工程の管理、抜取検査などで、母集団からサンプルを抜き取り、そのサンプルの情報から母集団の工程平均、品質などを推定するが、この際に、正しくサンプリングを行い、正しいデータを解析することにより工程の改善・管理を行うことを目的に、データを正しく収集・活用するためのサンプリング、検査の考え方・実施、抜き取り検査について解説している本を紹介します。
本書:「サンプリングと抜取検査」です。
本書は、著者:加藤 洋一氏、編集:鐵 健司氏にて2000年3月に日本規格協会より発行されています。
本書は、日本規格協会出版の9巻からなる[新版QC入門講座]の第9巻になります。
この[QC入門講座]シリーズは、TQM、管理・改善、社内標準化、品質保証などの進め方の基本を解説する1から4巻までの運営編とQC手法について解説する5から9巻までの手法編から構成されています。このシリーズの初版は、1984年ですが、1999年に新版に改定されています。
本書の「まえがき」で著者は、以下のように述べています。
「品質を管理する基本は、事実に基づいてPDCAのサイクルを確実に回すことであり、私たちは事実をとらえるためにデータを活用している。
しかし、実際には、正しくデータを収集しているだろうか、設定した母集団に誤りはないか、あるいはデータを正しく解析して事実をとらえているのだろうか、などの問題が存在している。
正しく事実をとらえるためには、正しくデータを収集すること、収集されたデータを正しく解析することが大切である。
そこで本書ではデータを正しく収集するために、「サンプリング」について解説する。内容としては、「サンプリングの基本的考え方」および「各種ランダムサンプリングの試論と実際」について解説している。
(略)
現在は、検査移行の時代であるといえる。すなわち、工程で品質を作り込めないときには検査を確実に実施し、工程で品質が作り込めているときには検査は無試験検査などに移行することである。検査を固定して考えるのではなく、検査を実施しなければならないときに確実に実行し、検査を実施しなくてよいときには省略するというように、前工程の品質作り込みの能力によって検査は移行していくのである。
(略)
本書では、基準型および調整型を中心に、検査の考え方、検査の計画、抜取検査の理論、検査の実施について解説している。」
本書は、2つの章「1.サンプリング」、「2.抜取検査」の2つの章から構成されています。本シリーズの他の巻と同様に各章の終わりには、理解を深めるための演習問題が添付されています。
1.では「サンプリング」
として、サンプリングや母集団などの用語の解説から始まり、ランダムサンプリングと有意サンプリング、ランダムサンプリングの手順、単純サンプリングに関する乱数表の使い方、その際の分散の期待値の算出とサンプリングの設計、次いで2段サンプリング、層別サンプリング、集落サンプリング、各サンプリングにおける分散の期値の算出とサンプリング設計について例題を交えて解説しています。
2.では、「検査」
として、検査とは?から始まり、受入検査、購入検査、工程間検査・中間検査、最終検査・出荷検査などの段階による分類から、全数検査、抜取検査、無試験検査(間接検査)などの検査の種類を説明し、検査の計画として、どのような検査を行うか、経済性からの検討や品質面からの検討、抜取検査の形式の選択、ロット品質指標の選択(AQLの設定)、どのような品質特性を検査するのか等を解説しています。
そして抜取検査について、どのような検査なのか、サンプル中に含まれる不良品のばらつき、抜取検査で合格する割合、OC曲線、OC曲線の見方について事例を交えて解説しています。
また計数基準型抜取検査について、JISZ9002「計数基準型一回抜取検査」の使い方について例題を交えて解説しています。
次いで、調整型抜取検査について、JISZ9015-1「計数値検査に対する抜取検査手順-第1部:ロットごとの検査に対するAQL指標型抜取検査方式)の使い方、検査の手順、抜取検査方式の求め方などについて例題を交えて解説しています。
さらに検査の実施、検査の管理におけるポイントについて解説しています。
なお本書の目次は、以下の内容です。
1 サンプリング
1.1 サンプリングとは
1.2 サンプリングの種類
1.3 ランダムサンプリングの種類
1.4 サンプリング単位
1.5 ランダムサンプリングの実際
1.6 単純サンプリング
1.7 2段サンプリング
1.8 層別サンプリング
1.9 集落サンプリング
1.10 各種サンプリング比較
2 検査
2.1 検査とは
2.2 検査の目的
2.3 検査の種類
2.4 検査と品質保証
2.5 検査の計画
2.6 抜取検査
2.7 計数基準型抜取検査
2.8 調整型抜取検査
2.9 検査の実施
2.10 検査の管理
付表1 乱数表
付表2 計数基準型1回抜取検査表
抜取検査設計補助表
付表3 サンプル(サイズ)文字
付表4 なみ検査1回抜取方式
付表5 きつい検査の1回抜取方式
付表6 ゆるい検査の1回抜取方式
付表7 なみ検査の2回抜取方式
付表8 きつい検査の2回抜取方式
付表9 ゆるい検査の2回抜取方式
付表10 なみ検査の多回抜取方式
付表11 きつい検査の多回抜取方式
付表12 ゆるい検査の多回抜取方式
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- 2007年06月15日
- QC手法、統計、QC7つ道具
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