中小企業の業務改善に活用できる『5S・プロセス管理・品質ISO・気づき・リスクマネジメント』などの改善ツールとその活用ノウハウについて、自分の会社にあった形ですぐに実務に応用できるように分かり易く解説している本を紹介します。
経営コンサルタントの著者が、前記の各手法について、基本をわかりやすく解説する【導入編】と多数の今すぐ使える資料を提供しながら解説する【マニュアル編】という構成でコンサル現場で語りかけるように丁寧に説明しています。
なお本書の「はじめに」で筆者は、自身の新入社員時代を振り返り『マニュアル、仕組み』とかについて、組織運営上の利点などについて確認した上で、本書のポイントについて、以下のように述べています。
「この本では、マニュアルや手順書類、フォーマットなどを盛りだくさんに載せました。 今までの私の10年間のコンサル経験の中から作り出したものです。 経営者から管理職、人事担当者、新入社員の諸君まで幅広く有効活用していただけるように作りました。」
本書:「中小企業のための業務改善マニュアル」です。
「わかりやすい導入編+今すぐ使えるマニュアル編」との副題がついています。
本書は、著者:平松 徹 氏にて、2008年4月に週刊住宅新聞社より発行されています。
本書の表紙の下部には、以下のように書かれてあります。
5S プロセス管理 品質ISO 気づき リスクマネジメント
コンサルタントの著者が、使える改善ツール&ノウハウのすべてを紹介!!
いつでもどこからでも!
最適・最善・リーズナブル
自分の会社にあった方法で、今日から業務改善!
本書は、4つの章から構成されています。
各章とも導入編とマニュアル編とから構成されています。
導入編では、各ツールの基本的な解説があたかも著者がコンサルタントの現場でクライアントに語りかける臨場感のもと基本的事項について分かり易く解説しています。
またマニュアル編では、心得帖、手順書、チェックリスト、帳票などの資料を中心にそれらを活用する上で留意するポイントなどを解説しています。
第1章では、「5Sで業務改善」
として、【導入編】では、ある中小メーカーの現場コンサル風景として、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)について、その意味・内容の確認に始まり、どのような手順で業務改善を進めたらよいか、どのような効果が見込めるかといった基本を解説しています。また【マニュアル編】では、事務所用の5Sチェックリストなどを解説し、仕事の基本心得帖として5Sをどのように反映するか、またその留意点なども含めどのような文書にし、どのように使い、だれが、いつ、うまく使うにはといったポイントを5W1Hの観点から解説しています。
第2章では、「仕事の基本とプロセス管理」
として、【導入編】では、「仕事の基本心得帖」が良い社員、良い会社になるための階段とした上で、5つの仕事[1.きちんと挨拶する、2.整理・整頓する、3.報告・連絡・相談をこまめにする、4.相手を常に考えて仕事をする(ホスピタリティ)、法律、ルール、約束を守る(コンプライアンス)]の基本について、解説しています。また【マニュアル編】では、前記の5つの仕事の基本を『仕事の基本心得帖』にまとめ仕事の基本とその具体的内容、ポイントをまとめ、5つの仕事の基本のそれぞれについて、どのようにするかという内容とその際の留意点をまとめ解説しています。
第3章では、「品質ISOと業務改善」
として、【導入編】では、品質ISOとは、いったいどのようなものかにはじまり、経営改善・業務改善の道具など標準化の意義と威力などを解説した上で、継続的改善のためのマネジメント規格としての位置づけと重要なポイント、顧客満足の状況を把握し改善につなげるというポイント、責任と権限、応急処置から再発防止対策を含む「クレーム・ミス」への対処、プロセスの監視・測定、内部監査と外部審査、中小企業にこそISOは相応しい、ムリとムダがISOによりなくせるといった諸点について解説しています。また【マニュアル編】では、筆者の会社のマニュアルの一部を紹介しながら、文書管理、記録管理、品質方針・品質目標、力量・認識及び教育訓練、プロセスの監視・測定、是正処置などのポイントについて取り上げ解説しています。さらに品質、環境共通のISO課題発見シートを活用しての業務改善診断について解説しています。
第4章では、「気づきによる業務改善とリスクマネジメント」
として、【導入編】では、結果的に改善することが成果につながっていくとの視点から失敗を生かす文化を育てる意義を確認し、ヒューマンエラー対策、リーダーの役割、さらにリスクマネジメントについて虫の目と鳥の目で兆候を見つけることから、防災のリスクマネジメント、そしてリスクマネジメントの手順とリスクコントロール、さらに金銭不祥事について無くす3原則と3つの仕組み、自己責任、メンタルヘルス管理、パワーハラスメントなどの具体的な対策などをテーマに「気づきによる業務改善とリスクマネジメント」のポイントを解説しています。また【マニュアル編】では、リスクマネジメントについて、リスクマネジメントのための手順、リスクマネジメント表とその使い方、自己発見シート、リーダー心得帖についてのの計画・指示から良いリーダー・悪いリーダーの留意ポイント、防災手順書について、地震、火災の手順書例(項目、内容、留意点)、さらに内部監査の手順書について、帳票例などを交えて実施手順のポイントなどを解説しています。
本書では、中小企業の業務改善に活用できる『5S・プロセス管理・品質ISO・気づき・リスクマネジメント』について、心得帖、手順書、チェックリスト、帳票などの資料を交えて全くの初心者の人でも理解できるように丁寧にかみ砕いて解説されています。
新入社員の方から、その指導的立場にある先輩社員、管理者、経営者も含めて、仕事の基本的事項から仕事の仕組みの改善のための基本的手法の理解と業務改善の展開のヒントが本書から得られると思われます。
なお本書の目次概要は、以下の内容です。
第1章 5Sで業務改善
導入編
5Sがわかれば仕事が変わる コンサル現場の実況中継
マニュアル編
5Sチェックリスト
第2章 仕事の基本とプロセス管理
導入編
1.仕事の基本 社員のあるべき姿を明確に
2.仕事の基本 きちんとした挨拶・身だしなみ
(略)
7.仕事の基本 マネジメントのペースは「重点目標管理」
マニュアル編
仕事の基本心得帖(5つの仕事の基本、挨拶・身だしなみ ほか)
第3章 品質ISOと業務改善
導入編
1.品質ISOとは 標準化の持つ威力
2.品質ISOのポイント 継続的改善のためのマネジメント規格
(略)
9.なぜISOが良いのか ムリとムダをなくせる仕組み
マニュアル編
経営品質マネジメントシステムの文書化(経営品質マニュアル例1 文書管理の手順、経営品質マニュアル例2 記録管理の手順 ほか)
第4章 気づきによる業務改善とリスクマネジメント
導入編
1.失敗生かす文化を育てる 改善したものが勝つ
2. ヒューマンエラー対策 仕組みを使いこなす
(略)
9.パワーハラスメント リーダーの役割自覚を促す
マニュアル編
1.リスクマネジメント
2.リーダー心得帖
3.防災手順書
4.内部監査の手順書
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