ISO14001:2004(JISQ14001:2004)規格の4.3.3項「目的・目標及び実施計画」において、組織の目的・目標を設定し、レビューするにあたり、『技術上の選択肢』を考慮することが求められています。
すなわち、EVABAT(Economically Vaiable And the Best Available Technology)の考え方に基づく目的・目標の設定になります。
現状において、経済的(コスト面でも)に実行可能な最良の利用可能技術を活用して目的・目標の設定にしっかり反映できるためには、ある程度関連分野の技術の現状を理解しておくことが必要です。
本日は、新エネルギー(:すなわち自然の力を利用したり、今までに使われずに捨てられていたエネルギーを有効に使う地球にやさしいエネルギーのことで、基本的に化石燃料の使用の削減やあらたなCO2の発生を抑える環境特性を備えている)について、分かりやすく解説している入門書を紹介します。
本書:「環境にやさしい新エネルギーの基礎」です。
「よくわかる考え方と実証例」との副題が付いています。
本書は、藤井 照重先生の編著にて、土本 信孝 氏ならびに中塚 勉氏ならびに毛利 邦彦氏の共著にて、2007年2月に森北出版 より発行されています。
本書の帯には、以下のように書かれてあります。
「第一線のエンジニアによる
概論を超えた
入門書
新エネルギーが見えてくる」
本書では、2001年6月の「総合資源エネルギー調査会 新エネルギー部会」の報告のエネルギー区分に基づく供給サイド(太陽光、風力、廃棄物、バイオマスの各発電及び太陽熱、未利用エネルギー、廃棄物、バイオマスの熱利用)と需要サイド(クリーンエネルギー自動車、天然ガスコージェネレーション、燃料電池)に基づいて総括的に解説しています。
さらに最新の分散ネットワークシステム(マイクログリッド)とその八戸市での実証試験プロジェクトも解説しています。また各章の終わりには関連の参考文献が掲載されています。
本書では、新エネルギーに関する技術についての考え方から実証例について多くの図表を用いて分かりやすく解説しています。
地球環境問題の現状から、RPS法(Renewable Portfolio Standard)(「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」)などの動向を説き起こし、初歩から応用までを含む新エネルギーの基本技術の特徴と技術的課題から経済性(投資採算性)を含む最新の関連情報、さらには将来の可能性までについて要領よくまとめてあるお奨めの入門書です。
本書は、9章から構成されています。
第1章では「地球環境問題と新エネルギー」
として、世界のエネルギー消費の動向、環境問題とその推移、環境問題とエネルギー問題の我が国の取組み状況、新エネルギーの現状と課題、その環境性、創エネルギー効果などを解説しています。
第2章では、「太陽エネルギー」
として、その概要から太陽熱の集光・集熱技術、蓄熱技術、アクティブソーラー利用、パッシブ利用、太陽熱発電、太陽光発電などを取り上げその解説をしています。
第3章では、「風力」
として、風力発電の概要と現状から利用、風力発電システムとその導入、課題などを解説しています。
第4章では、「廃棄物エネルギー」
としてその概要から始まり、廃棄物処理、エネルギー変換技術、廃棄物発電などの現状と課題を解説しています。」
第5章では「バイオマスエネルギー」
としてその概要から分類、特性、バイオマスエネルギー活用等の現状、エネルギー変換技術、熱化学的変換技術、生物化学的変換技術などの概要とその課題を解説しています。
第6章では、「未利用エネルギー」
として、これまで利用されていなかった河川水、海水、排熱などから温度差を利用して、ヒートポンプと組み合わせて熱回収する技術の現状と課題などを中心に、雪氷冷熱エネルギーの利用技術とその課題などを解説しています。
第7章では、「需要サイドの新エネルギー」
として、需要サイドの新エネルギーとは、クリーンな一次エネルギーを用いて新エネルギーとしての要件を満たすシステム、設備、機器のことですが、ここではクリーンエネルギー自動車、天燃ガスコージェネレーション、ガスエンジン、ガスタービン、マイクロの各コージェネレーション技術の概要とその課題、更には燃料電池の基礎からその種類と特徴などを解説しています。
第8章では、「分散ネットワークシステム」
として、複数の分散電源を組み合わせて需要家を需給をマッチングさせることで自然エネルギーのもつコストや電力供給の安定性の課題を補完するシステムとしての分散ネットワークシステム(すなわちマイクログリッドと呼ばれるシステム)について、その概要から、目標、経済効果、課題、八戸市での実証試験概要とビジネスモデルなどの分散ネットワークシステムの意義などが解説されています。
第9章では、「新エネルギーの導入と評価法」
として、経済性、省エネルギー性、環境性などの新エネルギーの導入後の評価方法とその手順から新エネルギーの導入計画の進め方について事例を挙げて解説しています。
環境と新エネルギーの関係が理解しやすい
実証例が分かりやすい
環境にやさしい新エネルギーの基礎
なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 地球環境問題と新エネルギー
第2章 太陽エネルギー
第3章 風力
第4章 廃棄物エネルギー
第5章 バイオマスエネルギー
第6章 未利用エネルギー
第7章 需要サイドの新エネルギー
第8章 分散ネットワークシステム
第9章 新エネルギーの導入と評価法
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- 2007年07月31日
- エネルギー・環境問題 | ISO14001
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