『「見える化」のことが面白いほどわかる本』(「ISOの本棚」でも紹介)の著者:正木 英昭 氏が「ムダを捨てる技術」で会社・事業がさらに儲かる方向に改革できるとして、そのための68の手法を伝授している本を紹介します。
企業活動は、常に「ムダ」を生み出し続けるものであるとして、見えるモノも見えないルールもすべて浮き彫りにして会社のムダを捨てると、効率が上がって儲けも増えるとして、企業活動における「ムダ=価値を生まないもの」を捨てるための考え方と活動を、以下のような視点から具体的な事例とともに解説しています。
- 組織風土を改革し、長期的に利益を出せる会社と目指す
- 全員参加で、続けられる・成果が上がる活動にする
- モノだけでなく、しくみ・ルールを含む企業活動すべてを対象にする
- 具体的な帳票や事例を紹介し、自力で改革活動に取り組めるように配慮する
本書:「会社のムダを「見える化」する技術」です。
「いらないモノ・しくみ・ルール……
儲けるための「捨てる」テクニック68」との副題が付いています。
本書は、著者:正木 英昭 氏にて、2008年7月に中経出版より発行されています。
同社の「知りたいことがすぐわかるPLUS 」シリーズの一冊になります。
<<本書の概要>>
本書の帯には、以下のように書かれてあります。
見えるモノも見えないルールもすべて浮き彫りにして会社のムダを捨てる!
↓
効率が上がる!儲けが増える!
会社が、社員が、
強くなる!!
本書の「はじめに」に続いて、本書の『「捨てる技術」イメージマップ』が掲載され、本書の構成と捨てる技術を通しての管理・改革の全体像が俯瞰できる構成になっています。
本書は、5章から構成され、「捨てる」テクニック68の各項目毎に原則、見開きの2ページで解説される構成になっています。
右側のページでは、各テーマとその解説文が掲載され、左側のページには、写真、イラスト、フロー図、概念図、帳票サンプル、手順、比較表などの各種図表類が右側の説明文を補完するように挿入されています。
また各ページの下部には、『ワンポイント』、『○×のポイント』、『ひと言』、『これは、ダメ』、『ここに注意』、『ミニ知識』、『さらにひとこと』といった関連のミニ解説等が掲載されるという構成になっています。
このように盛り沢山の情報が提供されている印象ですが、決して乱雑なことはなくあくまですっきりと整理されています。
また各章のおわりには、Column欄があって、トピックス的なテーマを解説しています。
第1章では、「なぜ、要らないものが発生するのか?」
として、「1. ムダを捨てるとは、量と質の改革。発生原因を押さえて闘い続ける」から
「14. トップの経営判断・経営姿勢の不具合や不適切がムダを生む」まで、なぜムダが発生するかのメカニズムと改革の方向性について解説しています。
第2章では、「なぜ、捨てられないのか」
として、「15. 発生責任回避の体質を乗り越えて、組織ぐるみで再発防止を図っていく」から「26. トップは、「赤札作戦」の先頭に立ち、過去のしがらみを断ち切ろう」まで、なぜムダを捨てられないのかとの原因系に切り込みそれを断つための方策を解説しています。
第3章では、「モノを捨てる手順とコツ」
として、「27. 身近な文具類・小物備品のムダから排除していこう」から「41. 思い入れ品・記念品もタブー視せず活用できなければ捨てる」までモノ・書類等の捨て方のテクニックについて解説しています。
第4章では、「しくみ・ルールを捨てる手順とコツ」
として、「42.動作のムダを捨てるには、ビデオ撮影した映像を一緒に見るのが一番」から「53. 社是・経営理念・経営方針は会社の存続・発展の上で欠かせない」まで、各種のしくみ・ルールの捨て方のテクニックについて解説しています。
第5章では、「捨てる活動のしくみづくり」
として、「54. 5Sは重要不可欠な改革活動。その最初の関門・整理をまず成功させる」から「58. ムダを上手に捨て、会社・事業を繁栄に導く10のポイント」まで要領よく捨てる活動を推進するためのしくみづくりのテクニックについて解説しています。
<<まとめ>>
本書では、企業活動のなかで生じてきた使わない在庫や機械、非効率なオフィスの配置、読まれない書類といった「いらないモノ」から、ムダな作業や規則、会議など「いらない業務」まで、非効率の源となっているムダを「見える化」して捨てたり、最小限に抑えたりして、風土、体質、収益性などを改善するためのヒントや具体的な切り口が提示されています。
本書で取り上げられている58件の具体的な「捨てる」テクニックも参考になりますが、その発想法などの面でも参考になると思われます。
本書は、2ページで完結する展開なので、通勤時間などの断片的な時間を活用して関心の高い箇所だけを重点読みすることもできますし、持ち運びにも便利なハンディサイズです。
本書は、「中経出版ネット書籍サービス」の利用も可能なので、本書の購入者に限定したサービスで登録が必要ですが、本書を持ち運ばなくても本書の内容をネットを介して閲覧できるようになっています。
本書の目次概要は、以下です。
「捨てる技術」イメージマップ
第1章 なぜ、要らないものが発生するのか?
第2章 なぜ、捨てられないのか
第3章 モノを捨てる手順とコツ
第4章 しくみ・ルールを捨てる手順とコツ
第5章 捨てる活動のしくみづくり
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- 2008年07月30日
- 見える化、改善、ムダ取り、ポカヨケ
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