内部統制に関する本が多数発行されています。新書版とコンパクトながら、充実した内容で、ビジネスパーソンを対象に内部統制の定義にはじまり、構築プロセス、経営者の評価、そして外部監査の内容まで、「何をするべきなのか」を図表など使いながら分かり易く、体系的に解説している本を紹介します。

本書:「内部統制の知識」です。

本書は、著者:町田 祥弘先生(青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科教授。日本監査研究学会幹事、企業会計審議会監査部会および内部統制部会専門委員ほか)にて、2007年3月に日本経済新聞出版社より日経文庫の一冊として発行されています。


本書の帯には、以下のように記載されています。

2007年2月公表

実施基準に

完全対応!!

全上場企業に対して2008年度より導入

内部統制の定義から構築プロセス、経営者の評価、そして

外部監査の内容まで、知っておきたい知識を完全網羅。」

 

また表紙の折り返し部では、本書のポイントについて以下のように紹介しています。

  • 2008年度から金融商品取引法にもとづく内部統制報告制度が開始されます。多くの企業がこの新しい制度への対応を求められています。
  • 本書は内部統制の定義から、構築プロセス、経営者の評価、そして外部監査の内容まで、体系的にやさしく解説しています。
  • 2007年公表の実施基準の内容に完全対応。図表なども使いながら、「何をするべきか」を明確に示します。
  • 内部統制の限界や今後の課題についても紹介しました。


本書の「まえがき」で著者は、「内部統制の時代」について概観して、「会社法」、「金融証券取引法」などの法律だけでなく、これらの法律が規定された背景に、現代の企業社会に不正な財務報告や法令等への違反が相次ぐ状況のなかで、企業のリスクに対する事前対応のスタンスが問われるようになってきたことをあげています。また「企業活動の国際化や変化を背景として、今後、日本においても、経営者が自社の活動にかかるリスクを適切に把握し、自らの責任において自社の業容等に適した内部統制を構築することが重要になっていく」と述べています。
また本書は、一般のビジネスパーソンや学生等を対象に、「内部統制の基礎を解説したもので、喫緊の課題の内部統制報告について、2007-02公表の意見書に基づき、詳しく説明している」と述べています。

本書は、8つの章から構成されています。

[I]では、「内部統制とは何か
として、内部統制の時代的背景とその位置づけなど、また会社法で規定される「内部統制」では何が求められているか、さらに金融証券取引法で求められる「内部統制報告」についてその背景から概要までを解説しています。

[II]では、「内部統制の変遷
として、アメリカにおける内部統制の歴史から、経営者の視点による内部統制に至るまでの概要を解説し、次いでCOSOフレームワークについて、COSOの意味から、その詳細とCOSOフレームワークの展開までを解説し、我が国の内部統制の展開を取り上げ、「監査基準」での内部統制の概念定義、経済産業省の報告書(リスク管理・内部統制研究会による「リスク新時代の内部統制-リスクマネジメントと一体となって機能する内部統制の指針-」などを解説しています。

[III]では、「アメリカにおける内部統制報告
として、「エンロン事件とSOX法」について、SOX法の概要から内部統制報告制度の展開、その見直し(コスト負担への対応、中小企業への対応)の経緯について解説しています。

[IV]では、「内部統制の基本的枠組み
として、「内部統制報告の定義と目的」からその基本的な枠組み等について解説し、内部統制の基本的要素の統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達、モニタリング、ITへの対応などの要素を解説し、さらに内部統制の限界として、「リスクが受容可能なレベルまで低減できるという合理的保証をもたらすもの」とし、その限界について言及し、外部監査の観点で内部統制の評価が行われると、限界は、軽減または解消されると解説しています。

[V]では、「内部統制の構築プロセス
として、内部統制の構築の目的と範囲、財務報告に係る内部統制構築の要点、さらに内部統制構築の事例を交えて、基本的計画と方針の決定、整備状況の把握、把握された不備への対応と是正など解説しています。

[VI]では、「経営者による評価および報告
として、内部統制の評価の意義、範囲などを解説し、各種の内部統制の評価の方法、内部統制報告について報告書の例をあげ解説しています。

[VII]では、「内部統制の監査
として、内部統制監査の意義の解説に始まり、監査計画と評価範囲、さらには内部統制監査の実施の要領や留意ポイントなどを解説し、監査人の報告書の記載事項について解説しています。

[VIII]では、「今後の課題
として、会社法金融証券取引法の関係、企業内の不栄問題への重点の移動、日本企業の内部統制の実務面での課題、内部統制報告への準備のプロセスなどを解説し、「直面する内部統制報告制度への対応を超えた、企業の内部統制に関するビジョンが重要である」と結んでいます。

 

内部統制にまつわる全般的な概要が分かり易く解説されており内部統制に関心があるビジネスパーソンには、内部統制について網羅的に概観できるお奨めの一冊です。

内部統制の知識
日本経済新聞出版社
町田 祥弘(著)
発売日:2007-03
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:4299
おすすめ度:5.0
おすすめ度5 内部統制のコンサイス版の優れもの。

なお本書の目次は、以下の内容です。
[I]:内部統制とは何か
[II]:内部統制の変遷
[III]:アメリカにおける内部統制報告
[IV]:内部統制の基本的枠組み
[V]:内部統制の構築プロセス
[VI]:経営者による評価および報告
[VII]:内部統制の監査
[VIII]:今後の課題

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