マインドマップ(Mind Map:英国Buzan Organization Ltd.の登録商標)は、脳の持つ潜在能力をフルに活用するためのトニー・ブザン(Tony Buzan)が提唱した、図解表現技法。
脳の中で展開された思考をそのまま紙に描く視覚的なノートで、表現したいテーマやトピックスについてセントラルイメージを図の中央に置き、そこから直接メイン・ブランチを伸ばして、そのテーマに関わる主要な考えを放射状に展開してサブ・ブランチを伸ばしてテーマを掘り下げながら繋げていくことで、発想を延ばしていく図解表現技法。
このように木の枝状に思考の連鎖をつないでいくことで幅広く深い思考力、更には創造的思考力が引き出されるもの。
脳の左脳、右脳の両方が働き相互に強化し合って、その相乗効果で脳全体の創造的生産性が高まり、たった1%しか使っていないと言われる脳の潜在能力を紙とペンだけで引き出す思考法。
本日は、発明者のトニー・ブザンが働く人をターゲットに仕事に活かすマインドマップとの観点から、マインドマップの基本から特に仕事の色々の局面での活用までを解説している本を紹介します。
トニー・ブザン公認のオフィシャルマインドマップブックになります。
本書の「はじめに」で本書は、次のようなことに役立つとしています。
- 完璧な計画を立てる
- 内なる創造的天才を呼び覚ます
- 問題に対して見事な解決策を見出す
- プレッシャーの中で事実を正確に思い出す
- チームの意欲を高めて成功に導く
- ワーク・ライフ・バランスを実現する
- 仕事を愛する
こういった事項の一端が本書での活用事例に取り上げられています。
本書:「仕事に役立つマインドマップ」です。
「眠っている脳が目覚めるレッスン」との副題が付いています。
本書は、トニー・ブザン(Tony Buzan)による原著:「MIND MAPS at WORK」を神田 昌典 の監修ならびに 近田 美季子 氏の翻訳にて、2008年5月にダイヤモンド社より発行されています。
本書の帯には、以下のように書かれています。
仕事ができる人は、
「落書き」がうまい
用意するのは、紙とペンとあなたの脳だけ
”思考の地図化”が、脳の潜在能力を
フル稼働させる!
マインドマップR=脳を活性化させる「落書き」のテクニック
たった1%しか使っていないと言われる脳の潜在能力を
紙とペンだけで引き出す新しい思考法です。
「記憶力」、「交渉術」、「ストレス」、「チームワーク」など
ビジネスのあらゆる場面で効果を発揮します。
最初に本書の解説に関するカラフルな8枚のマインドマップの事例が掲載されています。
本書は、8章から構成されています。
第1章では、「無限の創造力を解き放つ」
として、マインドマップについて、どのようなもので、どのような効用があり、どのように描くかなどの基本的事項について解説しています。自己紹介のマインドマップの事例を取り上げ、自分のスキルについてどのようにマインドマップを作成するかの手順を解説し、作成上の留意ポイントやマインドマップを用いて想像力を発揮する局面、方法について解説しています。
第2章では、「マインドマップで問題解決」
として、職場での問題解決にマインドマップを活用する方法を解説しています。書店の店長が顧客と販売アシスタントとの間で生じたトラブルにどのように対処するかの事例をはじめ交渉術にまつわる問題、サポートシステムの構築、マスターマインドグループの編成など職場の問題を解決するためのマインドマップをどのように活用するかのポイントが解説されています。
第3章では、「プランニング、時間管理、記憶力アップ」
として、事業計画書などの計画に関するマインドアップの活用、TEFCAS(Trial(試行)、Event(実行)、Feedback(フィードバック)、Check(チェック)、Adjust(調整)、Success(成功))とマインドマップとを併用した目標管理の方法を解説しています。そして、マインドマップを使って予定を立て、スケジュールを管理する方法、とくにこの方法は、短期と長期の両方の視点で全体像を見ることができる従来の計画方法が持つ課題を解決できるとしています。さらに学習と記憶との観点から、マインドマップを資格試験等での記憶力の向上に活用するなどが解説されています。
