食品工場 安全・安心の品質管理
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消費期限や賞味期限の改ざん、原材料、原産地の偽装、更には、輸入加工食品への農薬の混入事件などの問題が相次ぎ、食の安全・安心を求める消費者のニーズが益々、強くなってきています。
したがって食品業界を取り巻く環境は、ユーザーの厳しい目、原材料コストの高騰、競争激化の中での製品価格の低迷など、さらに厳しい状況になりつつあります。
現況を突破するには、食品工場の徹底した品質管理が重要だとして、新設備や人員の増加は、ままならないとしても、いかに自社工場をマネジメントし、食品安全・安心プログラムを構築し、運営すれば良いかについて、分かり易く解説している食品工場の品質管理の入門書を紹介します。
食品工場の品質管理は、安全・安心の管理であるとして、食品工場に求められる品質管理の基本から工場の現状を把握するための見える化、食品安全・安心プログラムとしてのFSMS(本書では、FSMSとは、ISO22000、HACCP、AIB、SQFなどを指しています)の構築と運用、さらに従業員の教育やクレーム対応の進め方についても、多くの事例を交えて詳説しています。
本書:「食品工場 安全・安心の品質管理」です。
本書は、著者:高橋 賢祐 氏にて、2008年3月に日本能率協会マネジメント 出版情報事業 より発行されています。
同社の[実務入門]シリーズの一冊になります。
本書の表紙には、以下のように書かれています。
「待ったなし!
『現状の工場』
改善ノウハウ
ISO、HACCPの活用を詳説
- 自工場の見える化
- 安全・安心プログラムの4ステップ
- 作業の区分けと内・外部の区画づくり
- 従業員の衛生教育プログラム
- クレームへの対応、リコールプログラムの運用
- 豊富な改善事例
本書は、13章から構成されています。各項目について、見開きの2ページで、右側のページでは、その項目の解説文が、そして左側のページでは、イラストなどの図表が掲載され、解説文を補完するという構成になっています。
また各章の終わりには、COLUMN欄が設けられ、トピックスが取り上げられています。
以下に各章の概要について紹介します。
第1章では、「食品の品質管理とは何か」
として、1-1:「食品の品質管理は「安全・安心の管理」で、品質管理の原則とは、無駄、無理、ムラの「3ム」をなくすことだが、食品の品質管理では、さらに「安全・安心の管理」を伴うなどをはじめとして、1-7:「品質管理は稼働中の工場でもできる」まで食品業界の動向と食品の品質管理との関係などを解説しています。
第2章では、「日本の食品工場の実態」
として、2-1:「日本の食品製造業の現状」から2-5:「なり手がいない食品工場の工場長」まで現在の食品工場が抱えている課題について総括しています。
第3章では、「食品工場に求められる品質管理の基本」
として、3-1:「食品ゆえの管理の特徴」から3-5:「衛生管理を製造工程と工場施設の関係から見る」まで、食品工場ならではの物理的、化学的、生物的なハザードの問題や、一般衛生管理に関わる衛生標準作業手順(SSOP)、衛生的な管理基準に基づくゾーニングなどの基本について解説しています。
第4章では、「まずは工場の現状を知ろう」
として、4-1:「知っているようでしらないのが自分の工場」から4-5:「取り上げる問題を『見える形』にする」までにおいて、自社の工場の実態についてクレーム数からクレームの原因究明、モニタリングの結果、KJ法、パレート図、特性要因図を用いて問題点を『見える化』していく方法の一端について解説しています。
第5章では、「食品安全・安心プログラム「FSMS」を導入しよう」
として、5-1:「食品安全・安心メネジメントプログラムとは」から5-6:「マネジメントシステムの手法を知る」までにおいて、食品安全・安心マネジメントプログラム(FSMS)について、ISO22000、HACCP、業界毎に構築されたプログラム(AIB、SQF)、企業で独自に構築されたものを取り上げその仕組み、特徴やマネジメントシステムの手法などを筆者流の視点で解説しています。
第6章では、「食品安全・安心プログラムに取り組もう」
として、6-1:「プログラムを始める前に」から6-6:「QMS・FSMSで製品設計を行う」までにおいて、上記のどのFSMSを構築するかは自社の目的に応じて身の丈に合ったFSMSを選択するとしてその大まかなステップについて4段階などで構築していく流れなどを解説しています。
第7章では、「安全プログラムのための「ハ―ド」の整備をしよう」
として、7-1:「なぜハードの整備が必要となるのか」から7-7:「整備の最初は2Sから」までにおいて、一般的衛生管理に関わる建物、給排水設備、換気設備、エネルギー補給設備などのハード周りの整備について解説しています。
第8章では、「効果を最大限引き出すプログラム構築法」
として、8-1:「責任と権限を見える形にする」から8-5:「見える5Sを行う」までにおいて、FSMSの運用上のポイントについて解説しています。
第9章では、「従業員の衛生教育プログラム」
として、9-1:「衛生教育プログラムとは」から9-6:「教育プログラムを妨げるものとは」までにおいて、衛生教育プログラムの必要性から、具体的な教育の例からその効果的な方法などについて解説しています。
第10章では、「FSMS運用のポイント」
として、10-1:「試運転を行う」から10-7:「FSMSにかかわるコストの考え方」までにおいて、FSMSの運用上のレビュー、記録の管理、監査、内部・外部コニュニケーションなどの留意ポイントについて解説しています。
第11章では、「クレ―ムの活用」
として、11-1:「クレームと見える対応」から11-5:「誰もが納得する報告書の書き方」までにおいて、見える対応、クレーム処理の流れ、クレームについての再発防止のための原因の究明、改善手順などクレームの再発防止のための活動のポイントを解説しています。
第12章では、「リコ―ルプログラムとリスク評価」
として、12-1:「リコールプログラムに求められること」から12-4:「これから必要になるリスクマネジメント」までにおいて、リコールプログラムの手順、運用のポイント、リスクマネジメントの概要等を解説しています。
第13章では、「食品工場の改善事例」
として、13-1:「知識不足は改善方法を間違える」から13-6:「改善を成功させるためには?」までにおいて、食品工場で求められる改善のポイントについて事例を挙げて解説しています。
食品工場の安全・安心に関わる品質管理について、分かり易いイラストやフロー図などを用いて実務的に解説した入門書です。
食品工場において、安全・安心に関わる改善活動の必要性を感じておられる工場長、現場リーダーなどを含めた関係者には、本書から参考となるヒントが得られるかと思われます。
ただし、本書で、誤植かと思われますが、ISO22000:2005規格について、2007年の発行との記載となっていたり、FSMS(Food safety management systemsと思われる)が食品安全・安心プログラムと命名されていたりと少し違和感がある箇所が散見されました。
なお本書の概要目次は、以下の内容です。
第1章 食品の品質管理とは何か
第2章 日本の食品工場の実態
第3章 食品工場に求められる品質管理の基本
第4章 まずは工場の現状を知ろう
第5章 食品安全・安心プログラム「FSMS」を導入しよう
第6章 食品安全・安心プログラムに取り組もう
第7章 安全プログラムのための「ハ―ド」の整備をしよう
第8章 効果を最大限引き出すプログラム構築法
第9章 従業員の衛生教育プログラム
第10章 FSMS運用のポイント
第11章 クレ―ムの活用
第12章 リコ―ルプログラムとリスク評価
第13章 食品工場の改善事例
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