試験・計測器管理
スポンサードリンク
計測とは?
計測の用語について、JIS Z 8103:2000:「計測用語」では、以下のように定義しています。
『特定の目的を持って物事を量的にとらえるための方法・手段を考究し、実施し、その結果を用い所期の目的を達成させること』
検査・試験において、計測の信頼性を得る上で試験・計測器管理は、重要なポイントになります。
またISO 9001:2000規格の7.6項:「監視機器及び測定機器の管理」において監視機器及び測定機器の管理についての以下のような要求があります。(要求項の一部)
測定値の正当性が保証されなければならない場合には、測定機器に関し、次の事項を満たすこと。
a) 定められた間隔又は使用前に、国際又は国家計量標準にトレース可能な計量標準に照らして校正又は検証する。
そのような標準が存在しない場合には、校正又は検証に用いた基準を記録する。
b) 機器の調整をする、又は必要に応じて再調整する。
c) 校正の状態が明確にできる識別をする。
d) 測定した結果が無効になるような操作ができないようにする。
e) 取扱い、保守、保管において、損傷及び劣化しないように保護する。
この要求項の肝となるのは、測定値の正当性が保証されなければならない場合に正確な計測ができていることを保証できるかと言う点で、正確な計測ができていることを上記の校正又は、検証で実証できるかということにあります。
さて本日は、試験・計測器管理について、その選定・購入時、校正、識別・登録、保管取り扱い、点検、異常時の処置等のポイントを分かり易く解説している本を紹介します。冒頭の計測の定義は、本書からの引用になります。
上記の計測器の管理に加えて、計測の不確かさ、計測のトレーサビリティについても解説しています。
本書:「試験・計測器管理」です。
本書は、名古屋QS研究会の編集にて、2001年8月に日本規格協会から発行されています。
本書は、同社の「実践 現場の管理と改善講座」のシリーズの第9巻になります。
本書は、基礎編(1~4章)並びに実務編(5~11章)から構成されています。
本書でも、当シリーズの他書と同様、多くのイラストが挿入され、分かり易い説明となっています。またすぐに実務に活用できる各種の関連帳票類が参考として掲載されていて参考になります。『コーヒーブレイク』として、計測にまつわるトピックスが3件取り上げられ挿入されています。
(基礎編)では、
1章では、「計測と計測器」
として、冒頭で紹介した「計測とは」に始まり、計測器、SI単位といった計測と計測器の基礎部分を概観するという内容になっています。またISO 9001:2000規格の7.6項の要求事項が取り上げられ、かみ砕いて丁寧に解説されています。
2章では、「計測の不確かさ」
として、計測の不確かさがどのような要因から生じるかを整理し、その事前把握のもと計測器の選定、計測環境条件の整備、計測者の選定や訓練を行うことの重要性を強調しています。またJIS Z 8401:1999:「数値の丸め方」に基づく、数値の丸め方について解説しています。
3章では、「計測器のトレーサビリティ」
として、ISO 9001:2000規格の7.6項のトレーサビリティについて解説した上で、国家軽量標準へのトレーサビリティについて計量法トレーサビリティにおける軽量標準等について解説しています。
4章では、「計測器管理文書」
として、計測器管理のプロセスの確立とその管理手順の文書化について解説しています。「計測器管理規定」に相当する管理文書を作成する上で、どのような内容を織り込んで作成するかを解説し、計測器管理規定のサンプルを示しています。
(実務編)では、
5章では、「計測器選定・購入時のポイント」
として、時系列的な「計測対象の明確化」→「計測対象に適した計測器の選定」→「購入」→「受入検証」との各ステップについて留意すべきポイントを解説しています。
6章では、「計測器の校正・登録時のポイント」
として、選定購入した計測器について、使用に供する前に構成し必要な精度を保証できることを実証するとの観点から、計測器の校正・登録のポイントを解説しています。校正とはに始まり、校正の種類、計測器の精度管理のランク付け、校正の手順に含めるべきポイント、校正不具合時の処理、校正記録、計測器の識別管理、登録管理などのポイントを関連の帳票例などを交えて解説しています。
7章では、「計測器の取扱い・保管・点検時のポイント」
として、計測器の校正状態を適切に維持できて、また計測結果を無効にすることがない操作や取扱や保管、さらには標準器の管理、計測器の点検のポイント等について計測器点検表などの例を交えて解説しています。
8章では、「計測器の異常管理」
として、購入時の受入検査、あるいは、校正・点検時に見つかった異常に対する管理のポイントを解説しています。
9章では、「限度見本管理のポイント」
として、検査・試験において合否判定の比較基準として用いられる限度見本について解説していています。適切な限度見本の選定、登録管理、保管管理、妥当性の再評価などのポイントについて解説しています。
10章では、「レンタル計測器の管理」
として、レンタルして短期間用いるような計測器についてどのような方法で行うことが必要かを解説しています。
11章では、「計測器管理者の能力と資格認定」
として、計測器管理に関係する「選定者」、「検査員」、「校正者」などについてどのような能力が必要でそれをどのように認定し、能力を保証するかなどの計測器管理者の能力と資格認定のポイントを解説しています。
測定値の正当性の保証が求められる計測器について計測器の管理が適切さを欠くと監視・測定自体が無意味になり、製品の大きなクレーム等につながってしまう懸念が生じます。
計測器の管理は、品質保証において極めて重要な位置づけになりますが、一般に組織の中では、往々にして地味に取り上げられていたように思われます。
今日では、計測器自体にもマイコンが組み込まれ、システム化、ソフトウェアによる自動化が進み、中味の動作原理等をほとんど理解していなくともそれなりの計測ができるようになってきています。いわゆるバカチョン化が進んでいます。
しかしながら複雑になってもその計測器としての基本部分は、変わらないように思います。
したがって計測器の管理の基本も変わりません。
本書は、計測器の選定・購入時、校正、識別・登録、保管取り扱い、点検、異常時の処置などの計測器管理の基本ポイントについて実務的に分かり易く解説をしています。現場における計測器管理の実務に役立つ一冊です。
なお本書の概要目次は、以下です。
---基礎編---
1. 計測と計測器
2. 計測の不確かさ
3. 計測器のトレーサビリティ
4. 計測器管理文書
---実務編---
5. 計測器選定・購入時のポイント
6. 計測器の校正・登録時のポイント
7. 計測器の取扱い・保管・点検時のポイント
8. 計測器の異常管理
9. 限度見本管理のポイント
10. レンタル計測器の管理
11. 計測器管理者の能力と資格認定
(広告)
お探しの本や情報がございませんでしたらこちらで検索して下さい!
スポンサードリンク





