「ゲリラ・マーケティング」のカリスマ創始者として、世界中で43の言語に訳され、これまでに1500万部以上を売り上げたベストセラー・シリーズを著書に持つジェイ・C・レビンソンとそのレビンソンのもとでゲリラ・マーケティングのトレーニングを受け、その真髄に最も精通した者だけが許される「マスタートレーナー」の資格をもつウィリアム・リードとが日本向けに、ゲリラ・マーケティング流の発想法から、考え方の神髄を盛り込んだ本として発行しているゲリラ・マーケティングの本を紹介します。
当方のブログでもゲリラ・マーケティングに付いて過去に紹介しています。
ゲリラとなるとこの言葉からして、そもそも敵か味方か不明な状態で戦闘地域の内外に、神出鬼没に小規模な部隊を運用して、臨機に奇襲・待ち伏せ・後方支援破壊等の攪乱や攻撃を行う戦法という世界になりますが、ゲリラ・マーケティングは、決してこのようなイメージではなく、極めて正統的なマーケティング手法で、スモールビジネスに効力を示すのみならず、グローバル・ビジネスでも評価され活用される状況になっています。
本書:「お客の心に飛び込め!」です。
「実践ゲリラ・マーケティング入門」との副題が付いています。
本書は、ジェイ・C・レビンソン氏ならびに ウィリアム・リード氏の共著で、2007年7月に講談社より発行されています。
本書の帯には、以下のように書かれてあります。
「何を「武器」に戦うか?」
「30秒で買う気にさせる」
「最も確実に結果が出る」
世界中で熱狂的な支持を集める
最強マーケティング術に、
日本初の公式ガイド登場。
あなたのUSPがいますぐ見つかる
超実用的「ワークシート」付き
本書のプロローグにも書かれていますが、「マーケティングとは、『売れる仕組みづくりすべて』としてお客様の心に飛び込み、「あの人のあの店から買う」と顧客に思わせ、「必要なときに思い出し」(買いたいと思ったときにイメージし)てもらえる存在になることが『ゲリラ・マーケティングの目標』と述べています。費用対効果比の高い:すなわち「ムダのない」(有効な)リソースと努力で、効果を有効に出すために、リソースとして「時間」、「エネルギー」、「イマジネーション」、「ナレッジ」をベースに、マーケットシェアではなく、『顧客の心のシェア』(マインド・シェア)を獲得することが大切としています。
そしてオンリーワン商品は、上記のリソースを他所と『中味が違う』真似されない存在の商品で、スモールビジネスのゲリラは、ニッチの世界で、大企業に立ち向かっていくというのが醍醐味と述べています。
さらに、極めて東洋的な「融通無碍」のゲリラ的発想に通じれば万能の「自在力」が身につくはずと述べています。このように各所の終わりにカラム欄が設けてあり印象的な書と言葉が紹介されています。
私が印象的だと感じた箇所を2、3紹介します。
・4C(?カスタマー・バリュー(Customer Value:顧客にとっての価値)、?コミュニケーション(Communication:顧客とのコミュニケーション)、?コンビニエンス(Convenience:顧客にとっての利便性)、?コスト(Cost:顧客が払うコスト)の中で、世の中の8割方の企業のマーケティングは、4P(?プロダクト(Product:製品)、?プロモーション(Promotion:宣伝)、?流通チャネル(Place:流通)、?プライス(Price:価格)で動いている。1Cでもできれば、競合他社と差別化できる。
・マーケティング予算の60%は、既存顧客に、30%は見込み客に残る一割を一般のお客に割り振る。一人の既存顧客と継続して付き合っていくことに関わるコストの方が新しい顧客を開拓する費用に比べて6分の1で済むので効率的。すなわち顧客の『生涯価値』を重視し、大切にするため。
・他社より自社をスパイする。これは、ときどき一般のお客に紛れて『エンド・ユーザーに自らなりきり』自社のサービスを体験し、それをフィードバックすることで、サービス向上のきっかけをつかむ。
・「わかる」と「できる」とは、違う。知識として知っているだけでは、身についたとは言えない。自分のものにしてはじめて、活かせる知恵になる。
本書を読んで、
・30秒で興味を失う「移り気なお客」をどう買う気にさせるか?
・マンパワーも資金力も不足しているスモール企業は何を「武器」に戦えばいいのか?
・お客が必要とするときに思い出してもらえる「あの店のあの人」になるにはどうすればいいのか?
など興味深い「ゲリラ・マーケティング」の考え方のエッセンスを学ぶことができます。


なお本書の目次は,以下の内容です。
プロローグ
第1章 お客は無視したがっている!―なぜ75%の新会社が失敗に終わるのか
第2章 30秒で興味を失う「移り気な鳥」に“魅力的なエサ”を!―あらゆるコミュニケーションで相手の心を奪う
第3章 お客の心に飛び込め!
第4章 ゲリラ・マーケティングの行動を開始せよ!
エピローグ
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- 2007年09月24日
- マーケティング
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