「気候ターゲット2℃」というのは、本書の『気候変動キーワード集』の用語説明によると「工業化以前と比較して気温上昇が2℃を超えると、地球規模での気候リスクが急激に増大するという研究をもとに、平均気温の上昇を抑える長期目標としてEUが定めた温度。このまま何も対策を行わない場合、複数のコンピュータシミュレーションの結果から、2026年~2060年に2℃を突破すると予測されている。」と本書の帯の裏面に紹介されています。
地球の平均気温が工業化以前に比べて2℃を超えて上昇すると、世界中で、社会や生態系が壊滅的な影響を受けると警告し、2℃突破を阻止する新しい取り組みなどをまとめ提示している本を紹介します。
本書:「 気候変動 +2℃ 」です。
本書は、山本良一先生の責任編集、Think the Earth Projectによる編集、2006年4月にダイヤモンド社より発行されています。また独立行政法人 国立環境研究所が編集に協力とのことです。
本書の帯には、以下のように書かれています。
「まさか?
地球の平均気温が
2℃上がると
世界はこう変わる!
パラパラめくると、
みるみるわかる。
地球温暖化
ビジュアルブック」
本書は、ぱらぱらとめくると、その右側のページに時系列で描かれたCGによる最新のスーパーコンピュータによって計算された地球の平均気温分布図が掲載されています。
これは、世界経済が高度成長を続けるというシナリオのもと、1950年の過去から、また2100年の未来に向けて3年ごとに温暖化の進行について、1900年の気温との差を色分けした平均気温上昇率の地域分布図として150年間の変化を描いています。
赤から黄色になると温度が上昇し、青から白になると気温が下がっていくことを示しています。
このCGによるぱらぱら動画をめくっていくと青、緑から次第に赤のゾーンが増え、赤と黄色だけの手が付けられないカタストロフィ−の世界になるという動画が描かれています。
左側のページには、「地球ヒストリー」と題しての地球温暖化について環境問題に対するこれまでの取り組みや歴史がまとめ解説されています。
さらに「コラム」欄では、「気温上昇1℃、2℃、3℃で何が起こる?」などのテーマを取り上げて解説しています。
そして「温暖化インパクト」では、地球の平均気温が上昇すると起こりうる被害について、1℃上昇から3~4℃上昇するケースまで解説しています。
また「未来を変える取り組み」では、風力発電など自然エネルギーの利用から、森に還し、森から学ぶ自然塾などの実践的環境教育が解説されています。
ここまでで、CGによる平均気温分布図との対比のページが終了します。
さらに「コンピュータシミュレーションによる温暖化予測-結果から何が読み取れるのか-」として、「地球シミュレータ」による計算の概要が解説されています。
また「気候変動研究の未来」として現在、気候変動について科学的にまだわかっていない点と、これからの研究に期待される点などを総括しています。
さらに本書に関わる用語のキーワード集が掲載され、山本先生によるあとがきに続き、先生による「+2℃突破を阻止するための16のアクションプラン」が最後に掲載されています。
本書を読むと、温暖化と気候変動が地球全体に関わり、ここまで顕在化してきている状況において、この問題に誰も無関係では生きられないという時代になってきているということを痛感します。
ダイヤモンド社
山本 良一(編集)Think the Earth Project(編集)
発売日:2006-04-07
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:27477
おすすめ度:


見た目のインパクトだけ

これは真実なのだ、、、

ヴィジュアルで気候変動を知る!(入門編)

パラパラ絵で温暖化を示す
気候変動
地球温暖化
気候変動+2℃
(広告)
シマンテック製品の更新はオンラインで簡単手続き


「ISOの本棚」ページのトップへ!
お探しの本や情報がございませんでしたらこちらで検索して下さい!
スポンサードリンク
なお本書の目次は、以下の内容です。
まえがき
この本の見かた
[地球ヒストリー]
[1900-52] 初めての警告
[1953-55] 大気汚染との戦い
[1956-58] 地球観測時代の幕開け
[1959-61] 二酸化炭素が増えている!
[1962-64] いつでも夢を。高度成長に酔っていた時代
[1965-67] 科学者の連携が始まる
[1968-70] 地球大の意識の芽生え
[1971-73] 『成長の限界』の波紋
[1974-76] 地球の歴史を解き明かせ
[1977-79] 止まらない砂漠化
[1980-82] 「気候ジャンプ」の衝撃
[1983-85] 南極上空にオゾンホール発見
[1986-88] 時代の転換。ニュースになった温暖化
[1989-91] 海を汚したのは誰?
[1992-94] 地球サミット──持続可能な発展の模索
[1995-97] 市民の力と京都議定書
[1998-2000] 過去半世紀で最大のエルニーニョ発生
[2001-03] 100年後の気温上昇
[2004-06] 多発する自然大災害
[温暖化インパクト]
1℃上昇すると、 珊瑚礁が白化する。
1.5℃上昇すると、 水不足人口が急激に増加する。
1.5℃上昇すると、 グリーンランドの氷床が融け始める。
1℃〜2℃上昇すると、 異常気候現象が増加する。
2℃上昇すると、 西南極氷床が融け始める。
2℃上昇すると、 多くの地域が沿岸の洪水で被害を受ける。
2℃上昇すると、 マラリア患者が増加する。
3℃上昇すると、 陸上の生態系に大きな影響が出る。
3℃上昇すると、 海洋大循環が停止する。
5℃上昇すると、 メタンハイドレートが崩壊する。
[未来を変える取り組み]
[1]市民風車 自然エネルギーへの転換。市民が支える風力発電
[2]軽油代替燃料 畑で作る燃料──てんぷら油で車が走る!?
[3]ネイチャーテクノロジー 自然のすごさを賢く活かす
[4]生分解性素材 植物から生まれたプラスチック
[5]海洋温度差発電 小さな南の島がエネルギー大国になる!?
[6]グリーンベルト運動 女性たちの手でアフリカの大地に緑を取り戻す
[7]洪水対策 自然災害に弱い地域を強くする
[8]都市環境の改善 車に依存しすぎた都市生活の見直し
[9]カーシェアリング 「所有」から「共有」へ。人と車の新しい関係
[10]ソーシャルアクション 日本全国770万人の行動と実感
[11]環境情報ツール 宇宙から見た地球を手のひらへ
[12]環境市場の活性化 エコプロダクツの普及が切り札
[13]環境共生型の街づくり 研究、交流、実践。新しいエコ村の登場
[14]実践的環境教育 森へ還し、森から学ぶ自然塾
[コラム]
[1]気温上昇1℃、2℃、3℃で何が起きる? 原沢英夫
[2]温暖化、鳥獣虫魚は知っている! 増田啓子
[3]気候ターゲット2℃ 山本良一
[4]引き返すことのできなくなる時点はいつか 山本良一
[5]“脱6%削減志向”への転換 ピーター・D・ピーダーセン
[6]温暖化と経済損失 岩坂健志
[7]どれだけ歩かなければ世界は一人前になれないのか 西岡秀三
[8]気候変動とうまく付き合う方法 伊藤公紀
[9]気候シミュレーションは未来へのメッセージ 江守正多
[解説]
コンピュータシミュレーションによる温暖化予測 ─結果から何が読み取れるのか─
気候変動研究の未来 まだわかっていないこと、もっと向上できること 伊藤公紀
気候変動 +2℃ キーワード集
あとがき ライオンのたてがみを引っ張る無邪気な子ども 山本良一
参考文献