コスト削減は、企業の収益の向上に直結する重要な取り組み。
そのコスト削減について、「エネルギー運用改善プログラム」(『見えタロー。』ワークショップ):すなわち、徹底した『見える化』、『見せる化』によって、社員のやる気に火をつけるという手法を分かり易く解説している本を紹介します。
とくに経営と現場とのギャップを埋められるよう、経営者の意図と意志を理解し、現場が主体的に活動できるという観点を重視した内容となっています。
現場での電気コストの削減を中心に「電気の見える化」(設備の運用改善)を中心に、その方法を実例を交えながら具体的に解説してしています。
その活動の流れとしては、「問題発見」→「見える化」→「問題可決」→「成果確認」→「成果評価」といったを軸とした活動の流れで、特にその推進力として「モチベーション」の重要性を強調しています。
7つのステップから、現場のやる気に火をつけ、3か月で成果を上げるノウハウを提示しています。
本書:「 コスト削減の“見える化”」です。
「現場が変わる!やる気になる!」との吹き出しの言葉がタイトルについています。
本書は、村井 哲之 氏ならびに杉本 明文 氏の共著にて、2007年10月に日本実業出版社より発行されています。
本書の帯には、以下のように書かれてあります。
「ケチケチしている」「続かない」
「手間がかかる」から
↓
「やってよかった」へ変わる!!
なぜ今、コスト削減なのかという点について、本書の「はじめに」で以下の3つの価値のためとしています。
すなわち、「1.コスト削減には売上伸ばのと同等以上の価値があるため」、「2.コスト削減は、組織においての「経営」と「現場」(「組織」と「人})とのギャップを埋める最善の解決策」、「3.ムダなエネルギーを使わないという、CO2の削減を通じて地球温暖化防止に貢献できるという世界共通の新たなコスト削減の価値」が発見できること」としています。
本書は、5章から構成されています。各章の終わりには、ポイントとしてコンパクトにその章のエッセンスがまとめられています。
第1章で、コスト削減には現状把握が極めて重要とした上で現場のやる気に火をつけて、コスト削減を明るくて、楽しくて、やりがいのあるものとポジティブにとらえられる現場づくりの重要性を説いています。
第2章では、「モチベーション」が成功のカギとし、コスト削減(設備の運用改善)を成功させつための7つのステップ(1.(重要性の理解)ムダを見極め、「コストの最適化を図る」から7.(評価と修正)「報告と評価を”見える化”し、継続実行する」までのPDCA、PDCAAなどの管理サイクル)を詳細に解説しています。ここで活動の見える化シートによりコスト削減について目標立案し、それを目標管理していく展開として解説されています。
第3章では、3か月で成果をあげられるコスト削減の手順とスケジュールとして、3ヶ月の各週で何をどのように進めていくかといった各活動ステップのポイントを解説しています。2章の7つのステップの再度、留意事項が強調されています。
第4章では、「コスト削減の現場から-成功事例の紹介-」として、レジャー業界と小売り業界での成功事例が取り上げられ、解説されています。
第5章では、「コスト削減活動の“エンジン”を回し続けるには」として、コスト削減活動の「2つのルール」:すなわち、「1.サービス(品質)低下につながる活動は一切しない」、「2.働く環境を悪くする活動は一切しない」などコスト削減活動がストップしてしまう活動など“エンジン”を回し続ける上で重要な観点を整理して解説しています。
結びで筆者は、「コスト削減は、「人」を育み「団結」を育み、「風土」を育てるなど「組織」を強くする最高の方法」と述べていますが、強く共感を覚えます。筆者たちの活動実績に基づいて具体的に分かり易く書かれ、説得力があります。
なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 コスト削減は「まず現場把握から」始まる
第2章 コスト削減を成功させるための7つのステップ
第3章 3か月で実現! コスト削減の手順とスケジュール
第4章 コスト削減の現場から-成功事例の紹介-
第5章 コスト削減活動の“エンジン”を回し続けるには
- 2007年11月27日
- 見える化、改善、ムダ取り、ポカヨケ
- コメント(0)