地球温暖化をテーマに、温暖化は既に「暴走」を始めてしまったのか? 残されたわずかな時間で、この「破滅のシナリオ」を回避するために、我々はどうするべきなのかを説いている本を紹介します。
ところで、Googleブック検索のサービスが日本でも始まっています。
書籍を検索して、ユーザーの興味にあった書籍を見つけ出し購入できる場所や貸出先を案内するサービスです。検索の際に「すべての書籍を検索」 - 「部分プレビューの書籍を検索」 - 「全文表示の書籍を検索」が選択できます。
部分プレビューでは、書名などの検索キーワードを入力するとその検索キーワードに関係し、部分プレビューができる対象の本の表紙カバーの図と書名とその著者名、発行年度、ページ数などの加えて、その本の概要が示されます。
この書籍についてのリンクをクリックするとAmazonのプレビューのような書籍のプレビュー、その本の購入先(ネット書店)、その本が借用できる図書館などがリンクで示され、さらに内容のセクション、選択されたページページなどが閲覧できる仕組みになっています。
ちなみに「地球温暖化」というキーワードで本を検索すると「すべての書籍を検索」で 358件、「部分プレビューの書籍を検索」で153件、 「全文表示の書籍を検索」で0件の本が検索されます。
なかなか便利です。しかし本日紹介する本は、まだインデックスされていませんでした。
本書:「 地球温暖化/人類滅亡のシナリオは回避できるか」です。
本書は、「未来バンク」理事長、「ap bank」顧問ほか、さまざまなNPO活動に携わる著者:田中 優氏にて、2007年6月に扶桑社より扶桑社新書の一冊として発行されています。
なお「ap bank」は、Mr.Childrenの櫻井 和寿氏、音楽プロデューサーの小林 武史氏、音楽家の坂本 龍一氏の3人が作ったバンクで、環境に良い、未来を切り拓くアイデアや事業に融資をしています。
本書の帯には、音楽家の坂本龍一氏が以下の言葉を寄せています。
「省エネルギーや
リサイクルなど
「個人の努力」だけでは生き残れない!
残り時間は
もう10年
もない?」
また本書の帯の裏面には、本文から抽出された以下の内容が掲載されています。
「英国『インディペンデント』紙の予測によると、現在から2.4度の気温上昇で、地球上の生物種の3分の1が絶滅、3.4 度上昇で北極海の氷がなくなり、熱帯雨林は砂漠になる。
5.4度上昇で世界の食糧供給は尽きる。
そして6.4度上昇で海底からメタン・ハイドレートが噴出して「全球蒸発」、地球上のほとんどの生物種は絶滅する――。温暖化はすでに“暴走”を始めてしまったのか? 残されたわずかな時間で、この「破滅のシナリオ」を回避するためには、我々はどうしたらよいかのか?」
本書の「まえがき」で地球温暖化の現実を前に今こそ動き出すべきと以下のように述べています。
「地球温暖化問題は「やっぱり本当のことだった」と気付いた時点で対策をしても遅すぎる。
(略)
日本ではなかなか世界で流れている情報が伝えられない。他国に出かける人は多いのだが、そうした現実を見ようとする人は、多くはない。既に地球温暖化の被害に遭っている人たちは真剣に訴えているというのに、日本ではまだ多くの人が背を向けるようにして「大げさな。あんなのは本当の話じゃないさ」と仲間うちでコソコソ話し合っている。
(略)
現実に温暖化の被害に遭っている人たちがいる。それだけでも動き出すべきではないか。「未来がどうなるのか」の確証がなければ何もしないのでは、水俣病の加害の構図と同じではないか。この悪循環を好循環に変えてみよう。そのためには、たった一人でも、孤独な中でも確信を持つことのできる人が必要だ。同質性依存を乗り越えて動くことのできる人が生まれることが、この社会の方向性を決めるだろう。」
本書の巻頭にグリーンピースジャパンなどから提供されたとする地球温暖化の現状に関わるカラー写真が掲載されています。
地球温暖化について現状からシミュレーション、世界の関連する動向、二酸化炭素の排出量の削減策、家庭に於ける省エネ、環境保護、自然エネルギー社会など幅広く取り上げてあり、内容的にもバランスの取れた地球温暖化問題の啓発書でお奨めの一冊です。




なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 現在は“試合終了”までのロスタイム
第2章 地球温暖化の現実とメカニズム
第3章 石油と戦争と温暖化
第4章 社会の仕組みを変えて、二酸化炭素排出量を減らす
第5章 家庭から二酸化炭素を減らす
第6章 熱の省エネとトクする仕組みの作り方
第7章 自然エネルギー社会のイメージ
第8章 もっと自由に考えよう
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- 2007年07月10日
- 環境保護
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