社会保険労務士で人事労務コンサルタントの著者が、ストーリー仕立てで、労働法(労働基準法、労働安全衛生法、労働組合法、労働関係調整法、最低賃金法、賃金支払確保法、雇用対策法、職業安定法、障害者雇用促進法、労働者派遣法、男女雇用機会均等法など2007年10月1日現在の労働関連法令)について楽しくやさしく解説している本を紹介します。
“労基法完全無視”の社長が経営しているどこの町にもありそうな中小企業の田中建設株式会社という架空の会社が本書のストーリーの舞台となっています。
新人OLナナが親友の美和の紹介で、美和の叔父さんの経営するこの田中建設株式会社に入社するところからスタートしています。
そして、労働基準法無視の社長と対決しながら、美和の兄である社会保険労務士に助けられつつ、社内改革に挑むという展開です。
この会社で起こる事件や問題を通して、労働法のキモに触れることができるという構成になっています。
本書:「労働法のキモが2時間でわかる本」です。
本書は、著者:石井 孝治 氏にて、2007年11月に日本実業出版社より発行されています。
本書の帯にも書かれていますが、「『美人募 集』の求人広告は、OKか?」、「休憩時間 にパチンコに行くのは、マズいのか?」、「パートタイマーに有給休暇が必要か?」、「接待ゴルフは、休日出勤になるのか?」、「完全歩合給の制度は、問題がないか?」など労働法に関する身近な疑問を取り上げて、労働法の基本をやさしく解説しています。
募集・採用、解雇、労働契約、労働時間・時間外労働・割増賃金、性差別、休憩時間などの項目から労働基準監督署の立ち入り調査などについても解説しています。
「時間外・休日出勤協定(36協定)」や「労働条件通知書」、「労働契約書」などの書式モデルも紹介されています。
また各章のはじめに法令に関係する4コマのマンガも付いています。
また解説が堅苦しくならないように図表も多く挿入されています。さらに各章の終わりにポイント解説でその章の労働法のキモが要約されるという配慮がされています
本書の表紙の折り返し部に(こんな人にお奨め)とありますが、管理職ならずともビジネスパーソンが知っておくべき基本的内容が実に分かり易く解説されていると思います。
(はじめて労務管理の担当になった人/とりあえず、労働法を勉強しておいた方がいいかなあと思った人/自分の勤めている会社の労働環境が、どうも違法ではないかと思っている人/自分の会社の労働環境がもしかしたら違法ではないかと考えている管理職・経営者/労働法の本を買っても余り読まなかった方/この本を面白そうだと思ってくれた方)
労働法は自分の法律
丁寧な本
総務部の方だけではなく、マネージャーにもお薦めしたい1冊です
すごく読みやすい本
なお本書の目次は、以下の内容です。
第1章 「ウチは"美人"を採用します」…そんなのアリですか?(募集・採用のルール)
第2章 その給料、最初の話と違うじゃん…労働契約のルール
第3章 サービス残業と持ち帰り残業はどちらがお得?…労働時間・時間外労働・割増賃のルール
第4章 休憩時間にパチンコに行くのはマズイのか?…休憩時間のルール
第5章 接待ゴルフや社員旅行は休日出勤になるのか?…休日のルール
第6章 残業が多いヤツは管理職にしてしまえ!?…管理職の労働時間のルール
第7章 釣り三昧のハマちゃんがクビにならない理由…年次有給休暇のルール
第8章 ウチの会社は「完全歩合給」ですけど何か?…賃金支払いのルール
第9章 労働基準法は女性の味方!?…女性雇用のルール
第10章 社長が金庫にしまう秘密のモノ…就業規則のルール
第11章 「クビだ!」と言ったら負けのルール…解雇のルール
第12章 労働Gメンは、窓の灯をチェックする…労働基準監督署の調査の話
(広告)
- 2007年11月28日
- ビジネス、自己啓発、スキルアップ | コンプライアンス、法令
- コメント(0)