またしてもというか和菓子の老舗「赤福」や食肉加工製造会社「比内鶏」など食品関連会社の不祥事によりユーザーからの食の安心・安全の信頼を損なうニュースが連日話題になっています。複雑な心境ながら手に入らないとなると不思議に赤福を食してみたい気になります。どうやら組織の風土といった商品の品質以前の話になってしまっていますが、この機会に累積してきた全ての膿みを出し切り、なかなか困難かと思われますが新たな再生の道を歩んで欲しいと願っています。
メジャーリーグもプロ野球もサッカー:Jリーグもいよいよ大詰めのチャンピオンが決まる段階に至っていますが、プロ野球のクライマックスシリーズのような短期間のトーナメントだと「勢い」といった要素も大いに影響しているように思われますが、強いチームは、共通して1−0で勝てるような組織的に優れ、攻撃と守備との総合力が優れたチームということになるかと思われます。
企業の競争力を高めるには、総合力の強化が必要で、組織の相対的な特質として営業、技術が攻撃的とすれば、品質、製造というのは、守備的で、守備力を強化するためには、穴があるとそこでレベルが決まるのでバランスのとれた組織的な取組が必須です。
本日は、生産革新の突破口は、「品質つくり込み」にありとして、製造品質に焦点を絞り、製造品質つくり込みとは何か、具体的にどのような考え方で、どのように実践するかを解説している本を紹介します。
とくに品質つくり込みを組織的に実行する能力を、いかにして構築し強化していくかについて70項のポイントを挙げてその実践ノウハウについて解説しています。
本書:「製造現場「品質つくり込み能力」パワーアップ教本」です。
「不良撲滅のための実践ノウハウ」ならびに「 組織的に実行する力をつけ、ダントツの高品質を勝ち取る70項」との副題が付いています。
本書は、エス・ピイ・エス経営研究所の編纂にて、2007年1月に日刊工業新聞社より発行されています。
本書の表紙カバーの下の方で説明されていますが、本書では、品質つくり込みを実行する力:「品質つくり込み能力」の要素を以下の4つの要素とし、それらをピラミッドのように組織的に強化して土台を固め積み上げていくことで『ダントツの高品質』(すなわちppmオーダーのいわゆるシックスシグマレベルの不良率)を獲得するとしています。
1.モノづくりの思想:品質優先の考え方と価値観(品質は工程でつくり込む、ジャストインタイム、人の知恵と改善は無限など)
2.生産マネジメントの考え方:良品条件確保を支援、保証する考え方(現場の自律化、目で見る管理、品質に強い人づくりなど)
3.生産システムの構造:良品条件確保を促進し、強化を図る仕組み(1個流し、小ロット生産、改善が進む仕組みなど)
4.手法・ツール:良品条件確保のための技術・知識・ノウハウ(作業要領書、ポカヨケ、品質パレットボードなど)
本書は、8章から構成されています。その要素となる70項目を取り上げ解説しています。
1項目を見開きの1ページで取り上げ、左側のページには、解説が、右側のページには、イラストや概念図や写真などの図表が掲載され、左のページの説明を補足するという形式になっています。
1章では、「「品質つくり込み」とは」
として、「製造現場における「品質」」の概念の解説から始まり、「品質のつくり込み」は手法ではなくモノつくりの思想で生産システムにおける考え方の転換の必要性までの7項目を説いています。
2章では、「今なぜ、品質つくり込みか」
として、海外移転に伴うコスト評価例などの事例を挙げ、「品質つくり込みは競争力強化の新しい視点」などから「品質つくり込みは生産革新の突破口になる」などの7項目を取り上げ解説しています。
3章では、「「品質つくり込み能力」とは」
として、「品質つくり込みは、組織能力の一つ」から「製造現場の総合力を表す尺度」まで「品質つくり込み能力」の内容について4項目について解説しています。
4章では、「いかに「品質つくり込み能力」を強化するか」
として、モノづくり思想確立、生産マネジメント改革、生産システム改革、手法・ツール活用の各観点からの「品質つくり込み能力」強化のための各アプローチについて後の5章から8章で詳細に解説されているのでここではその概要について解説しています。
5章では、「「品質つくり込み能力」強化のためのモノづくり思想の確立」
として、「品質つくり込み」のコンセプトについて、「組織の価値観として確立」から、「「品質つくり込み」のための能力開発と強い人づくり」までのモノづくり思想確立に関する5項目を取り上げ解説しています。
6章では、「「品質つくり込み能力」強化のマネジメント」
として、「チーム制の導入による生産現場の組織化」から「サプライヤーへの展開支援」、そして「新製品開発段階でのつくりやすさの反映」までの生産マネジメント改革に関わる7項目について解説しています。
7章では、「「品質つくり込み能力」強化のための生産システムアプローチ」
として、「平準化による生産条件の安定化」から「ラインを止める仕組みつくり」まで生産システム改革のための7項目について解説しています。
8章では、「「品質つくり込み能力」強化のための手法・ツール活用アプローチ」
として、「モノと情報についての良品条件」(6Sなど5項目)、「人の作業の良品条件−作業の標準化」(作業要領書(手順書)の作成と使い方など5項目)、「人のスキルの良品条件−スキルップ」(スキルアップマネジメントとはなど5項目)、「設備の良品条件」(管理図、工程能力指数(Cp値)、PM分析など5項目)、「ポカヨケ」(ポカヨケとはなど5項目)、「品質不良発生時の迅速フィードバックシステム」(5回のなぜの習慣など4項目)、「「品質つくり込み能力」評価シート」までの手法・ツール活用について30項目について解説しています。
なお本書の目次は、以下の内容です。
1章 「品質つくり込み」とは
2章 今なぜ、品質つくり込みか
3章 「品質つくり込み能力」とは
4章 いかに「品質つくり込み能力」を強化するか
5章 「品質つくり込み能力」強化のためのモノづくり思想の確立
6章 「品質つくり込み能力」強化のマネジメント
7章 「品質つくり込み能力」強化のための生産システムアプローチ
8章 「品質つくり込み能力」強化のための手法・ツール活用アプローチ
(広告)
- 2007年10月24日
- QC手法、統計、QC7つ道具
- コメント(1)
- トラックバック(0)
1. Posted by 雄三です 2007年10月24日 09:04
おはようございます。雄三です(笑)すごくまとまったすばらしいブログですね。何時も感心してます。一度公告2っ貼ってみてください物を売るよりコムズとJパスポートをはるだけで広告料をくれます。今月12日からコムズとJパスポート2っを貼ったんですがもう22人の方が張ってくれたみたいです。ボーナス6000円も4人発生してるようです。楽ですね物を売るよりか。。。(笑)では失礼します。