ISO9001:2000（JISQ9001:2000）の8.2.1項：「顧客満足」に関係して「顧客要求事項を満足しているかどうかに関して顧客がどのように受けとめているかについての情報を監視すること。この情報の入手及び使用の方法を決めること」が要求され、これに関係してアンケート調査などのビジネス・リサーチを実施されたり、8.4項「データの分析」などに関係しても、統計解析を実施される場合もよくあるかと思います。
ISO関係に限らずこういった統計解析の実務においては、集計・分析作業・グラフ化などの作業は、コンピュータを活用してブラックボックス的にできてしまうかと思います。しかしながらそこから適正で確実な情報を得るためには、統計解析にまつわる専門用語や基本的なしくみについての実務者として十分な理解が必要と思われます。
『マーケティング・リサーチ・ハンドブック』『図解アンケート調査と統計解析がわかる本』、『調査・リサーチ活動の進め方』『アンケート調査のすすめ方』、『上手なネットアンケートの方法』などの著者：酒井 隆氏が統計解析の専門用語やしくみなど128のキーワードについて図表などの例も交えて分かり易く解説している本を紹介します。
本書：「図解ビジネス実務事典 統計解析」 です。
「読んで使える 引いてわかる」
「学生からビジネスパーソンまで使える！」
との副題が付いています。
本書は、著者：酒井 隆氏により、2006年1月に日本能率協会マネジメントセンターより発行されています。
本書の表紙の中央から下部にかけて、度数分布/平均/……/データマイニング/記憶ベース推論などの本書で解説されているキーワード群が取り上げられ、以下のように書かれてあります。
「初歩から最新の技法まで
シンプルに解説」
本書は、最初に統計解析にまつわるキーワードの用語が表題として、次いでその下にその用語の簡単な説明があり、そのキーワードに関係する例の紹介などの図表を含めて内容の解説がされるという構成になっています。用語によっては、短いものでは、1ページから数ページ以上にわたって解説されているものもあります。また各章の終わりには、「統計トリビア」とのコラム欄があり、トピックスが取り上げられてあります。
本書は、13章と資料とから構成されています。資料では、記号表現・数表（正規分布表データなど）が添付されています。
第1章では、「統計の考え方とデータ」
として、統計（statsitics）の語源・由来の話から始まり、統計データの分類、さらに記述統計と推測統計まで5語が解説されています。
第2章では、「記述統計」
として、ここでは、度数分布から「系列範疇法、シグマ値法」まで15語が解説されています。
第3章では、「確率と様々な理論分布」
として、確率、確率の木、2項分布、ポアソン分布、正規分布、から指数分布、その他の理論分布（カイ2乗分布、ｔ分布、Ｆ分布）まで9語が解説されています。
第4章では、「推測統計」
として、中心極限定理、点推定と区間推定の概要、から区間推定、比率推定に必要な標本数まで6語が解説されています。
第5章では、「仮説検定」
として、仮説検定、仮説検定における第1種、2種の誤り、からノンパラメトリック検定、外れ値・異常値の検定まで13語が解説されています。
第6章では、「標本抽出」
として、母集団と標本、標本調査、サンプリング、からエリアサンプリング（ランダムウォーク）、タイムサンプリング、RDD、プラス1まで9語が解説されています。
第7章では、「2変量解析」
として、2変量解析の種類、クロス集計、φ（ファイ）係数、相関比、類似度、非類似度まで8語が解説されています。
第8章では、「多変量解析」
として、多変量解析、重回帰分析、コンジョイント分析、共分散構造分析、AHP（階層化意思決定分析）まで12語が解説されています。
第9章では、「実験計画法」
として、実験やテストから実験計画法（完全無作為計画、乱塊法、ラテン方格計画、直交配列）まで6語が解説されています。
第10章では、「需要予測」
として、需要予測手法の種類に始まり、7つの時系列分析（変動パターン、理論傾向線、移動平均法、指数平滑法、季節変動分析法、自己回帰モデル、カオス時系列分析）、3つの因果関係モデル（重回帰分析、ハフ確率モデル、マルコフチェーンモデル）など12語が解説されています。
第11章では、「オペレーションズ・リサーチ」
として、オペレーションズ・リサーチ、線形計画法、から待ち行列、ゲームの理論までの8語が解説されています。
第12章では、「統計的品質管理とデータマイニング」
として、統計的品質管理（statistical quality control）から、管理図、工程能力指数、生存分析、データマイニング、決定木、記憶ベース推論、ニューラルネットワークモデルまで9語が解説されています。
第13章では、「統計グラフ」
として、棒グラフ、折れ線グラフ、バブルチャート、ハイローグラフ、株価グラフまで8語が解説されています。
初歩から新しい高度な統計解析技法までの統計解析のキーワードが織り込まれ実務的に解説されているので、ハンディーな統計解析の用語事典として活用するのに便利です。
なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 統計の考え方とデータ
第2章 記述統計
第3章 確率と様々な理論分布
第4章 推測統計
第5章 仮説検定
第6章 標本抽出
第7章 2変量解析
第8章 多変量解析
第9章 実験計画法
第10章 需要予測
第11章 オペレーションズ・リサーチ
第12章 統計的品質管理とデータマイニング
第13章 統計グラフ
資 料 記号表現・数表
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- 2007年07月26日
- ＱＣ手法、統計、ＱＣ７つ道具
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