内部統制という言葉は、internal-controlの訳で、コーポレート・ガバナンス(企業統治)の実践活動の一環との位置づけになります。

 会社法(平成18年施行)や金融商品取引法(平成20年4月施行予定)において求められる内部統制システムが有効に機能するためには、内部統制システムの評価に関わる内部監査が不可欠です。

 監査についてのISO9000(または、ISO19011)での定義によると監査とは、「監査基準が満たされている程度を判定するために、監査証拠を収集し、それを客観的に評価するための体系的で、独立し、文書化されたプロセス」と規定されていますが、監査の意図するところとしては、内部統制システムの監査においても同様です。

 この内部監査についての基礎的な知識を初めて内部監査の実務に関わるという人にも分かり易く解説し、今後、内部監査人に求められるであろう知識やスキルについて一通り紹介し、さらに実務上重要な監査手続書(監査チェックリスト)について、内部統制のフレームワークに沿って展開した例や内部監査に役立つ資料を提供して詳細に解説している本を紹介します。

また前記の監査手続書(監査チェックリスト)についてのCD‐ROMデータデータ(Excelファイル)が添付されています。

本書:「内部監査人の実務ハンドブック」です。

内部統制システムに役立つ実務手引き」との副題が付いています。

本書は、著者:島田 裕次 氏ならびに日本内部監査協会の編さんにて、2007年5月に日科技連出版社より発行されています。

本書の帯には、以下のように書かれてあります。

プロフェッショナルの

内部監査人が贈る

これ一冊でOK!

また本書の表紙カバーの折り返し部に、本書の三大特徴として以下のような点が挙げられています。

1.実際の監査を想定しての監査プロセスに沿ったポイントが解説されている

2.内部監査に当たって、知りたいと思われることがトピックスとかキーワードで取り上げられ、読み切りスタイルの解説として提供されている

3.組織の関係する業務毎に、また形態別に監査のチェックリストの事例が示されてCD-ROMでも提供されている

また筆者は、「まえがき」で内部監査が企業経営上も重要な位置づけとなってきていることを強調した上で、本書の意図する点について以下のように述べています。

「本書は、内部監査人内部監査実務を実施する上で参考となる事項をわかりやすくまとめており、監査実務で役立つことを目的として執筆している。

また日本内部監査協会や内部監査人協会(IIA)などが策定した各種基準やガイドラインを参考資料として収録しているので、内部監査人が監査を実践する際の参考になると考えている。」


本書は、3部から構成され、第1部「理論編」(1~3章)では、内部監査の理論的な内容、第2部「実践編」(4~6章)では、実務的な事項、第3部「資料編」では、内部監査に役立つ関連資料が掲載されているという構成となっています。


第1章では、「変貌する内部監査
として、内部監査に関連の深い内部統制システム、CSR、ERM、光栄機通報者保護法などのキーワードの解説しながら内部監査の現状を解説しています。

第2章では、「内部監査人の役割と責任
として、内部監査人協会(IIA)が作成した基準などに基づく内部監査人の果たすべき責任と役割についてその求められる専門職としての役割の重要性など解説しています。

第3章では、「内部監査の種類
として、各種の監査(環境監査、品質監査、個人情報監査、コンプライアンス監査、会計監査、業務監査、情報システム監査)のどのような内容なのかをその目的、範囲、基準、内容など具体的に解説しています。

第4章では、「監査手順とその実務
として、監査の実務についてどのような手順とか手続きで、どのような技法に基づき、どのように実施するか監査手順、監査マニュアルから改善勧告、フォーローアップまでの時系列的な監査の流れに沿って解説しています。

第5章では、「監査の実施
として、監査の対象となる業務分野の会計、営業、販売、人事・給与、労務、調達、情報システムなどの業務の適切性を監査する上での留意すべき点などを中心に解説しています。また供給者(関係会社や協力会社)に対する監査や監査権のない海外関係会社の監査のポイントなども取り上げ解説しています。また内部統制の監査、IT統制の監査の意義から進め方、記録の保存、評価基準など解説しています。

第6章では、「内部監査のためのチェックリスト
として、部門毎に監査を実施する監査チェックリストについて、監査項目、監査手続き、証拠資料、留意点、監査結果、改善勧告を含めた内容の具体的なチェクリストの例が掲載されています。

資料編については、内部監査人協会「倫理綱要」、日本内部監査協会「内部監査基準」、財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準などの10点の資料が掲載されています。

内部監査人の実務ハンドブック―内部統制システムに役立つ実務手引き
島田 裕次 日本内部監査協会
日科技連出版社 (2007/05)
売り上げランキング: 4552

なお本書の目次は、以下の内容です。
第1部 理論編
 第1章 変貌する内部監査
 第2章 内部監査人の役割と責任
 第3章 内部監査の種類
第2部 実践編
 第4章 監査手順とその実務
 第5章 監査の実施
 第6章 内部監査のためのチェックリスト
第3部 資料編
資料1 内部監査人協会「倫理綱要」
資料2 日本内部監査協会「内部監査基準」
資料3 財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準
資料4 個人情報の保護に関する法律
資料5 個人情報の保護に関する法律施行令
資料6 個人情報の保護に関する法律についての経済産業分野を対象とするガイドライン資料7 経済産業省「システム監査基準」
資料8 経済産業省「システム管理基準」
資料9 公益通報者保護法
資料10 公益通報者保護法に関する民間事業者向けガイドライン 

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