トップ・マネジメントのための経営品質講座
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早稲田大学ビジネススクール(経営専門職大学院)寺本 義也教授を中心に早稲田大学経営品質研究所による経営者やマネジャーやスタッフのための「経営品質向上プログラム」の解説書を紹介します。
ところで、「経営品質賞」は、我が国で1996年から創設されていますが、米国の「マルコム・ボルドリッジ国家品質賞」を範としたもので、企業体等の組織の経営の質を評価するもの。
「経営品質向上プログラム」は、組織が提供する製品やサービスの向上という視点に留まらず、継続的に持続的に良い価値を生み続ける組織をつくるために、経営の質をもっと高めようということが経営品質の基本的な考え方で、本書では、その具体的な実践方法を詳しく解説しています。
トップマネジメントが経営の価値や概念の体現者であり、ビジョンや戦略の実践者であることから、トップマネジメントが率先して『経営品質』についての理解を深めることがなにより重要として、トップマネジメントが経営品質向上の意義を多面的に捉え、実践する中から具体的な成果に結びつけるとの観点から書かれています。
本書:「トップ・マネジメントのための経営品質講座」です。
「意思決定への新たな視座」との副題が付いています。
本書は、寺本 義也先生の監修ならびに早稲田大学経営品質研究所 による編著にて、2006年7月に生産性出版より発行されています。
本書の帯には、本書の序章でも強調されている経営品質についての重要なポイントについて、以下のように書かれてあります。
「経営品質の核心は組織品質であり、
最終的には「経営者の質」で決まる。
経営者は単に組織をマネジメントするだけでなく、
組織の価値観を明確化し、それを内外のステイクホルダーに共有し、
実践させるためのリーダーシップを発揮しなければならない。」
本書は、10章から構成されています。2章から9章までの内容は、日本経営品質賞委員会が提供する『日本経営品質賞アセスメント基準書』のアセスメント基準のフレームワークに準拠したもので、2005年度の早稲田大学経営品質研究所の主催する特別研究会の研究活動の成果に基づくとのことです。
各章の末尾には、上記の研究会での会員と講師との間で交わされた質疑応答の内容が掲載されています。また本書の最後に各章に関係する詳細な参考文献も紹介されています。
序章では、「経営品質の理解と実践」
として、日本経営品質賞、マルコム・ボルドリッジ国家品質賞など日米の経営品質への取り組みの経緯から、経営品質に関わる今後の主要課題とその展望が示されています。
第2章では、「トップ・リーダーシップ」
として組織のトップマネジメントによるリーダーシップについて、経営環境の構造変化の流れのなかで、ビジネスモデルの構築と業務プロセスの革新という側面からとらえ、これからのリーダーシップのあり方などを論じています。
第3章では、「戦略的CSRマネジメントと社会貢献」
として、なぜいまCSRなのかに始まり、CSRについて「企業と社会とが健全な発展を遂げるために、企業が不祥事を起こさないようにすると共に、企業を取り巻く利害関係者に積極的に貢献する」との定義を提示し、企業の持つ社会性を企業活動においてどのようにとらえ、いかにマネジメントに取り込むかなどについて論じています。「CSRだけでは、飯は食えない。しかし、CSRなくして飯は食えない」との意味付けに提起をしています。
第4章では、「顧客起点のマーケティング戦略」
として、情報技術重視の伝統的なポジショニングベースの競争戦略の限界について、企業が顧客に対して一方的にリテンションを求める戦略から、同時に顧客が企業に対してパーティシペーションを求める戦略へと転換することが必要とし、その新たな資源性ベースの戦略の必要性、またどのように資源を見極め、そのように醸成すべきかなどを論じています。
第5章では、「経営戦略の本質」
として、勝ち残るために必要な経営戦略の本質について、歴史に学ぶとの観点から、ノモンハン事件、ベトナム戦争など軍事戦略の事例を中心に論じています。さらに戦略思考力をどのように強化するかといった観点も提示しています。
第6章では、「人的資源と高信頼性組織」
として、企業不祥事などの予測不可能な事態が発生したような場合にも適切に対処できる組織のあり方などを含めての高信頼性組織とそのための人材の育成と評価などについて論じています。
第7章では、「プロセス革新によるグローバル戦略」
として、米国型のグローバルスタンダードの限界について述べた上で、マネジメント指向から脱却し、コア機能、ロジスティクス機能、オペレーション機能を有機的にネットワークしたグローバル経営などの21世紀に相応しい独自の経営モデルの構築について解説しています。
第8章では、「情報マネジメント」
として、ビジネスを活動(Activity)の単位に細かく分類し、活動毎のコストを計算する手法である「ABC」(Activity Based Costing)およびそのABCをベースに、活動単位の分析を通してムダな活動を削減し、企業競争力の源泉となる活動に人的資源を継続的に集中させる管理手法の「ABM」(Activity Based Management)を活用して、業務改革や情報システム導入を確実に推進していく考え方を中心に解説しています。
第9章では、「財務的成果の測定と評価」
として、資本市場からの資金調達に関係して、企業は売上高や経常利益の規模だけで優劣が判定されるのではなく、稼ぎ出す価値の大きさによって評価されるとし、これからの日本企業は、株主価値をどのように高めていくべきかについて、財務的な成果の測定とその評価の観点から論じています。
第10章では、「米国における経営品質の最新事情」
として、米国におけるマルコム・ボルドリッジ国家品質賞に関わる現状の取り組みについて審査から企業における取り組みの状況などについて概観しています。
なお本書の目次は、以下の内容です。
序章 経営品質の理解と実践
第2章 トップ・リーダーシップ
第3章 戦略的CSRマネジメントと社会貢献
第4章 顧客起点のマーケティング戦略
第5章 経営戦略の本質
第6章 人的資源と高信頼性組織
第7章 プロセス革新によるグローバル戦略
第8章 情報マネジメント
第9章 財務的成果の測定と評価
第10章 米国における経営品質の最新事情
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