企業価値向上のための事業継続マネジメント
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BCM (business continuity management:事業継続マネジメント)は、地震、火災、テロ、大規模なシステム障害等のそのリスクの発生可能性は低いとしても、万が一、発生した場合には、組織の存亡にも関わる大規模な脅威が発生するような事態においても、企業がいかに事業の継続を図り、取引先に対するサービスの提供の欠落を最小限にするかを目的とする経営管理手法になります。
BCMは、今日では、企業の重要な経営戦略であるリスクマネジメントの1部となっており、企業の経営戦略上、企業が社会的責任を果たし、企業価値を高める上でも必須のものとなってきています。
BCMの仕組み構築の流れとしては、始めにビジネスインパクト分析(BIA)を行い、自社の業務プロセスが抱えるリスクとその影響を把握します。次いで、そのうえで優先的に復旧すべきプロセスとそれに必要な設備やシステムを明らかにし、目標復旧時間の設定や復旧手順を計画していきます。さらにそれに基づいてBCP(business continuity plan:事業継続計画)を策定する。といった枠組みで、BCP(事業継続計画)の策定から、その導入・運用・見直しという継続的改善を含むPDCAマネジメントシステムになります。
BCMSの関連規格としては、英国規格の「BS25999:Part1:Business continuity management. Code of practice:事業継続マネジメントのための実践規範」(2006/11)、「BS25999:Part2:Specification for business continuity management:BCMの仕様」(2007/11)などがすでに規格化されています。
BCMSについて、JIPDEC(日本情報処理開発協会)でもBCMS認証を検討中でこれは、英国規格を用いるものからスタートするようです。
ISOでもBCMSについて、すでにPAS(Publicly Available Specifications:一般公開仕様書)が発行されています。(ISO/PAS 22399:2007:「Societal security - Guideline for incident preparedness and operational continuity management:社会セキュリティ 緊急事態準備と業務継続マネジメントガイドライン」。 なお認証規格化は、2010年とされています。)
本日は、このBCM/BCPについて、事業特性別に地震対策から内部統制までの盛り込むべき最新対策や各産業分野におけるBCMの取り組みや、緊急地震速報の高度活用事例などを交えて実践的に解説している本を紹介します。
本書:「企業価値向上のための事業継続マネジメント」です。
本書は、セコム株式会社の監修にて、2008年5月に リックテレコム より発行されています。
本書は、「BCP/BCM研究」 のvol. 2になります。
本書は、Part1~Part4までの4つのPartで構成されています。
Part.1では、「keynote:企業価値を高めるBCM」
として、いま何故BCP/BCMなのかとの観点から、事業リスクマネジメントならびに企業価値の向上の観点からBCP/BCMについて体系的に整理して解説しています。また中小企業庁のBCP策定・運用の支援サイトの「中小企業BCP策定運用指針」を紹介しています。さらに中越沖地震の事例から教訓を引き出すと共に、企業価値向上・コミュニティ・官民連携等の観点から。これからの事業継続マネジメント(BCM)の在り方について総括し、「企業自らの問題意識によって、自らの社会的責任を全うする」との基本精神の重要性を強調しています。
Part.2では、「Business Domain:各産業分野におけるBCMの取り組み」
として、医薬品メーカー、ITサービス会社、地方銀行などの各産業分野のBCMの取り組みの事例を解説し、とくに業種毎にその業種ならではのBCMの取り組みのポイントについて詳解しています。
Part.3では、「Earthquake Warning:緊急地震速報の高度活用」
として、最初に「緊急地震速報の基礎知識」について解説されています。2007年10月から本格運用が開始されている「緊急地震速報」の防災情報サービスについて財団法人 気象業務支援センターの配信事業部長が、緊急地震速報を利用する上での留意点や活用のヒントなどを解説しています。また緊急地震速報が鉄道運行の地震対策にどのように活かされているかについて、小田急電鉄/相模鉄道の導入の経緯から具体的な活用の方法までを解説しています。さらに地震の「直前」対策と「最中・直後」の対策に着目して鹿島建設が独自に体系化した「リアルタイム防災システム(RDMS)」について、その概要から、導入事例、建設業の事業特性を踏まえてのBCM支援システムの特徴などを解説しています。
Part.4では、「Measures:対策処置の実例」
として、BCMの対策処置の実例として、事業継続と内部統制、建物・設備の地震対策に関わる免震・制震技術、都市ガスなどライフラインの災害対策、災害対策ITシステム(DRシステム)の構築のポイント、個人情報漏洩事件などBCMに盛り込む情報セキュリティ対策などの対策処置の重点ポイントなどを解説しています。
BCM/BCPについて、企業価値向上及びリスクマネジメントの観点から、業種毎の最新の対策事例から緊急地震速報の高度活用事例などBCM/BCP構築の参考になる情報が満載されています。

なお本書の概要目次は、以下の内容です。
Part.1 keynote:企業価値を高めるBCM
1.指針 リスク管理の視点で捉え直す企業価値を高めるBCMの条件
トピックス 中小企業向けガイドライン
2.教訓 中越沖地震の被災実例から学ぶこれからの事業継続管理の在り方
Part.2 Business Domain:各産業分野におけるBCMの取り組み
1. アステラス製薬
2. ITサービス会社2社
トピックス 標準化動向
3. 地銀64行
Part.3 Earthquake Warning:緊急地震速報の高度活用
1. 緊急地震速報の基礎知識
2. 小田急電鉄/相模鉄道
3. 鹿島建設
トピックス 日本LPガス団体協議会
Part.4 Measures:対策処置の実例
1. 事業継続と内部統制
2. 建物・設備の地震対策
3. ライフラインの災害対策
4. 災害対策ITシステムの構築
5. 情報セキュリティ対策
6. ベンダ提案 大規模災害対策サービス
7. ベンダ提案 データベース・バックアップシステム「Standby Express」
トピックス 地域の防災リーダー「防災士」/東京都葛飾福祉工場
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