内部統制報告制度について評価から報告書の作成など実務のポイントを解説している入門書を紹介します。


本書では、金融商品取引法、内閣府の「内部統制府令」、金融庁の「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準」や「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」を中心に、日本公認会計士協会が公表した「財務報告に係る監査に関する実務上の取扱い(実務上の取扱い)」などの内容を加味して、内部統制システムの評価、監査、内部統制報告書の作成方法などを解説しています。


とくに、内部統制システムの構築方法から、経営者による内部統制システムの評価、外部監査人による監査の受け方、内部統制報告書の作成方法まで、豊富な図解でわかりやすく解説しています


本書:「最新 内部統制の評価と監査がよ~くわかる本」です。


社内体制をどこまで整備すべきか? 」との副題が付いています。


本書は、著者:岡林 秀明 氏にて、2008年6月に秀和システム より、同社の「(How-nual図解入門ビジネス」の一冊として発行されています。



本書の表紙の下部には、以下のように本書のポイントを取り上げています。


  • 内部統制に欠陥があると上場廃止に?
  • 業務委託先も内部統制の整備が必要?
  • 内部統制の評価の対象はどんな業務?
  • 公認会計士の外部監査を受けるには?
  • 財務諸表監査と内部統制監査は違う?
  • 内部統制報告書には何を記載するか?

内部統制に関する本は、これでもかと多数の本が出版されています。


それぞれ意図している点が異なるかと思いますが、本書は、あくまで入門書としての内容なので、例えば、上記の問いについて全て理解できている人には、本書は、不向きかと思います。


本書は、11章から構成され、途中に幾つかの【日本版SOX法のモデルはCOSOフレームワーク】などのトピックスを取り上げたコラムが挿入されています。


本書の特色は、内部統制報告制度の評価から報告書の作成など実務のポイントについて図解で分かり易く解説している点です。また時系列的に活動の流れが取り上げられているので実務的に理解しやすいという点があると思います。


ざっと本書の内容を見ると以下のような構成となっています。


第1章では、「「実施基準」には何が書かれているか」
として、内部統制を構築・運用する実務的な指針である「実施基準」の記載について内部統制報告書の提出に至る流れの概要と実務上のポイントについて、「1-1 きちんと整備・運用されているかどうか」から「1-7 内部統制監査は財務諸表監査と同じ監査人が担当」までを解説しています。


第2章では、「内部統制システムを構築・運用する」
として、内部統制システムの構築・運用にいたるステップの中の主要なプロセスとその具体的な留意点について、「2-1 内部統制システムを構築する際の要点」から「2-5 不備への対応・是正」までを解説しています。


第3章では、「評価ステップの事前準備」
として、内部統制の「モニタリング」と「ITの活用」に焦点を当て業務プロセスの中でどのように準備すべきかについて、「3-1 財務報告に係る内部統制の範囲と内容」から「3-6 透明で信頼できる株式・債券市場をつくるには」までを解説しています。


第4章では、「内部統制の制度・仕組みを評価する」
として、評価のステップの前の「評価対象の絞りこみ」の観点から重要なサブステップへに分解し、「4-1 なぜ財務報告に係る内部統制を評価するのか」にはじまり、「4-8 監査人と綿密な協議が必要」といった切り口で解説しています。


第5章では、「全社的な内部統制の整備・運用状況を評価」
として、「5-1 だれが内部統制評価を行うのか」から「5-5 どのように「全社的な内部統制の評価」を実施するか」といった内容で内部統制の評価における重要なポイントについて解説しています。


第6章では、「業務プロセスの内部統制の整備・運用状況を評価」
として、「6-1 対象となる業務プロセスを把握・整理する」から、「6-7 整備・運用状況の評価」といった内容で業務プロセスの内部統制の評価における不具合に対する是正策の立案・実行も含めて業務プロセスの評価のポイントについて解説しています。


第7章では、「 内部統制の有効性の判断から、「内部統制報告書」の作成まで」
として、「7-1 内部統制の有効性を判断する」から「7-9 内部統制報告書に何を記載するか」まで内部統制の有効性の判断と是正処置も含めて有効性の判断に関する活動のポイントを取り上げ解説しています。


第8章では、「内部統制監査の目的と意義」
として、外部監査人による「内部統制監査」の留意ポイントについて、「8-1 「重要な欠陥」があっても、上場廃止になるわけではない」から「8-6 内部統制システムを支える内部監査人」までを取り上げ解説しています。


第9章では、「監査計画の策定と評価範囲の決定」
として、内部統制監査の「監査計画の策定」及び「評価範囲の妥当性の検討」のステップにおける留意ポイントについて、「9-1 最初のステップは「監査計画の策定」」から「9-6 経営者が評価範囲を決めた段階で、監査人と協議を」までを取り上げ解説しています。


第10章では、「内部統制監査を実施」
として、内部統制監査の「経営者による内部統制評価制度の検討」のステップにおける実務と留意ポイントについて、「10-1 内部統制監査のプロセス」から「10-14 質的重要性とは何か?」までを解説しています。


第11章では、「監査人による報告、是正、監査報告書の作成・提出」
として、内部統制監査の「監査人による報告」のステップにおける実務と留意ポイントについて「11-1 内部統制の「重要な欠陥」を報告し、是正を求める」から「11-11 追記情報を記載する場合」までを取り上げ解説しています。


本書の付録として、金融庁の「内部統制報告制度に関するQ&A」及び「内部統制報告制度に関する11の誤解」が資料として添付されています。


本書は、内部統制報告制度の実務について入門者向けに図解など交えて、時系列的に内部統制システムの構築方法から、経営者による内部統制システムの評価、外部監査人による監査の受け方、内部統制報告書の作成方法までを分かり易く解説していると思います。


内部統制についての実務の全貌を概観したい入門者には、本書は、格好の入門書と思います。


なお本書の目次は、以下の概要です。
第1章 「実施基準」には何が書かれているか
第2章 内部統制システムを構築・運用する
第3章 評価ステップの事前準備
第4章 内部統制の制度・仕組みを評価する
第5章 全社的な内部統制の整備・運用状況を評価
第6章 業務プロセスの内部統制の整備・運用状況を評価
第7章 内部統制の有効性の判断から、「内部統制報告書」の作成まで
第8章 内部統制監査の目的と意義
第9章 監査計画の策定と評価範囲の決定
第10章 内部統制監査を実施
第11章 監査人による報告、是正、監査報告書の作成・提出






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