下流である消費者の品質問題を上流である研究室で改善しようというとき、どうしたら下流で再現性が得られるかという評価手法を与えるもので、その手段として考えられたのが機能としてのロバストネス、すなわち機能性の評価方法と設計定数の水準を変えることによる改善である。

(略)
 実験計画法では、とくにばらつき問題に対しては、因子の分類が不可欠であるにもかかわらず、実際には制御因子も誤差因子も一つの直交表に割り付けた実験が多かったことを思えば、品質工学が主流になった昨今、誰もがSN比を考える上での因子とそれを改善する因子という、因子の分類を真剣に考えるようになったことは大きな収穫であるといえる

本書は、品質工学の基礎から実施上の諸問題を一通り解説したものである。」


本書は、14章と本文の数学的基礎などを補足する付録と付表からなります。

また各章の終わりには、その章の理解のための幾つかの演習問題が掲載されています。

第1章~5章までが品質工学の基本の解説。6章以降が実際の適用での事例を中心とした解説という構成になっています。

第1章では、「品質工学概論
として、実験計画法、品質とコスト、機能のバラツキによる損失、損失関数、損失関数で評価するパラメータ設計などの考え方等について解説しています。とくに品質について定量的に把握するため、トラブルといったマイナス面からとらえ、品質とコストとの和を小さく押さえることが技術者の使命との考え方等を提示しています。

第2章では、「望目特性の2乗和の分解と分散分析基礎
として生産工程における特性値のバラツキに関係して、幾つかの事例についてSN比に求められる2乗和の分解の手法から分散分析の基礎について解説しています。

第3章では、「動特性のSN比
として、工程の管理目標値からのズレを比例関係からのズレとしてのモデルで取り扱う能動的動特性、受動的動特性、転写性などに関する動特性について、2乗和の分解からSN比の計算についてその考え方と計算法を解説しています。

第4章では、「目的機能のための標準SN比
として、入力と出力との関係が比例関係でないケースについて取り扱うための標準SN比の方法について、その考え方と計算法、目的機能への合わせ込み、合わせ込み関数がゼロ点を通らない場合のSN比の計算方法を解説しています。

第5章では、「直交表入門とパラメータ設計の初歩
として、多元配置と直交表について、L9直交表での解説から、L18直交表による切削技術のパラメータ設計計画、補助表を作成しての内側条件比較のための計算などパラメータ設計の基本的な内容について解説しています。

第6章では、「混合系直交表とわりつけ技法
として交互作用が交絡しない混合系について、スライディングによる水準設定、擬水準法(ダミー法)、組合せ法、多水準作成法、擬因子法などの割り付け技法について解説しています。

第7章では、「理論式やシミュレーションによる設計研究
として、内乱を考慮しての回路の設計定数に関する割り付けなど設計定数などのばらつきである内乱を考慮した上でのSN比の評価手法について解説しています。

第8章では、「誤差原因の把握と許容差設計
として、パラメータ設計後の品質改善に役立てる目的で用いられる機能のばらつきのノイズを除去する許容差設計について解説しています。

第9章では「機能窓法
として、MITのDon Clausing 教授がゼロックスで紙送りに用いたといわれている機能窓について、機能窓の大きさとノイズによるばらつきをSN比として機能窓の安定性を評価する手法について解説しています。オン・オフ機能の場合、制御因子を用いた機能窓拡大法、化学反応と機能窓等の事例について解説しています。

第10章では、「目的による信号の選択
として、SN比と感度について、一般には、SN比の改善の後の感度を取り上げるのが基本だが、効率が問題となるような対象でSN比と感度の双方を大きくしたいといった場合のパラメータ設計の考え方について、効率の良い冷却システム、機械加工においての切削性と作業効率の事例などについて解説しています。

第11章では、「電気特性の評価
として、電気特性の評価について実効値と位相のSN比とを分けて評価し、総合判断する手法について、トランジスタの発振器の事例などについて解説しています。

第12章では、「限界のある場合の対応
として、成型の寸法が型寸法を超えることはない樹脂の射出成形の事例、ワイパーのチャタリングの改善事例などの限界がある場合、目視による外観検査による分類データのSN比の解析法について解説しています。

第13章では、「受動的動特性の評価
として制御ではなく、計測分野などの信号を受信するという受動的動特性についてのSN比の評価手法について、色々の信号水準の作り方、計測誤差の改善、誤差因子を直交表に割り付けた場合などについて解説しています。

第14章では、「欠測値など不備データの対処
として、直交表の実験条件で欠測値がある場合の、逐次近似法を用いて欠測値の代用を求める方法を解説しています。

研究・開発段階の品質工学の基礎から体系的に学べ、機械・機構、化学、電気・電子系への実践事例も多数掲載され、まさに品質工学のデファクトスタンダードたる一冊と思われます

