「食品工場の工場長の仕事とは」を主催され、『[ビジュアル図解] 食品工場の点検と監査』などISOの本棚でも幾つかの著作を紹介している河岸 宏和 氏が、筆者の25年間の食品工場での経験に基づいて、食品工場の衛生管理、品質管理のほか災害発生時の危機管理まで、安全安心な食品を安定して供給できる食品工場の運営管理のノウハウを実践的に解説している本を紹介します。
食品工場の食品危害などの衛生管理とクレーム対応に関わる危機管理までの食の安全安定確保の具体的な施策のほか、クレーム対応や社員教育まで、実務で使えるノウハウが満載されています。
本書:「最新食品工場の衛生と危機管理がよ~くわかる本」です。
「食品危害からクレーム対応まで網羅! 」との副題が付いています。
本書は、著者:河岸 宏和 氏にて、2008年6月に秀和システム より発行されています。
本書は、同社の『How-nual図解入門ビジネス』の一冊になります。
本書の表紙カバーの下部には、以下のように書かれています。
安全な食品を作るための
ノウハウを実践的に解説!
- 消費者の知らない食品業界の常識
- 衛生管理を実践するルールを作る
- 危機管理のためのマニュアルとは
- 万一の食品事故に対応するために
- 食品工場で必要な教育を実施する
本書の「はじめに」で食品工場で働く、食品品質管理を担当されている方々などに向けて、食品工場とその顧客に対する信頼の重要性を強調し、日常の地道なマネジメントの積み上げに関して以下のように述べています。
「食品工場は、工場が長く持続してこそ、商品を待っている方との信頼関係が生まれると思います。防火管理一つでも毎日毎日工場の周りを点検して放火されるものが無いかどうかみることは簡単ですが、実際に行っている工場は少ないと思います。
毎日、毎日の非常に簡単な点検が工場の存続につながることを考えてもらえる一冊になれば幸いです。」
本書の構成は、他の『How-nual図解入門ビジネス』の本と同様で、原則、見開きの2頁で1項目が解説されるという内容で、左側のページにはイラストなどの解説のための図表が掲載されその一番下には、『ポイント』として箇条書きで要点がまとめてあります。他方、右側のページは、一番右側にタイトルがそしてその下に要約文があります。また2段組で2,3の小見出しと共にその項目の解説分が掲載されているという構成になっています。
テーマ毎に完結した内容になっているので、通勤時間等の限られた時間を利用して読むのにも便利です。また関心の高い箇所から拾い読みしていくとの読み方もできる構成になっています。
本書は、まとまったテーマを取り上げている11の章から構成されています。また各章の終わりには、『コラム欄』が設けられ、『他山の石として学ぶこと 』などのトピックスに対する筆者の考察が述べてあります。
各章の概要を簡単にレビューすると、以下の内容です。
第1章では、「食の安全」
として、「1-1. 安心と安全の違い」といった安心と安全の概念から食品偽装事件、期限表示、商品ラベル、関連法、食品添加物について必要性、その種類、安全性など10項目を取り上げ解説しています。
第2章では、「食品工場の危機管理」
として、「2-1 危機管理とは常に備えること」など予防的な観点からの危機管理に対する備えとしての考え方、起こしてはいけないミスや各種危害の予防の活動、さらに日常管理としての防火管理まで8項目を取り上げ解説しています。
第3章では、「クレーム処理について」
として、「3-1 クレーム発生から受付まで」とのクレーム処理手順にはじまり、クレームの種類、クレームに対する考え方、原因分析、クレーム情報の共有化、クレーム時の記者会見・お詫び会見、リスク対応のためのPL保険加入など7項目を取り上げ解説しています。
第4章では、「食品工場とは」
として、「4-1 研究開発が考えることは」の上流側のプロセスから、購買、受入、下処理、配合、加熱、冷却、包装、箱摘め、出荷判定、保管管理、配送管理などの各プロセスの基本について12項目を取り上げ解説しています。
第5章では、「食品工場の品質管理」
として、「5-1 品質管理の位置づけ」にはじまり、検査室との関係、工場点検、従業員管理、保管食材と適正な温度管理、設備管理、製品検査、工程内検査による洗浄の確認、排水管理など9項目を取り上げ解説しています。
第6章では、「商品開発時の品質管理」
として、「6-1 原材料の品質を確認する」から原材料、製造工程、添加物、賞味期限設定、テーブルテストとロットテスト、開発時の検査など商品開発の設計段階で行うべき6項目を取り上げ解説しています。
第7章では、「安全な食品を作るために」
として、「7-1 食品危害とは」にはじまり、物理的危害、化学的危害、生物的危害、アレルゲンなどに関する各種の危害を防ぐための基本的な方法から製品が手を加えられたことが明確に分かるようにするタンパーエビデンスによる管理まで12項目を取り上げ解説しています。
第8章では、「食品工場で必要なルールについて」
として、食品危害を防ぐために食品工場として守るべき基本的なルールについて、「8-1 通勤時の注意」からペストコントロールのためのルールまで12項目を取り上げ解説しています。
第9章では、「清掃・洗浄・殺菌について」
として、食品工場の衛生管理の基本中の基本である清掃・洗浄・殺菌について、その管理上の違いから、食品工場で行うべき具体的な方法・手順について「清掃に必要な道具の管理について」からシンクの洗い方など含め11項目を取り上げ解説しています。
第10章では、「食品工場で必要な教育」
として、従業員から原材料の供給業者までの工場の関係者について守るべきルールの徹底のための教育計画の作成からとくになぜルールを守ることが必要かとの認識教育まで食品工場において求められる教育について階層別の留意ポイントなど6項目を取り上げ解説しています。
第11章では、「危機管理上準備しておくこと」
として、予防的な観点からの食品工場で起こりうる事故に対する危機管理について、「11-1 従業員の居場所をつかんでおくこと」から「11-7 資材が切れたときどうしたらいいか」まで労災、火災、地震、通信事故、停電への備えといった具体的な方法について7項目を取り上げ解説しています。
本書では、筆者の食品工場の経験を踏まえて基本的な衛生管理、品質管理から、災害発生時の危機管理、クレーム対応や社員教育まで、安全、安心な食品を安定して供給するための食品工場の運営管理のノウハウを図解で分かり易く実践的に解説しています。
本書は、食品工場で衛生管理、品質管理、危機管理といった業務に携わっておられる関連部署の方々だけでなく、食品工場の関係者全般に読んで頂きたい一冊です。
往々にして同じ組織でずっとやっていると他社工場など見学するような機会も少なくこれが当たり前というように気づかないうちにマンネリに陥ってしまっている懸念がでてきます。本書は、自社工場の課題を見直して頂くきっかけにもなるかと思われます。
現場に落とし込むのに最適
食品危機を防止するために
日本の食文化を再構築する為に。
なお本書の概要目次は、以下の内容です。
第1章 食の安全
第2章 食品工場の危機管理
第3章 クレーム処理について
第4章 食品工場とは
第5章 食品工場の品質管理
第6章 商品開発時の品質管理
第7章 安全な食品を作るために
第8章 食品工場で必要なルールについて
第9章 清掃・洗浄・殺菌について
第10章 食品工場で必要な教育
第11章 危機管理上準備しておくこと
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