循環型社会形成推進基本法(平成十二年六月二日法律第百十号)の定義によると「循環型社会」について以下のように定義されています。
『 この法律において「循環型社会」とは、製品等が廃棄物等となることが抑制され、並びに製品等が循環資源となった場合においてはこれについて適正に循環的な利用が行われることが促進され、及び循環的な利用が行われない循環資源については適正な処分(廃棄物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律 (昭和四十五年法律第百三十七号)第二条第一項 に規定する廃棄物をいう。以下同じ。)としての処分をいう。以下同じ。)が確保され、もって天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り低減される社会をいう。』
(循環型社会形成推進基本法:第二条)
本日は、この「循環型社会」に関する『ごみ・廃棄物問題、3R(リデュース・リユース・リサイクル)』などの100項目のキーワードを取り上げ、分かり易く解説している入門書を紹介します。
本書:「 循環型社会キーワード事典」です。
「100Key Words of Waste Management and 3R Society」 との副題が付いています。
本書は、山本耕平氏を編集代表とする廃棄物・3R研究会 の編纂にて、2007年10月に中央法規出版より発行されています。
本書の「まえがき」でその意図するところについて、循環型社会形成に関係するキーワードを取り上げて、モノの流れの全体を俯瞰する際のインデックスを提供するとの観点からリデュース、リユース、リサイクル及び廃棄物の適正処理に関する主要な制度、技術、事象、製品、人々の活動に着目してキーワードを選定したとのことです。
100項目のキーワードについては、見開きの2ページで2色刷で、写真や図表データなどを多く用いて分かり易く、簡潔に要領よくまとめられています。
本書は、循環型社会の現状について勉強する手頃なテキストとしても、またここから抜粋してISO 14001の4.4.2項:「力量、教育訓練及び自覚」に関わる参考資料として、更には、手もとで参照する中項目事典として等の目的で、幅広く活用できるように思います。
本書は、10章から構成されています。
第1章では、「ごみ問題の背景」
として、『1.ごみの歴史−江戸時代のごみ問題』にはじまり、『10、循環型社会−川下の処理から川上対応への展開』までの10のキーワードが解説され、現状までのごみ問題の社会的な流れと今日の課題について解説しています。
第2章では、「ごみ処理の仕組みと技術」
として、『11.廃棄物処理法』から『23.新しいごみ処理技術−メタン化、炭化などの燃料化』まで、廃棄物に関する法律からごみ処理の仕組み、現状の処理技術などが解説されています。
第3章では、「有害廃棄物の処理と環境保全」
として、『24.ごみ処理施設の公害防止対策』から『30.廃棄物による土壌汚染と修復技術』までの7つの有害廃棄物の処理がどのように実施されているか、また関係する環境保全のための処理技術の現状について解説されています。
第4章では、「循環型社会をめざす法律」
として、『31.循環型社会形成推進基本法と関連法』から『40.その他の法律』までの循環型社会を目指して制定されている各法律ならびに関連法についての制定の背景、概要、特徴などを解説しています。
第5章では、「ごみ問題と地方自治体」
として、『41.ごみ問題と地方自治−自治事務としてのごみ行政と創意工夫』から『49.ごみと環境学習』まで自治体によるごみ行政の実情とこれまでの流れや課題などについて解説しています。
第6章では、「品目別3Rの現状」
として、『50.再生資源業と再生資源の流れ−伝統的な資源化ルート』から『66.食品循環資源の飼料化』まで17のキーワードについて、業種あるいは品目毎の3Rの取り組みの現状と課題について解説しています。
第7章では、「産業廃棄物の現状」
として、『67.産業廃棄物』から『76.廃棄物ビジネスの展望』まで産業廃棄物の処理に関する現状、課題、展望などを解説しています。
第8章では、「循環型社会への潮流」
として、『77.3R-政策の優先順位』から『88.リサイクルショップ』までの循環型社会に関わる我が国のトレンドに関するキーワードを解説しています。『エコプロダクト』、『環境マネジメント』、『ライフサイクルアセスメント』なども解説されています。
第9章では、「国際資源循環の潮流」
として、『89.再生資源貿易の現状』から『94.3Rイニシアティブ』などの国際的なごみ、3Rにかかわるトレンドに関するキーワードが解説されています。
第10章では、「海外の制度」
として、『95.EUの廃棄物規制』から『100.中国の循環法制』までの海外主要国の廃棄物に関する規制のトピックスが取り上げられ解説されています。
なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 ごみ問題の背景
第2章 ごみ処理の仕組みと技術
第3章 有害廃棄物の処理と環境保全
第4章 循環型社会をめざす法律
第5章 ごみ問題と地方自治体
第6章 品目別3Rの現状
第7章 産業廃棄物の現状
第8章 循環型社会への潮流
第9章 国際資源循環の潮流
第10章 海外の制度
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- 2007年11月20日
- エネルギー・環境問題 | 環境保護
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