第4章では、「進化の勢いに乗る」
として、環境の変化に適応するために企業もそこで働く社員も進化し続けることが必要とし、マインドマップを描くと最新情報が把握できるとし、希望するキャリア・パスにおける現在地、最近の市場動向、顧客の期待から見た会社の現状がわかると述べています。成功の鍵となる要素を検討するためのマインドマップの活用法、自分自身の消費行動から顧客としての自分を理解するとの視点、自分自身の自己実現を果たすためのマインドマップによる現状把握から行動。求職活動、面接術、企業の社会的責任、ブランディング、技術と変化、カスタマーエンパワーメントといった身近な問題から、企業のビジョンに関する内容までのマインドマップの活用の視点が解説されています。
第5章では、「チームを成功に導く」
として、リーダーとしてリーダーシップを発揮してチームを成功に導くためのマインドマップの活用方法について解説しています。とくにマインドマップとTEFCASを組み合わせた手法について重点解説しています。ここでは、自身のリーダシップ分析にはじまり、自分自身を管理すること、チームを率いる、危機管理、会議の危機、コミュニケーション、効果的な権限委譲、TEFCASの実践、顧客の管理、ライバル会社をマインドマップに描く、顧客のフィードバックをマインドマップに描く、オフィス環境を管理するといった実務的な視点からリーダーシップを発揮するためのマインドマップの活用を解説しています。
第6章では、「いじめを克服する」
として、職場において発生するいじめの問題について、どのようにすれば解決できるかといった観点からマインドマップの活用について解説しています。いじめる側が抱えている問題に着目し、職場におけるいじめについて、要因分析からその本質、いじめがもたらす影響、できる社員は仕事をし、できない社員はいじめ行為に走るとの視点から、いじめる人をマインドマップに描き、その対処法を分析しています。
第7章では、「プレゼンテーション力」
として、プレゼンテーションで重要な決め手となるのは、いかに相手の記憶に残るかと述べ、マインドマップを活用することで色鮮やかなプレゼンテーションとして相手に有益な情報を伝達できるとしてそのためのポイントを解説しています。基本情報を明確にしておくなどからはじまり、プレゼンテーションのマインドマップ、練習、小道具、PCで作成するマインドマップ、研修用のマインドマップ、「ノートに記すべき」ノート術など生産性の高い会議をマインドマップを役立て運営するポイントを解説しています。
第8章では、「ワーク・ライフ・バランスの実現」
として、仕事と私生活の両立の観点で雇用主の視点から、チームワーク、育児、ストレスの軽減、健康維持、在宅勤務、在宅ビジネスで成功するためのヒントなどのテーマについてワーク・ライフ・バランスの実現のためのマインドマップの活用について解説しています。
最後に監修の神田氏が解説および本書の推薦のことばをを記しています。
本書では、マインドマップの活用について、セントラルイメージからどのようにメイン・ブランチを展開し、さらにサブ・ブランチを展開していくかといった詳細な技法について具体例を交えて解説しているので、他の解説書(「ザ・マインドマップ」(「ISOの本棚」でも紹介)よりも実務的に作られていると思います。
本書は、マインドマップのビジネスからプライベートまでの活用に関心がある人には、お薦めです。
確かにそう思います
ブランチの上に乗せる単語の参考書としてはいいかも
実践的、ケース掲載中心の応用本
最近で一番のマイブーム
なお本書の概要目次は、以下の内容です。
はじめに
第1章 無限の創造力を解き放つ
第2章 マインドマップで問題解決
第3章 プランニング、時間管理、記憶力アップ
第4章 進化の勢いに乗る
第5章 チームを成功に導く
第6章 いじめを克服する
第7章 プレゼンテーション力
第8章 ワーク・ライフ・バランスの実現
解説――10年間に、1冊の本しか読んではならないとしたら……?
- 2008年05月28日
- ビジネス、自己啓発、スキルアップ
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