作業標準
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作業標準とは、「作業条件、作業方法、管理方法、使用材料、使用設備その他の注意事項などに関する基準を集めたもの」(旧 JIS Z 8101)との定義。
製造作業における製造の設備、加工条件、作業方法、使用材料、管理方法などの標準をまとめて作業標準と読んでいます。(製造仕様書などの『製造技術標準』、作業要領書などの『製造作業標準』、製造指示票などの『作業指示書』などからなります。)
作業標準は、品質の安定、能率の向上、仕損の防止など品質管理・原価管理・安全管理・工程(納期・量)など、すべての管理の基礎として最も大切な役割を果たすべき位置づけのものです。
しかし往々にして、作業標準は、作成されてはいるものの“使われない、維持されない、具体的でない ”といった作業標準であったりします。
本日は、この作業標準について、その基礎的事項から作成,教育徹底・活用段階のポイント、さらには、多職種・多業種での工夫をみながら諸管理の目的をバランスよく果すための工夫や効果の上がる作業標準作りまでを分かり易く解説している本を紹介します。
本書:「作業標準」です。
本書は、名古屋QS研究会の 編にて、2001年3月に日本規格協会から、『実践 現場の管理と改善講座』[改訂版]の第1巻として発行されています。
本書の「まえがき」で本シリーズの編集委員長でもあり、本書の執筆者の一人でもある澤田 善次郎 先生が作業標準の位置づけについて、以下のように述べています。
「作業標準は、すべての管理、つまり品質管理・原価管理・工程(納期・量)などの基礎作りに最も重要なものである。
技術者が決めた作業標準に従って作業するだけだった時代から、作業者自身が作業標準の目的・目標を理解してその作成に参加し、それを十分身に付けて実施し、自らその結果と過程を確認し、維持改善していくことが求められる時代となった。つまり自主管理の時代となったのである。さらにこれからは、自主経営(職場経営)の時代になるであろう。働く人が職場の経営に参画する、つまり現場の管理・監督者が職場経営者としての役割を果たすための作業標準が求められるようになるであろう。」
共感できる言葉です。今日、現場リーダーには、益々経営的な視点での役割が求められる状況となっていると思われます。
本書は、1章から5章までの作業標準の基礎的事項から作成,教育徹底・活用段階のポイント等を解説している基礎編と6章から10章までの多職種・多業種での工夫をみながら諸管理の目的をバランスよく果すための工夫等を解説している応用編とから構成されています。
全般的にイラストなどの図表が多用されていて具体的で分かり易い構成となっています。
実務に活用できる作業標準に関わる各種の様式や作成事例のサンプルや各種の計画書、報告書などの参考となる事例が多数紹介されています。
各章の内容をざっと紹介します。
<<基礎編>>では、
1.では、「作業標準とは」
として、作業標準の概要について、歴史的な経緯も交えて、なぜ重要であるか、作業管理のステップ、作業標準の目的・用途・対象、作業標準が満たすべき15の要件、管理体系図に基づく作業標準の管理体系等について解説されています。
2. では、「作業標準作成のポイント」
として、すでに製品が生産されているという前提のもとで、作業標準をどのように作成するかの作成手順について解説しています。QC工程表についてその作成の手順とポイントとQC工程表式の作業標準の例を示しています。また作業標準の体系、作業標準の様式の工夫ポイント、さらに作業標準を分かり易く書くコツと工夫についても解説しています。
3. では、「作業標準の教育徹底活用のポイント」
として、作業標準の教育徹底の工夫及びそのポイントから、活用面での工夫、順守状況の確認方法、維持・改訂と管理方法、さらに作業管理が定着しない原因があれば分析して継続的に改善していく重要性を強調しています。
4. では、「作業標準と管理・監督者の役割」
として、作業標準について管理・監督者がどのような役割を果たすべきか、とくに作業標準書を育てるといった観点からの心構えなどを説いています。
5. では、「作業標準の自己診断」
として、職場の作業標準について自己診断して改善をどのように進めるかについての手順から自己診断チェックリストが例示されそれらを活用方法などを解説しています。
<<応用編>>では、
6. では、「管理のポイントと作業標準」
として、管理・監督者に求められる管理項目について、その設定上の留意点、管理水準の検討、とくに原価を下げ、7章以降の内容にも関係していますが、品質を向上し、納期を厳守し、生産期間の短縮、在庫の適正化など利益の拡大、安定化との関係について総括しています。
7. では、「品質向上と作業標準」
として、現場の管理・監督者の立場からの初期管理、初物管理、苦情・異常管理、ポカヨケ対策、検査、JIS工場審査、ISO9000'Sなどと作業標準化の工夫について、例示しながら解説しています。またこの章の終わりには、「目視検査作業における見落としと眼球運動」とのテーマでコーヒーブレイクの興味深い解説があります。
8. では、「原価低減と作業標準」
として、生産活動全体に関わる原価低減対策について整理した上で、原材料費低減、労務費低減、経費低減との関係及び作業標準と標準時間などについて解説しています。
9.では、「その他の諸管理と作業標準」
として、設備保全、安全管理、事務作業などの管理手順と作業標準との関係について解説しています。また販売業・サービス業などの作業標準の事例について解説しています。
10. では、「これからの作業標準とその管理のあり方」
として、工場管理の強固な基礎として作業標準を作り上げるために『ハードウェア』、『ソフトウェア』、『ヒューマンウェア』の充実が大切とし、これからの作業標準について、作成段階及び徹底・活用段階での道具立てと知恵について展望しています。
製造現場の諸管理の基礎となる作業標準について、その基本的事項から始まり、作業標準の作成,教育徹底・活用段階のポイントなどについて事例に基づき分かり易く解説されています。また多職種・多業種での作業標準の活用の工夫のヒントや効果の上がる作業標準作りの手順までが分かり易く解説されています。
本書は、“使われない、維持されない、具体的でない ”作業標準などの問題を感じておられる方をはじめ改善に強い意欲を感じておられる現場責任者には、お奨めです。
なお本書の目次概要は、以下の通りです。
---基礎編---
1. 作業標準とは
2. 作業標準作成のポイント
3. 作業標準の教育徹底活用のポイント
4. 作業標準と管理・監督者の役割
5. 作業標準の自己診断
---応用編---
6. 管理のポイントと作業標準
7. 品質向上と作業標準
8. 原価低減と作業標準
9. その他の諸管理と作業標準
10. これからの作業標準とその管理のあり方
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