企業の活動の社会への役立ちの尺度になるものは利益とすれば、その利益額で二兆円を超えるトヨタ自動車株式会社から学ぶべき点が多数あります。内外からトヨタの強さの中味や源泉について分析し、それらを解説している多数の本も出版されています。
本日は、トヨタの強さを象徴する『トヨタ生産システム』について、入門者向けに平易な表現と図解によりその考え方や手法について解説している本を紹介します。
「かんばん方式」、「ジャスト・イン・タイム」、「カイゼン」、「見える化」、「アンドン」などのトヨタ生産システムのキーワードについてやさしくコンパクトに解説しています。
とくに『トヨタ生産システム』それがどのような経緯で生まれてきたかをまずトヨタの源流に遡り、今日のトヨタを築いた精神風土についても解説しています。
本書:「ポケット図解 トヨタ方式の基本がわかる本 」です。
「トヨタ生産システムの本質」との副題が付いています。
本書は、著者:中野 明氏により2006年7月に秀和システムより発行されています。
本書の表紙の下部には本書の特徴として以下のことが書かれてあります。
トヨタの強さの秘密を理解する!
・トヨタ生産システムの背景がわかる!
・ジャスト・イン・タイムがわかる!
・道具としての「かんばん」がわかる!
・かんばん方式の工夫と手法がわかる!
・標準作業、自働化の実際がわかる!
・見える化の基本がわかる!
本書は、6つの章から構成されています。それぞれのタイトルについて、その要約に続いて解説文が見開きのページの左側に掲載され、右側のページではイラスト、図表、チャートなどでその解説を補足説明するような形式になっています。
とくにトヨタ生産システムにおいてとくに重要なキーワードについては、例えば、「かんばん」など章のテーマに上がったり、幾つかの項目で解説されている内容もあります。
第1章では、「トヨタ生産システムの成立」として、豊田佐吉氏、豊田喜一郎氏の考え方にまで遡り、生産現場における「生産コストを如何に押さえるか」の命題のもと、「ジャスト・イン・タイム(JIT)」と「ニンベンの付いた自働化」の基本戦略が誕生してきた経緯などを解説しています。
第2章から5章までは、『トヨタ基本戦術』について、第2章で「かんばん方式」、第3章で「かんばん方式を実現するための工夫」を取り上げ、第4章では、「標準作業」、第5章では、「自動化 見える化」をテーマとして解説しています。
第6章では、さらに生産システムを継続に改善するための「カイゼン」のテーマが取り上げられるという構成になっています。
そして各章の終わりには、「カラム」欄が設けてあります。
トヨタ生産システムの全体像についてまとまった理解するには、客観的に分かり易く書かれていると思います。
私の現役時代には、トヨタ自動車(株)との仕事上のコンタクトがありましたが、東富士の研究所や材料技術部、設計部門など技術者との会議室等での面会ばかりで肝心の工場は、ほとんど見せて頂く機会は、ありませんでした。
技術者の皆さんには、何らかの会社訪問の機会があった際には、なかなか機密保持とかの面で難しい面はありますが、可能な限り、その会社の現場を見せて頂くことがその会社について学ぶ一番だと思います。
なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 トヨタ生産システムの成立
第2章 かんばん方式
第3章 かんばん方式実現のための工夫
第4章 標準作業
第5章 自働化、見える化
第6章 カイゼン
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- 2007年10月22日
- 経営管理
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