著者の寺田氏は、自ら7年かけで速読術のノウハウを編み出しSRR速読教室を主宰しています。
そのノウハウを集約した読書法が「フォーカス・リーディング」。
「フォーカス・リーディング」の講座は、95%の高い修得率を誇るとのことで、とくに実用的な技術を学べる3日間集中講座は毎回キャンセル待ちになる人気講座とのこと
そのセミナーを実況中継したとの位置づけの本が本書。
従来の速読法と一線を画するのは、速読を「能力(開発)」としてとらえず「読書の技術」とする考え方。
これはユニークと思うが、具体的に磨くべき技術とは、以下のような技術とする方法論になります。
- 【眼】をコントロールする技術。
- 【読みの強さ】(意識による情報の入力レベル)をコントロールする技術。
- 何をどう読むかという【フォーカス】を設定する技術。
「フォーカス・リーディング」では、読むスピードを追求しつつ、内容をしっかりと頭に叩き込み、しかも確実に成果を出すための以下のことが狙い。
-
昨今のビジネス書や新書を、一冊10分で片付ける技術をマスターする
- 読書を仕事の成果を自分の成長に確実に結びつける読み方をマスターする
本書:「フォーカス・リーディング」です。
「「1冊10分」のスピードで、10倍の効果を出す いいとこどり読書術 」との副題が付いています。
本書は、著者:寺田 昌嗣氏にて、2008年8月にPHP研究所 より発行されています。





本書の帯には、以下のように書かれています。
あの「キャンセル待ち」の
人気講座がついに書籍になった!!
「眼」「意識」「フォーカス」-----
3つのコントロール術で、本の読み方に奇跡が起こる
本社の「はじめに」で著者は、読書の投資対効果について、例えば、以下のような式を持ち出して「フォーカス・リーディング」についての考え方の説明をしています。
読書の投資対効果=[((著者の力)×あなたの経験値))/(読書にかけたコスト)]×あなたのビジネス力
読書のような分野で企業数字を取り扱うような効率の数式を持ち出すのは、潜在意識のような部分で蓄積された読書の効用を無視するような視点になるので違和感があったが、筆者の読書論の生産性といった尺度で、分子はそのままに、分母の読書にかけたコストをフォーカス・リーディングで1/10とできれば、読書の投資対効果が10倍になるとの理屈。
ビジネス書が対象で読書の意図が仕事の成果や自分の成長に確実に結びつけるとの観点であればこのような読書プロセスのマネジメントとも言うべき考え方は有効だろうと思います。
とくに例えば、ベストセラー作家のK女史がその著書で紹介している本を一般読者が読書に対する目的や、自分の特質を把握せずに片っ端から鵜呑みに読んでいったとしても余り成果は得られないかも知れないというのはその通りだと思います。
読書をマネジメントシステムに対する視点のようにプロセスと見て効率を考えると投入資源に対するアウトプットが読書の成果のような指標になるが、読書にかかる前のどの読書から何を得たいのかという目的でどのようなインプットを準備するかが重要と思われる。
読書プロセスの前のプロセスが重要になる。読書の目的で読書する箇所を絞れば、比較的に短い時間で目的が達成できることになる。
例えば、矢矧 晴一郎氏流の読書法(「自分を超える「スピードアップ」勉強法 」(ISOの本棚でも紹介)である。
フォーカスするという視点からこの重点化・絞り込みにも著者は言及しています。
私には、めまいでも起こしそうでとてもチャレンジする気にはなれませんが、速読を実践するための眼の動かし方や視野の広げ方、目的別の本の読み方、有効なアウトプット術など、即効性のあるテクニックが図解と実験のパターンの紹介も含めて具体的にレクチャーされています。
随処作主。立処皆真。 (ずいしょに主となれば、立処みな真なり)
読書にあたり、自分が主役である位置づけを忘れてはいけません。
なお本書の目次は、以下の内容です。
はじめに
講座を始めるに当たって
【理論編】
第1講 あなたがはまりがちな"読書のワナ"
第2講 読書に何を求めるのかをはっきりさせる
【鍛錬編】
第1講 速読は体育会系のノリで身につける
第2講 「体」を極める
第3講 「技」を極める
第4講 「心」を極める
【実践編】
最終講義 フォーカスの力を最大限引き出す読書術
おわりに
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- 2008年08月08日
- ビジネス、自己啓発、スキルアップ
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