品質管理のマネジメント
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『品質管理は、有形のモノのみではなく、無形のモノをも対象としている。』。
この言葉は、少し分かり難いが、製造業で製品の質を対象として、品質管理をエンジニア的な取り扱いをするだけでなくて、サービスの質といった無形のモノも含めて、ノンエンジニア的な対象まで範囲を拡げて活用してもらおうといった観点。
すなわち、製造業のみならず、非製造業も含むすべての分野に品質管理を浸透させ、経営の質向上に役立てるとの視点から、品質管理の意義ならびに手法から始まり、品質マネジメントシステム、環境マネジメントシステム、シックスシグマなどの品質管理マネジメントを取り上げ、分かり易く解説している入門書を紹介します。
本書:「品質管理のマネジメント」です。
「入門ガイダンス」との表題が付いています。
本書は、著者:古殿 幸雄先生にて、2006年6月に中央経済社より発行されています。
同じ著者による「入門ガイダンス 経営科学・経営工学」、「入門ガイダンス 情報マネジメント」の姉妹書の位置づけになります。
本書は、冒頭に紹介したノンエンジニア系の大学等での講義のためのテキストやビジネスマンの基礎知識の習得を意図して構成されたとのことです。
本書は、10章から構成されています。理解のための多数の演習問題が付いています。またガイダンスとしての位置づけから、各章の終わりには、その章に関係する引用・参考文献が付せられています。
第1章では、「品質管理」
として、最初にNBCの放映した番組タイトル:「if Japan Can Do,Why Can't We?」の紹介に始まり、QC→SQC→TQCというQCの変遷が整理され、本書の構成の概要と本書を教科書として用いた場合の講義の目安等が紹介・解説されています。
第2章では、「QCの意義」
として、品質管理の代表的な定義を紹介し、設計品質と製造品質について解説し、品質とコストとの関連、1960~1980年代までの我が国のQCの以下の6つの特徴として、TQC、QCのための教育・訓練、QC監査、統計的手法の活用、QCサークル、全国的QC活動の推進 について概観しています。
第3章では、「QC七つ道具」
として、QC活動を行う上で、データ収集、次いでのデータの要約が必要とし、その方法として図的要約と量的要約のケースがあると説明し、統計的な考え方の解説に続き、QC七つ道具(チェックシーと、ヒストグラム、パレート図、特性要因図、層別、散布図、グラフ・管理図)の各手法について解説しています。さらに統計的方法に用いられる分布についての基本(確率分布、理論分布、標本分布など)を解説しています。
第4章では、「QCの手法」
として、QC手法には、QC七つ道具以外に、新QC七つ道具、検定と推定、実験計画法、品質工学、相関分析、回帰分析、直交多項式、二項確立紙、簡易分析法、多変量解析法、最適化手法、サンプリング法、抜取検査、官能検査法、信頼性工学(FTA、FMEA、ワイブル分布法、累積ハザード紙)、IE手法、OR手法、創造性開発手法、QCストーリーなどの使われる場面を簡単に紹介し、これらの中から特に管理図と抜取検査を取り上げ、解説しています。
第5章では、「デミング経営哲学」
として、デミングの経営原則としての「製品とサービスの品質改善に対する一貫した目的意識を創れ」などの14のポイントについて解説しています。さらに同じくデミングによる「一貫した目的意識の欠如」などの7つの致命的症状といくつかの障害について解説し、さらにTQMの活動にトリガーとなったフォード自動車の経営改革について解説しています。
第6章では、「TQM」
として、品質マネジメントシステムの8原則の解説に始まり、1996年の日本科学技術連盟によるTQM宣言の解説、TQMの概要の解説、マルコム・ボルドリッジ国家品質賞(MB賞)、さらに日本経営品質賞のガイドラインとTQMについて解説しています。
第7章では、「ISO 9000ファミリー規格」
として、2000年以前と以降とを「ISO 9000シリーズ規格」、「ISO 9000ファミリー規格」として、その経緯、概要について解説し、審査登録制度がどのような仕組みで行われているか、認定範囲、セクタ規格の概要などを解説しています。
第8章では、「環境マネジメント」
として、ローマクラブによる成長の限界にはじまり、京都議定書、地球温暖化シミュレーションなどの概要、ISO 14000シリーズ規格の制定の経緯からその体系、世界におけるISO 9001ならびにISO 14001 認証取得件数の推移などを解説しています。
第9章では、「シックスシグマ経営」
として、シックスシグマが誕生した背景からシックスシグマ手法の概要、とくにシックスシグマの目標、シックスシグマの重要な考え方であるCOPQ(Cost of Poor Quality)、CTQ(Critical to Quality)、VOC(Voice of Customer)、QFD(Qualiy Function Development)などの概念の解説と、 シックスシグマの改善サイクルのDMAIC(Define Measure
Analyze Improve Control)、さらにはシックスシグマ活動におけるブラックベルトなどの主要な役割、シックスシグマとTQCとの比較などについて解説しています。
第10章では、「今後の展開」
として、2001年の日本政府による世界最先端のIT国家となることを目指したe-Japan戦略の概要などを解説しています。
なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 品質管理
第2章 QCの意義
第3章 QC七つ道具
第4章 QCの手法
第5章 デミング経営哲学
第6章 TQM
第7章 ISO 9000ファミリー規格
第8章 環境マネジメント
第9章 シックスシグマ経営
第10章 今後の展開
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