ベーシックオフライン品質工学
日本規格協会
田口 玄一(著)横山 巽子(著)
発売日:2007-05
発送時期:通常4日間以内に発送
ランキング:85242

なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 品質工学概論
1.1 実験計画法から品質工学へ
1.2 品質とコスト
1.3 機能のばらつきによる損失
1.4 合理的な許容差の求め方
1.5 特性値の分布型と損失関数
1.6 品質問題の発生段階と特性値
1.7 品質水準の改善対策
1.8 パラメータ設計の概略
第2章 望目特性の2乗和の分解と分散分析基礎
2.1 生産工程におけるばらつき
2.2 2乗和の分解
2.3 純変動と寄与率
2.4 調整間隔を変えた場合のばらつき
2.5 調整間隔の変更による品質水準
2.6 望目特性のSN比
2.7 望目特性の計算例
2.8 負の値もある場合の望目特性
第3章 動特性のSN比
3.1 動特性とは
3.2 動特性の2乗和の分解
3.3 動特性の2乗和の分解例
3.4 動特性のSN比
3.5 誤差の調合と2乗和の分解
3.6 調合のある場合のSN比
3.7 調合のある場合の計算例
3.8 基準点比例式
第4章 目的機能のための標準SN比
4.1 基本機能と目的機能
4.2 標準SN比の考え方と計算法
4.3 目的機能への合わせ込み
4.4 合わせ込み関数がゼロ点を通らない場合
第5章 直交表入門とパラメータ設計の初歩
5.1 多元配置と直交表
5.2 直交表L18による切削技術のパラメータ設計計画
5.3 内側条件比較のための計算
5.4 最適条件とその推定
5.5 確認実験による効果の検証
5.6 実製品への適用
第6章 混合系直交表とわりつけ技法
6.1 2水準系・3水準系と混合系
6.2 スライディングによる水準設定
6.3 直交表L18の1列と2列の交互作用
6.4 直交表L18とダミー法
6.5 直交表L18と組合せ法
6.6 直交表L18と6水準
6.7 ダミー法を含んだ事例
6.8 直交表L18の2'列
6.9 水準値の設定
第7章 理論式やシミュレーションによる設計研究
7.1 内乱と外乱
7.2 回路の設計定数の検討
 7.2.1 内乱を考慮したわりつけ
 7.2.2 効果図の形状
 7.2.3 水準幅の取り直しによる結果
 7.2.4 推定と確認計算
7.3 パラメータ設計の反復
7.4 中心値の変更
7.5 標準SN比によるパラメータ設計
 7.5.1 垂下回路のパラメータ設計のわりつけ
 7.5.2 標準SN比の計算
 7.5.3 標準SN比の最適条件と確認計算
 7.5.4 目的機能への合わせ込み
7.6 狭範囲の水準設定
第8章 誤差原因の把握と許容差設計
8.1 誤差原因把握の目的
8.2 調合のための予備実験
8.3 誤差原因の定量的把握
8.4 使用部品の許容差設計のためのデータと解析
8.5 使用部品のグレード選択
8.6 パラメータ設計と許容差設計
第9章 機能窓法
9.1 機能窓とは
9.2 オン・オフ機能の場合
 9.2.1 温度調節器の回路における因子と水準
 9.2.2 パラメータ設計のわりつけとSN比
 9.2.3 パラメータ設計の解析と推定
9.3 制御因子を用いた機能窓拡大法
9.4 化学反応と機能窓
 9.4.1 化学反応の特徴
 9.4.2 副反応のある場合
 9.4.3 速度差法と速度比法
 9.4.4 重合反応のパラメータ設計
 9.4.5 速度差法と速度比法のSN比
第10章 目的による信号の選択
10.1 計測特性と信号
10.2 計測特性と信号の入替え
10.3 機械加工の評価
 10.3.1 切削性と作業能率
 10.3.2 研削加工のパラメータ設計
 10.3.3 操作上の信号との対応
 10.3.4 アイドリング時の評価
第11章 電気特性の評価
11.1 電子系機能の特徴
11.2 実効値と位相のSN比
11.3 移相器の機能性
 11.3.1 因子とわりつけ
 11.3.2 標準因子のある場合のSN比
 11.3.3 実行値と位相のSN比を考慮した最適条件
11.4 等化器の機能性と目的機能の合わせ込み
 11.4.1 等化器の目的機能と基本機能
 11.4.2 標準SN比による機能性評価
 11.4.3 機能性の最適条件の選定
 11.4.4 目的機能への合わせ込み
11.5 周波数特性による改善
 11.5.1 周波数変調の基本機能
 11.5.2 周波数偏移の2乗和の分解
 11.5.3 最適条件と確認実験
第12章 限界のある場合の対応
12.1 成形の基本機能
12.2 転写率βと収縮率(1-β)
12.3 ワイパーのチャタリングの改善
 12.3.1 直交表L18の2'列へのわりつけ
 12.3.2 2'列を含む解析
12.4 クラス分類の場合
 12.4.1 クラスの上位がよい場合
 12.4.2 クラスの中位がよい場合
第13章 受動的動特性の評価
13.1 受動的動特性とSN比
13.2 計測の誤差と品質水準
13.3 いろいろな信号水準の作り方
 13.3.1 水準間の差が一定または既知の水準
 13.3.2 混合による等間隔や間隔比が既知の水準
 13.3.3 希釈による水準
 13.3.4 直値と比例関係にある因子を信号にする
 13.3.5 直値の前後に対称な水準を作る
 13.3.6 実物製品を使って計測範囲を広げる
13.4 計測誤差の改善
13.5 誤差因子を直交表にわりつけた場合
第14章 欠測値など不備データの対処
14.1 内側の欠測値と逐次近似法
14.2 −∞、∞デシベルの場合
14.3 外側データが不完全な場合のSN比
 14.3.1 外側データの欠測
 14.3.2 信号水準値が標示因子・誤差因子の水準値で異なる場合
 14.3.3 誤差因子がない場合
付 録
 1. テーラー展開
 2. 原因特性や劣化特性の規格値の求め方
 3. 2乗和の分解
 4. 自由度
 5. 期待値
 6. 直交多項式
 7. 誤差因子の水準の設定方法
 8. デジタルデータの誤り・誤動作の評価
 9. ユーデン方格とL18の2列と29列
10. 動特性のSN比と損失
11. 品質工学におけるMTシステム概要
付 表
 付表1 直交多項式
 付表2 オメガ変換表
 付表3 直交表と線点図
 参考文献

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