話すことは、人とのコミュニケーションの基本ですが、人前で聴衆に向けて話すとなるとなかなか奥深いもの。


全米トップ5に入る有能な講演家と呼ばれ、世界的に著名なコンサルタント&スピーカーとして、世界46ヶ国で4,000回を越すプレゼンテーションを行い500万人を超える人に話をしてきた著者:ブライアン・トレーシーが、「自分の価値を最大限に高める話し方」のノウハウについて伝授している本を紹介します。


ブライアン・トレーシーは、高校を中退後、肉体労働者からセールスパーソン、大企業の重役から会社の社長となった経歴を持ち、低所得層から億万長者となった成功者。現在は、人材育成ビジネス会社の社長。「販売の神様ブライアン・トレーシーの私の営業方法をすべて公開します!」(「ISOの本棚」でも紹介。)ほか多数の成功哲学に関する著作があります。


本書の「イントロダクション」の中で、著者は、聴衆に向かって話をする能力は、成功に不可欠とし、上手に説得力のある話し方ができれば、自分を好きになれ、楽観的になり、自信が持てる。人付き合いにも積極的になれ、魅力的にもなれ、健康的で、楽しく、何事にも積極的になれるものと説いています。


また優れた話し方は、習得できるものと述べ、「達人もみなかってはダメ人間だった。」「習うより慣れろ」とも述べ、優れた話し手になるための以下の4つのDが必要としています。


  1. Desire(願望)
  2. Decision(決心)
  3. Discipline(訓練)
  4. Determination(決意)

本書:「ブライアン・トレーシーの 話し方入門」です。


人生を劇的に変える言葉の魔力」との副題が付いています。


本書は、著者:Brian Tracy(ブライアン・トレーシー)の原著:「SPEAK TO WINHow to present with POWER in any situation」を門田 美鈴 さんの翻訳にて、2008年7月に日本実業出版社より発行されています。


本書の帯には、以下のように書かれてあります。


トップ1%に入る人はこう話す!

[プレゼンで] [スピーチで] [会議で]

あなたの評価は「話し方」で決まる!


また表紙の折返し部分には、次のように書かれてあります。


成功者には理由があった!

プロが実践する

魂をゆさぶる話術


<<本書の概要>>


本書は、イントロダクションと12の章から構成されています。内容は、あたかも読者に語りかけるような分かり易い言葉で具体的に注意深く綿密に展開されており、すっと読み進めることができます。そして、読んですぐ実践できそうな印象にもなります。また各章のおわりには、その章のエッセンスが【まとめ】として要約されており、ポイントがレビューできる構成となっています。


本書を読んで印象深く感じた点を2,3紹介します。


  • リーダーに不可欠な「アリストテレスの『説得の三要素』とは、以下の3つ。
    1.【ロゴス】(語り手の主張の論理、言葉、論拠)、
    2.【エトス】(語り手の性格、倫理観、話をするときの信憑性)、
    3.【パトス】(語り手の主張の感情的な部分で最も重要。人々の共感を得て、心底から感動させることにつながる。)
  • どんなスピーチにも使える簡単な3部構成。第1部(冒頭の部分で、これから何を話すかを告げる)。第2部(冒頭で予告したことを話す。論点は、一つから三つまで。短いスピーチでは、この三つの鍵となる論点を順番に展開する。)。第三部(話してきたことのまとめ・要約を行う。)
  • 人に感銘を与えるようなスピーチの秘訣は、準備で、話し手としての成功の90%は、周到な準備ができているかどうかに尽きる。
  • どんな話にでも使える一語を軸に話を組み立てる方法(EX、【SUCCESS】を例にすると1.Sは、「Sense of Purpose」(「目的意識」で明確で具体的な目標を持つことの重要性を説く)、Uは、「You are responsible」(「あなたは責任を負うべき」であなたは、自分の人生とキャリアに責任を持ち、どんな言い訳もしてはならない)と展開。そして、Cは「Customer satisfaction」(「顧客満足」で理想的な顧客を獲得するために何ができるかを判断し、ライバル以上に満足を提供)、Cは、「Creativity」で(「創造性」で、今日の市場で製品を宣伝、販売するためのもっと優れた、迅速で安価な方法を見つけることの重要性を説き)、そして、Eは、「Excellense」で(「創造性」で、確実に優れた仕事をし、絶えず向上に努める)、Sは、「Sensitivity to others」(「他人への思いやり」で他人を思いやり、他への影響力を考慮するすること)、最後のSは、「Stick to it」で(「やり遂げよ」決して諦めず、あらゆる困難に直面してもやり通す決心が大切)といった構成などで考えを組み立て原稿無しによどみなく話ができ聴衆に深く印象づけることができる。
  • とくに話の結びの言葉によって、聴衆に大きなインパクトを与えることができる。選び抜かれた言葉により、聞き手にそれまでとは違う考え方、感じ方、行動を起こさせることができる。ときには、聞き手の人生も変えることもある。

<<まとめ>>


本書は、聴衆の心に響く話し方の基本について丁寧に分かり易く、解説しています。


繊細に緻密に周到な準備をして練習を重ね場数を踏み自信をつけるといったオーソドックスな原理原則が説かれています。


カーネギーの名著:「話し方入門」が発行されたのが1926年になりますが、この辺りが米国の「話し方」の原点になっているのかも知れませんが、このブライアン・トレーシーの本でもそのテクニックや知恵が多分に反映されているように感じます。


経営者として成功するための要件は、時代の要請も含めて色々の側面がありますが、組織の規模を問わず、組織の人たちにそのビジョンや思いをしっかりと伝えるコミュニケーションのスキルが今日、特に強く求められているように感じます。


「話し方」のスキルは、経営者に限らず、成功するビジネスパースンには必須のスキルで本書は、そのようなニーズを感じておられる方に読んで頂きたい一冊です。


ブライアン・トレーシーの 話し方入門
日本実業出版社
門田 美鈴(翻訳)
発売日:2008-07-17
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:74

なお本書の概要目次は、以下の内容です。
イントロダクション 人を動かすパワフルな話し方
第1章 わかりやすく話す秘訣
第2章 成功は入念なプランと準備から
第3章 自信と心のコントロール
第4章 誰が聞いても印象的なスピーチの始め方
第5章 少人数の会議で成功するコツ
第6章 少人数のプレゼンテーションや交渉
第7章 聴衆を魅了する「演壇の魔術師」
第8章 パワフルな声の磨き方
第9章 一流の話し手が駆使するテクニック
第10章 会場を管理する
第11章 エンディングは華々しく!
第12章 説得力のあるセールス・プレゼンテーション




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